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価値観 3

<なぜ、このブログでは、意見はいらないというのか 3>

シベリア抑留

読売H26.7.26

シベリア山奥の収容所。強制労働。感覚を失う手。発熱と下痢に襲われ、意識朦朧、病院送り。ソ連側の婦長の言葉。

ソ連婦長「自分も戦火に追われて体一つで逃げてきた。親も兄弟もない。あなたは帰る家があり、必ず帰れるのだから」と言われた。戦争の犠牲は、戦勝国も変わらないことを知った瞬間だった。



みなさんは、写真記事にある事例の場合、この高亀さんの立場だったら、どう行動しますか?解決策はなんですか?答は、どこにありますか?

読売H26.7.26
 
芥川喜好 「『公』崩壊している」

 日本近代の油彩画家・・野口弥太郎・・。・・彼の言葉をあえて読み替えてみます。問題にきちんと向き合うことをせず、お上と他人の意向ばかり気にして、長いものに巻かれ、「公」 の意識に乏しく、自己利益しか頭にない、大人の振る舞いのできない・・・。

 目を現代に転じてみればどうか。今年も、公人の言葉や振る舞いをめぐる大騒動が続きました。環境大臣の失言、都議会議員の暴言、県議会議員の号泣、と数えながら、激しい無力感に襲われます。公人問題は去年も相次ぎました。その前の年も、その前も-だからです。

 再発防止に努めよう、というような当事者たちの申し合わせはいわば弥縫(びほう)策であり、いずれ忘れられて何も変わらないだろうことを多くの人が知っているからです。問題はもっと根源的なところにあることに気づいているからです。
 
 たとえば都議会におけるあの性差別的なやじは、重大な人権問題であると同時に、「公」というものが崩壊してしまっている風景でもありました。

 やじに悪乗りした者、知らぬふりを決めこんだ者、幕引きを急がせた者、いずれも公人意識のかけらすら感じられません。その昔、当方も地方議会の取材をさんざんやりましたが、この都議会の方が程度が悪い。
 
 的を射た語釈で知られる新明解国語辞典によれば、公人とは「公職に在るという立場で、その行動が問題とされる人」のことです。常に人目にさらされ、「問題とされる」のです。強い精神力と使命感が求められる。覚悟が要るということです。
    
 もう一つ。「公」の場では言っていいことと悪いことの別がある。偏見や差別につながるものが許されないのは、当たり前の話です。そういう、必要な建前を貫くのが公人の、むしろすべての大人の責務でしょう。
 
 頻発する公人あるいは社会的地位の高い人々の問題に共通するのは。事件を起こした当事者たちの幼さということです。「誰が言ったんだ」「早く名乗り出ろよ」「ぼく知らないよ」というやりとりは、まさに子供の間のもめごとです。

 八年前に哲学者鷲田清一さんが本紙に寄稿した「現代おとな考」は、冒頭「わたしたちの生きているこの社会は成熟した社会なのか、それともただの幼稚な社会なのか」と提起して少なからぬ衝撃を与えました。

 責任ある人の幼稚なふるまいが通る社会は、皮肉にも成熟した社会なのかもしれない-と鷲田さんは続けています。洞察の深さに身ぶるいします。

 現代の価値観に従って、多くの人は自分の権利と利益の追求だけで育ってきました。問題に率直に向きあい、あるいは他を思いやり、人にゆずり、時に自分の利を棚上げにするような潔さ、つまり大人の流儀を学んでこなかった。

 公人問題というのは、一人一人の大人にとって、ひとごとではないのです。



伊集院静 悩むが花 週刊文春 H26.7.31

Q 
塗装業で見習いとして働いています。仕事もあまりできる方ではないのですが、それ以前に根本的な部分で気が利かず、理解力がないなど毎日怒られています。
僕は塗装の仕事が好きで、一生の仕事にしたいのですが、自信が無くなつてきました。気を利かせたり、理解力を身につけるには普段からどう気を付けて生活すればいいでしょうか?(25歳・男・塗装業見習い)

