臨時投稿 経済学の役割

<経済学の役割>

 なぜ、経済論をするために、経済学を学んだ方が好ましいのか?

引用・抜粋 

ミクロ経済学の力ミクロ経済学の力
(2014/09/25)
神取 道宏

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p3~

 「日本は米の輸入を自由化すべきか」という経済問題を例にとってミクロ経済学の方法を大雑把に説明してみよう。この問題は、

・「自由化したらどうなるか」という、事実解明的な問いと
・「その結果が良いか悪いか」という規範的な問い

に分けられる。前者は事実関係についての問いだから、真実は一つのはずで(筆者注:事実という表記ではないところがミソ)白黒の決着がつけやすい。これに対して後者は価値判断の問題なので、様々な人が異なった意見を持ちうる。問題を性格の異なる2つの部分に分けるのは、議論を進めるのに大いに役立つはずである。

 われわれが常識として持っている知識は、きわめて断片的であいまいなもので、時として正反対の結論をもたらすことがある。

問い

 燃料費が上がると、製品を値上げして、コスト上昇のツケを消費者に回すのはだれか?

 大多数意見は、

1.大企業は強い力で値上げをし、弱者である消費者に回すが、中小企業は、力が弱く、価格転嫁できずに困っている。
 
逆の意見もある。新聞には

2.ガソリンスタンド35店が値上げに踏み切った。価格競争が激しい石油業界では、スタンドが卸値の上昇分を吸収する余力はほとんどなく、小売価格に転嫁せざるを得ない状況。

 とある。

 この事例から、2つのことが分かる。

1 社会問題に対する常識的議論は、上記の2つを、当たり前と考える。だが、2つは正反対で、両方が正しいはずはない。

2 常識的議論は、時として、正反対になりうる。

 常識的議論が100あったら、90はどこかおかしいものと思って差し支えない。ミクロ経済学の役割は、常識的議論の中から、本当に筋の通ったものを発見するための道具を提供するということなのである。

 農業を国の基本とする重農主義は、自由化による国内農業の衰退に断固反対だろう。ミクロ経済学は、「貿易黒字は国のため」とか、「農業は国の基本」というような大雑把な形の価値判断をせずに、自由化によって誰が得をし、誰が損をするのか、得をする人は損をする人に補償を与えることができるのかなどを考慮して、自由化の是非を論ずる(市場均衡の説明で明らかになる)。

 (ミクロ経済学)で学ぶことは、数式やグラフ(筆者注:グラフは、文系のために、数式をビジュアル化したもの)を使い、ひとえに経済・社会の問題を議論する際に、議論の言葉の意味をはっきりさせ、議論の道筋が合っているかを「多数の人間が共通の理解の下にチェックできるようにする」ために必要となるものである。



 言い尽くされています。やはり、いつも、「なぜ学ぶのか」という原点・基本を確認する重要性を、改めて認識できます。
 
こういう、共通の土台に載らないと、そもそも、議論になりません。

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臨時投稿 数字で語ることができない、デフレ礼賛者 その2

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臨時投稿 数字で語ることができない、デフレ礼賛者

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「デフレは構わない、政府は市場介入するな論者」のアホ論


 医療制度を批判するなら、社会保障制度学ばないと批判できないと思いますが、経済批判する人にとっては、全然、関係ないようです。

 私も、「日本経済をボロボロにする人々」というブログで、コメントを拒否されているので、仕方がないからこちらの本文で扱いまいした。くだらないので、もう勘弁してほしいです。

規範(価値判断は、1人1人、バラバラです。

危険ドラッグ「個人の自由だ」4大学で6・5%
読売新聞 11月27日(木)9時28分配信

 関西、関西学院、同志社、立命館の4大学が、今春入学の1年生に行った違法薬物に関する意識調査で、危険ドラッグの使用について回答者のうち1590人(7・1%)が「個人の自由だ」「1回くらいなら構わない」と答えていたことがわかった。
 4大学は、学生の間に危険ドラッグを受け入れる風潮があるとして、教育活動を強化する考えだ。
 意識調査は4月、4大学が2万6450人に実施し、回答率は85%だった。

