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朝日新聞、大丈夫か?????

<朝日新聞、1人二人羽織???>

朝日新聞 社説

アベノミクス/「何でもあり」に潜む死角  2014/8/25

一国の指導者の名を冠した経済政策として有名なのは、英国の「サッチャリズム」と米国の「レーガノミクス」だろう。1970年代後半から80年代にかけて、市場の機能を重視して「小さな政府」を志向、「新自由主義」のさきがけとなった。ともに哲学や思想と結びつき、功罪が議論されてきた。さて、「アベノミクス」はどうか。

■企業寄りでも国主導
思い浮かぶのは、企業に寄った政策である。法人税を減税する。原子力発電所の再稼働を急ぎ、電気代を抑える。労働規制を緩和し、企業が人を使いやすくする――。円高の是正や温暖化対策の見直し、経済連携協定の拡大を含め、経営の「六重苦」を解消する方針は一貫している。
企業は市場経済の原動力だ。ならばアベノミクスも英米両巨頭の系譜に連なるのだろうか。
「賃金をあげろ」「雇用や投資を増やせ」「女性をもっと活用しろ」と、企業が自ら決めるべきことに介入する。企業の再編やベンチャー育成、「クールジャパン」の売り込みなど、さまざまな分野で「官民ファンド」を押し立て、国が主導しようとする。個々の政策の当否はともかく、その手法は「自由主義」「市場経済」からは遠い。財政でも、歳出を絞る「小さな政府」とは異なる。補正予算で公共事業を積み増し、国の年間予算は100兆円規模が続く。消費増税に伴う景気対策を打ったとはいえ「大きな政府」そのものだ。デフレ脱却と経済成長に向けて何でもあり。これが安倍政権の経済政策の実像だろう。気にかける指標は株価だ。海外のファンド関係者と首相や官房長官が会談するなど、歴代政権と比べてもその姿勢は際だつ。



そうですね。アベノミクスは、「財政+金融」思い切り、ケインジアン政策で、サッチャリズムや、レーガノミクスと違い、「大きな政府」「政府による裁量重視」政府です。

フリードマンの正反対です。

■株価重視の危うさ
株価は確かに大切だ。上がれば、株式を持つ人だけでなく、年金運用の改善などで恩恵は広く国民全体に及ぶ。しかし、株価は、グローバル化が進む経済全体を反映する。米国など諸外国の政策の変化や地政学リスクなど、一国では対応できない理由で動く。株価を意識しすぎると、市場にひずみをもたらしかねない。一例が、日本の公的年金資金を運用する世界最大級の機関投資家、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)を巡る動きである。GPIFが株式への資金配分を増やす方針変更を「政治主導」で進めた。時には有力政治家が「近くGPIFが動く」と口先介入もする。多くの投資家がGPIFの動きを見極めようと様子見を続け、売買が盛り上がらないなかで値動きが底堅い最近の状況は、政府による管理相場の様相を帯びる。



なるほど、朝日は、「政府は介入するな」「小さな政府」支持なんですね。

企業経営への「介入」も、危うさをはらむ。多額の手元資金をため込みながら、なかなか動こうとしない。そんな企業へのいらだちは、わからなくはない。ただ、政治力で動かしても、企業の取り組みが持続しなければ元のもくあみだ。むしろお上頼みの風潮を強め、民間主導の成長に欠かせない企業の活力をむしばみかねない。政府は、予算や税制、規制改革などを通じて、企業が活動する基盤を整えることに徹するべきだ。その原則を、政権はどうとらえているのだろうか。



