池田信夫某の、吉田慰安婦強制連行なみの、ウソ。池田信夫を銃殺せよ(クルーグマン風に言うと)。
池田信夫を銃殺せよ(クルーグマン風に言うと)>
表題は、
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http://abc60w.blog16.fc2.com/blog-entry-467.html
P・クルーグマン 「日銀総裁を銃殺すべし」
この記事を受けての、表現です。経済学者(リフレーション云々を主題にしている人)で、この件を知らない人は、いません。
池田某も、この記事をわざわざ取り上げて、扱っています。
しかも、「悪い冗談」だと本人も認めています。
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クルーグマン 日銀を語る
問題は、ただ1点、ピケティは、
最近の「非伝統的金融政策」では、中央銀行に過大な役割が期待されている
金融政策は景気対策に使うべきではない。
と、書いているのかどうかです。その上で、
ピケティと山形のどっちが正しいかはもはや明らかだが、これをごまかすために山形が「非伝統的金融政策には大きな役割が期待されている」などと意図的に誤訳するおそれもないとはいえない。
上のような事実(表現・表記)が、「成立」できるのか否かです。
ほんとに、ウソだけは、ジャンクです。
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51915872.html
2014年10月18日13:03
ピケティを理解できないリフレ派の訳す『21世紀の資本』
Capital in the Twenty-First Century
(2014/04/15)
Thomas Piketty
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原著で969ページが訳本で760ページというのは(たぶん注を省略した)抄訳だろう。5960円というのは、みすずとしては社運を賭けたバーゲンプライスで、初版1万部ぐらい見込んでいるだろう。しかし残念ながら、この訳本はおすすめできない。訳者の山形浩生が2010年にこんなことを書いているからだ。さて、この処方箋は簡単だ。インフレ期待を起こせばいい。これほど簡単なことはない。日本銀行がお金をいっぱい刷り、これからも当分そうしますよ、と言えばいい。いままでの日銀による金融緩和は、お金はとりあえず刷るけれどすぐやめますからね、と言い続けていたのでインフレ期待はまったく上がらなかったのだ。
いま読むと気の毒になってくるが、彼の期待どおり、黒田総裁は「日本銀行がお金をいっぱい刷り、これからも当分そうしますよ」といって「2年で2倍」の異次元緩和をやった。その結果はどうだっただろうか。
ご覧のように金融政策で動くコアコアCPIは横ばいで、エネルギー価格を含むコアCPIは、原油高と原発停止で1.1%上昇した。つまりインフレのほとんどはエネルギー価格の上昇によるもので、起こったのは景気回復ではなく、貿易赤字とゼロ成長だった。最近は原油価格が大幅に下がったので、9月のコアCPI上昇率は1%を割ると予想されている。
これは古典派→新古典派→新しい古典派と続いた、御大ルーカスの「合理的期待(予想)仮説」です。
中銀の金融緩和で、未来時点のインフレが予想されると、「今の行動」が変わる、「今の行動」が変わる、だから、これを組み入れていない、ケインジアンモデルは無効だあと、御大が批判した(ルーカス批判)!
だから、今の行動が変わります!
将来的な緩和を見込んで、ドル買い(強い通貨を買うのは当たり前)、その結果円安になって、円安メリット企業が多い、日経225銘柄=日経平均が上がります!!!!
そうすると、高級車や、高級時計や、マンションが動き、高級車ディーラー従業員や、デパート従業員や、不動産業サラリーマンの給与・ボーナスに跳ね返ります。
そうすると、成長します。(2013年 名目1%、実質1.6%上昇 速報値)
インフレになることが目標ではないのです。インフレ期待(予想)のもとで、今の行動が変わることが、リフレーション政策なのです。インフレを起こすことが、本質ではないのです。インフレになるという予想が大事で、その結果、人々の行動が変わるということが本質で、インフレは結果なのです。
参考 拙著 『図解 使えるマクロ経済学 第3章』
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リフレーション理論とは
で、インフレも、デフレも、その行動の結果を示すものです。つまり、景気や、GDPが成長すると、結果としてインフレ・デフレが出るのです。
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51678806.html
2011年02月18日 01:08
池田信夫 『スタグフレーションがやってくる?』
…日本では「FRBやイングランド銀行は果敢にバランスシートをふくらませた。日銀もやれ」と勇ましいことをいう向きがあるが、FRBは3倍、イングランド銀行は4.5倍に資産を増やしても失業率は改善しない。起こったのは過剰流動性による商品価格の高騰である。デフレは景気後退の結果であって原因ではないので、結果を変えても原因は変わらないのだ。
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デフレは「結果」だと、ちゃんと本人も認めています。
ところが、結果のインフレについては、「インフレになっていない」といいます。

大切なのは、食糧・エネルギーを除く、コアコアCPIだ、というのはいいのですが、これだと、上がっていないものに見えます。