A
ここに持ちこまれる相談事は、ほとんどがソウダンと言うより、ジョウダン半分ってのが多いのだが、君は真剣に悩んでいるようなので、少し真面目に考えてあげよう。

 塗装業の見習いをしているのか。イイナアー。
 塗装業ってのは、私も仕事振りを見ていて、やり甲斐のある仕事だろうナ、と子供の頃から憧れていた職業だ。
 何がいいかって?
 塗装の仕事が満足に、綺麗に仕上がった時の達成感というか、充実したものは他の仕事にはなかなかないんじゃないかナ。       
 私の仙台の家も、この間から、あの地震以来初めての工事が入って、外装をしている職人さんたちの仕事を見ていて気持ちが良かったな。
 あんなふうに綺麗に仕上がるのだから、実際の作業は、根気と丁寧さが必要で大変だとは思うけどな。

 さて君の悩みだが、まずは、仕事もあまりできる方じゃないと書いてるが、そりゃ当たり前だ。学校を出てすぐにその仕事についたばかりで、いきなり上手くできるものなら、それはたいした仕事じゃないってことだ。十年、二十年、三十年でやっとできる仕事だから、いいのさ。

 見習いにしちゃ、上手いもんだ、なんて言われてたら、将来まず伸びないし、若いうちの失敗がなきゃ、ゆくゆく独自の仕事は完成しないものだ。

  次に君は根本的に気が利かない、理解力がないと言うが、職人の仕事で気ばっかり利いてたら、そりゃ二流で終る。すぐに理解できるんじゃ、たいした仕事はできない。

  これまで私が立派な職人さんたちと話してみると、名人(別に名人じゃなくていいが)までなった人は、皆共通して、若い時は不器用そのもので、と語る人が多いもの。一生の仕事にしたいなら、今のままでいいから、親方、先輩の言うことをよく聞いて、ともかく誠実に、丁寧にひとつひとつの仕事をこなしていくことだ。まず今から三年、休日も自分で習ったことをやり続けなさい。不器用なら人の十倍やることだ。実はそれが本物の仕事を見つける唯一の方法なんだ。

Q
先日、父の葬儀があったのですが、婚約者が、突然棺の前で周囲も驚愕する程の号泣と鳴咽を漏らし、直後に涙でぐしやぐしやになった顔で私をじっと見つめてきました。その瞬間に私の気持ちはスッと冷めてしまったんです。その後、婚約も解消しました。周囲からは「あなたの判断は間違ってる」と言われますが、そうでしょうか?得体の知れない不気味な感じを受けてしまい、もうこれ以上つきあうことはできないと思ってしまったんで
す。(25歳・女・派遣社員)

A
君は大変いい感覚の持ち主で勘が大変よろしい。別れたのは大正解。私も、そういう奴を何人か見て来たが、禄な奴はいなかった。

 今回の兵庫県議の、あのバカモンと同じで、大人の男、いや十五歳過ぎた若者(男です)が、社会の中で生きて行く上で、してはならないことがいくつかあって、他人の前で感情をあらわにしてはならない。他人が呆れる行動をしてはならない。女、子供が見ていて何が起こったのかと驚くことはしてはならない。ましてや泣きわめくことは、男である限り、一生他人の前ではしてはならんのだよ。