なるほど、朝日は「フリードマン」や、「サプライサイド」政策のように、「国が経済に関与するな」「市場に任せろ」論ですね。

■富の分配に目配りを
「何でもあり」のアベノミクスにも、欠けている取り組みがある。所得の少ない人たちへの目配りである。人手不足を背景に、パートやアルバイトの時給が上がり、正社員の賃金も上向き始めた。しかし、脱デフレと今春の消費増税がもたらす物価上昇に所得の増加が追いつかない。労働市場からこぼれ落ちたままの人も少なくない。豊かな人が消費を増やすだけでは、経済は回らない。国民の多数を占める中・低所得層を底上げできるかどうか。これが今後の経済を左右する。
国の借金が1千兆円を超える深刻な財政難と膨らみ続ける社会保障費を考えれば、今後も消費増税が避けて通れない。それだけに、中・低所得層にどのような対策をとるのかが、ますます重要になる。富の「分配」を重視し、格差の縮小を唱えたのは民主党政権だった。その民主党から政権を奪い返した自民党は「拡大」を強調し、異次元の金融緩和、機動的な財政運営、成長戦略の「3本の矢」を展開してきた。



ええ?格差拡大を強調って、朝日の支持する、「市場重視」路線、「サプライサイド」路線ではないのですか?まさか、批判するので??

しかし、民間主導の自律的な経済成長に「分配」の視点が欠かせないのは、まぎれもない事実である。民間シンクタンクの間では、「デフレは脱した」との見立てが増えてきた。危機対応でもあるアベノミクスは、国民全体の生活を見すえ、その功罪や足らざる点について検証すべきときを迎えている。



ええ?「分配」??「大きな政府」を支持するのですか?アベノミクスは「政府介入」の大きな政府ではないのですか?

ええ?じゃあ、アベノミクス支持???

ええ?朝日、自分で何を言っているんだか、もう、理解していないのでは?
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comment

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No title

日本のマスコミは、とりあえず第一次産業を初めとした
「格差是正」が大好きなのですが、結局のところ物事の本質を
見る力がないため、ほとんど上手く行かないところが悲しいところ
というか、上手く行くと政府批判するネタがなくなるので困るので
「本音では上手く行きませんよう」にと心の底から
祈っているような気がしてならないのですが…

No title

朝日は、阿部さんが嫌いのようです(笑)。

できれば、第1次政権の時のように退陣させたい。

しかし、経済は、良くなっている(株も、失業率も改善、人手不足まで)

で、何でもいいから(格差が云々)、文句を付けたい理由を探している。

ただし、文句を言いたいだけだから、一貫した経済学的視点では反論できない→矛盾 というのが本質です。

昔、民主党と言うのが、とにかく「政権交代」といいました。

目標は「反自民」なので、理論(政策)が一貫していませんでした。

同じです。

あれもこれもは、同時に達成できない「トレード・オフ」さえ、理解していません。

No title

昔、アメリカのエコノミストが、「朝日新聞は宗教新聞である」とテレビで言っていたのを思い出しました。その前提で読めば、自然と受け止められると思います。いわゆる「慰安婦」記事の件で、朝日新聞の配達&購読をやめたくなって来たのですが、妻は朝日の生活関連記事がお気に入りとのことで、購読継続が決定しました。

No title

 今日の読売vs朝日の読売記事も凄いですね。吉田調書と、慰安婦。まるで、けんか売っています((笑)。

 家庭もそうですが、全国の公共図書館や、学校図書館、公立施設、企業etc

 ここで取られている部数も凄いのでしょうね。全部で850万部ですか?

 月3000円として、月に255億、年で、3000億円超え。

昔、皇太子妃雅子さんの、独身時代に、特集するので、だれか知っている人?って、編集で手を挙げさせたら、ボロボロと同級生が・・・同窓生ばかり(東大)っていう組織だそうです。

No title

>家庭もそうですが、全国の公共図書館や、学校図書館、公立施設、企業etc
>ここで取られている部数も凄いのでしょうね。全部で850万部ですか?

新聞の部数は、まぁ、大本営発表的な部分もありますから~

新聞の勧誘も記事の内容よりも景品の話の方が重要だから~

記事に力を入れるくらいなら、洗剤の記事でも書いた方が有益な気がするけど~
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