 危険ドラッグについては9割が「絶対に使うべきでないし、許されない」としたが、一方で1456人(6・5%)が「他人に迷惑をかけなければ個人の自由だ」、134人(0・6%)が「1回くらいなら心や体に害がないので構わない」と答えたという。



http://panzershimizukengo.blog99.fc2.com/blog-entry-1963.html
菅原晃著「高校生からわかるマクロ・ミクロ経済学」という本を読みました。

一部の評論家は「2年後に日本の国債は暴落してハイパー・インフレが起こる。その前に資産をドルに移すべきだ。」と主張しています。
もしこれが本当なら私のように無収入の預金生活者は完全に破産します。
ホームレスと一緒に炊き出しの列に並ばざるを得なくなるでしょう。
心配になって経済学の勉強をしようとこの本を買い求めたのです。
この本はなかなかの力作で著者菅原氏がマクロ・ミクロ経済学を何とか理解させようと最大限の努力を払っていることがわかります。

ただ表題にあるように高校生にマクロ・ミクロ経済学がわかるかと言えば答は否ですね。
著者は複式簿記の借方、貸方の概念を使って国家の経済すなわちマクロ経済学を説明しています。
商業科の高校生ならこの説明は通用するでしょうが、その他の高校生、また複式簿記や会計学を学んだことのない大学生もこの部分でつまずくでしょう。

複式簿記は人類が生んだ偉大な発明の一つですが、素人にはわかりにくいものなんですね。
共産主義経済が崩壊した原因の一つは複式簿記を採用しなかったことです。
収入と支出を記帳しただけの単式簿記では減価償却費が計上されませんから実際の資産の状況が把握できません。
順調に稼働していた工場がある日突然潰れるという事態が起こりうるのです。
日本の国債を実際に引き受けているのは膨大な資産を所有する日本の国民です。
かってデフォルトしたアルゼンチンのように海外投資家に頼っている訳ではありません。
日本国の負債は日本人の資産でもある訳で、一部の評論家が言うように日本の国債が暴落してハイパー・インフレが起こることはあり得ないというのが著者の結論です。
その証拠に日本の国債は大変信用度が高く金利は最低水準です。
金利が安い国債はローリスクであり高値で取引されているということです。
信用度の低い国が発行する国債はハイリスクであるため金利を高く設定しないと売れないのですね。

ただ日本経済がこのままでいいかと言うとそうではありません。
この本は安倍総理が消費税10%増税を主張する前に書かれたものです。
しかし今後の日本人の資産の推移、国債引き受けの限度、高齢化に伴う政府支出の増大、これらを総合的に勘案すると消費税を10%に上げるべきだというのが著者の主張です。
北欧の消費税は20%ですし、その他の主要国も10%台なんですね。
日本の消費税はまだ上げる余地が十分あるということです。

また著者はTPPなどによる貿易自由化を積極的に推進すべきだと言います。
リカードという経済学者が自由貿易は世界の富を増大させるということを証明しました。
その後の研究でこのリカードの法則はいかなる場合も当てはまるということがわかっています。
各国が自国の優位な産業に特化して自由貿易を行えば世界の富は必ず増大します。
食糧安保論なるものを農協などが主張していますが、この10年間で世界の農産物の収穫量は大きく増えています。
だからアメリカなどは農産物を日本に売りたがっているのです。
各国が補助金を出して自国の非効率的な農業を保護することは世界経済から見れば意味がないんですね。
ちなみにこの本は後半部分で数学的な証明を多く使って経済システムを説明しています。
高校3年生を終了した程度の数学的素養が必要となります。

経済学の原理に忠実にのっとって経済現象を説明した好著であることは間違いありません。
定価1500円は決して高くはないと思います。


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