 甘え以前に、生きることを砥めとるんだよ、平気で泣き叫ぶ輩は。お嬢さん、あんたはエライ。



 価値観は、人それぞれで、何が正しいと言うものではありません。

 本物が何かは、何を本物と考えるかという、人の価値観によります。

「本物が生き残ると古典になる」という人もいますが、それはよく分かりません。

 ただし、「本物」として、時代を超えて、生き残って欲しいなあと願います。本物を本物と見分ける人たちが、社会の一定数はいて欲しい、そう願います。

 5分で学んだことは、5分で忘れます。その人の背骨のようになるモノは、苦労して苦労して身につけないと、本物になりません。こつこつ、努力するしか、方法はないのです。

 練習して、上手くなるかどうかは分かりません。でも「練習は裏切らない」のです。

 王選手が、尊敬されるのはなぜか。それは、ON時代、人一倍練習したのが、王選手だったからです(長島選手のことは、現役時代を知らない世代なので、よくわかりません)。

 昭和49年だったか、前年三冠王を取ったのに、大変なスランプに陥りました。その時、王選手は、一本足打法をともに生み出した、荒川コーチのもとをたずねます。そして、2人で、練習します。

 やったことは、単なる「素振り」です。でも、毎日毎日、試合後(わざわざ、誰かの元を尋ねて、時間をかける・・・これがいかに大変なことか)、すさまじい量の素振りを行います。そして、勘を取り戻します。

 6月以降、めきめき成績を上げ、2年連続三冠王を勝ち取りました。

基礎がいかに大切か、そして、それを人一倍やることがどんなに大変か。でも王選手はそれを人一倍やったのです。

プロ野球選手がやる、キャンプ練習は、「基礎」ばかりです。楽天の佐藤コーチは、「高校野球で、もっと基礎を教えろよ」と言います。ダルビッシュなんかは、球がどっちの方向に飛んだら、どうカバー(動くか)するか、全然分からなかったそうです。そういうことこそ、「高校でしっかりやれよ」ということです。

いうなれば、柔道、剣道の「形(かた)」です。問答無用に、体に叩き込む動きのことです。

巨人→メジャー、国民栄誉賞を受賞した、松井選手も、とにかく、巨人時代の毎日、長島監督と、試合後、素振りをしました。何が選手生活で、一番の思い出かと言われ、「監督との素振りです」と答えました。

長島監督ですから、「ビュッ」とか「バッ」とか、素振りの音を聞いてしかアドバイスしてくれません。でも、何百回と素振りをし、いい素振りには、「今のだ」と、的確に見抜いてくれます。
松井選手は、それを、ただひたすら、体に叩き込ませたのです。

イチロー選手、子ども時代、毎日毎日、バッティング練習をしました。あるとき、自分がそれをさぼり、遅れていくと、それでもその間、父親が待っていました。その日以降、彼は一度もサボったことがありません。

一流の選手は、とにかく練習をします。逆に言えば、子供時代から、一つのことにこつこつと取り組める(これが一般の人には難しい)ことができるから、一流選手になるのかもしれません。

でも、練習は人を裏切らないのです。

基礎が何よりも大切です。家の基礎、柱が、とにかく大事で、これらが狂っていたら、後から直しようがありません。見えないところが大事なのです。

大学受験のセンター試験、各種資格試験も同じです。応用問題ではなく、基礎問題を落とさない、確実に点数を取ることが、秘訣です。

応用は、誰にとっても、難しく、たまに自分が知っている、やったことがあるのに出会うと、点数が取れるというような、運にも左右されるようなレベルのもので、全員が取れる問題ではありません。

しかし、基礎は、応用(問題)がどこを向いていようが、その下の土台に、必ず備わっているものです。基礎を外した応用はありません。

基礎がしっかりしていたら、ぶれないのです。家も、人もです。でも、これが難しい。身につけるのには、人一倍の練習が要求されるからです。

本物は、できれば、「古典」になって欲しいと願います。人生の指針、基礎として。

日経「春秋H26.7.27」

 映画版明日のジョーに出演し、ボクシングファンを通り越して、『拳闘症患者』を自認する香川照之さんが書いている。「今日という日を綺麗事ではない、周りからは狂っていると思われるような過ごし方をした者だけに『明日』はやってくる」。



中田ヤスタカ baby cruising Love

何だって いつも近道を探してきた 結局大切な宝物までなくした



5分で覚えたものは、5分で忘れます。

 本物を見抜く目、本物を見抜く言葉は、残って欲しいです。
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