これは、平成22年を100とするデータで、その前に、2013年1月時点前に、デフレが進行していたので、低い数値から、進むデータです。
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総務省 平成25年平均消費者物価指数の動向 18ページ
実際には、この間、対前年比のコアコアCPIは、確実に上昇しています。
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消費者物価指数


しかも、これは、「対前年比」ですから、2014年(平成26年)は、プラスだった2013年(平成25年)よりも、さらに上がっていることになるのです。
ですから、池田某は、「影響が大きくなさそうなデータ」を恣意的に使っているのです。
<ウソ>
まあ、ここまでは許せるとして、次は、「虚偽」ですから、もう、どうしようもありません。
ピケティは「中央銀行の力は過大評価されている」と警告して、こう書いている。
最近の「非伝統的金融政策」では、中央銀行に過大な役割が期待されているが、それはあくまでも金融調節を行なう機関であって、産業振興や財政出動の代わりをするものではない。金融政策は景気対策に使うべきではない。裁量的な資金配分には民主的なコントロールが必要であり、中央銀行にはそれがないからだ。(第16章)
ピケティと山形のどっちが正しいかはもはや明らかだが、これをごまかすために山形が「非伝統的金融政策には大きな役割が期待されている」などと意図的に誤訳するおそれもないとはいえない。専門家は、原著か英訳を読んだほうがいい。
とはいっても多くの一般読者にはこの大著を読み通す時間も気力もないと思うので、私はこの訳本と同時に、経済学の知識ゼロでもわかる『日本人のためのピケティ入門』(仮題)というパンフレットを東洋経済新報社から出す予定だ。同時に、ピケティが2時間でわかるセミナーも開く予定である。
最近の「非伝統的金融政策」では、中央銀行に過大な役割が期待されている
金融政策は景気対策に使うべきではない。
これ、どこを読んでも、書いていないのです。自分が見落としたのかなあ?と思って、16章を、再度読み直したのですが、やっぱり書いていないのです。
すみませんが、私の英訳のレベル内で、ピケティの「中央銀行」のところの、概要をまとめます。
第一次大戦、金本位制の時には、中銀の役割は小さかった。(金本位だったため)
金兌換性を失うと、中銀の力は、無限になってしまうので、厳格な規制が必要だ。
大恐慌時、流動性創造を拒否し、危機を悪化させた。(フリードマンとシュワルツの分析引用)
マネタリスト・ケインジアン・新古典派は、中銀は最後の貸し手で、金融崩壊とデフレを避けるために、必要なことを何でもすべきだと、合意している点。
だから、2007年金融危機に対し、対応した。
しかし「非伝統的」金融政策に合意はない。
中銀は、富そのものをつくり出さず、再配分する。
(10億ドルや10億ユーロをつくり出して)、アメリカ全体や、地球全体の純資産は変わらない。
マネー・サプライを増やすとき、国民資本には、影響はない。
これはどういうことかというと、中銀は、貨幣を刷っても、モノ・サービス・資源を増やすわけではないという点です。
モノ・サービス・資源は、その国のヒト・モノ・カネを使って、産み出される「富」です。カネを刷れば、実際の富(ストック・モノ)を増やすわけではないことは、わかると思います。
中銀は、インフレや、デフレによって、作られた富(インフラや、金融資産)の配分を、ゆがめてしまうのです。インフレは、実物資産や株を持っている人の資産を増やし、デフレは、貨幣の価値を増やします。
ハイパーインフレは、貨幣価値をなくすので、貨幣資産を持っている人(借金している人)をチャラにします。土地や株を持っている人は資産を増やします。
このように、中銀の政策は、「富」の再配分を、ゆがめるということです。
2007-08年以降、どんな「非伝統的」金融政策が試されただろうか。
短期から、長期になった。
FRBは、9か月から12か月の融資を行い、長期債を買った。FRB、日本、イングランド、南欧が悪化で、ECBも。
中銀は、企業に投資を強制したり、家計に消費を強制できない。
経済が成長するよう、命じることもできない。
デフレと不景気を防いだが、ヨーロッパで、ユーロ危機が信頼を崩した。
ゼロ金利で、民間はそのカネを(どう使っていいかわからず、)政府に(国債を買うことで)戻している。
中央銀行は、バランス・シートの規模の限界を越えられない。でも、柔らかな数字だ。金持ち国の民間純資産はGDPの500-600パーセントになるから。
産業政策や、教育政策は、国が決め、中銀ではない。中銀が国富を動かす時には、間違いのないほうがいい。
中銀の欠かせない役割は、金融システムの安定性の確保だ。
最近の「非伝統的金融政策」では、中央銀行に過大な役割が期待されている
金融政策は景気対策に使うべきではない。
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景気対策など、金融政策にはできない、資源の再配分しかできないと言っているのに、「使うべきではない」って、中銀は景気対策ができる能力を持つって、書いてあるのですか?
そんなこと、書いていません。池田信夫の、誤訳です。虚偽誤訳だから、吉田慰安婦強制連行と、全く同じです。
池田が「超訳」する、ピケティ解説は、「虚偽」がまざるので、きちんと、全文を読んだほうが、確実です。
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後日、水野『資本主義の終焉と世界史の危機』で、もう一度ピケティを扱いますが、
ピケティに言わせると、
『資本主義の終焉と世界史の危機』
↓
『資本主義の本質と世界史の復権』
になります。