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くだらなすぎる話 人口問題と食料問題 その2

くだらなすぎる話 人口問題と食料問題 その2

 さて、前回の「その1」で、人口増減は、政治課題ではないことを述べました。

この「その2」の前に、以下過去記事も参照ください。

左←カテゴリ 「少子化」「フランス 革命 摘出子 婚姻」
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少子化を防ぐ為に、出生率目標?

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行政 その2
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フランス その2 宗教と理性
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フランス その3 婚外子

 さて、日本は、「人口増減」を、国家の政治俎上にあげるというミスを、延々と繰り返してきました。そして、人口減少に突入した今、同じ失敗を繰り返そうとしています。

0.5 大正・昭和初期 人口増を止められず、移民後押し、満州開拓団 外へ外へ

1 戦前1941年 産めよ増やせよが国策
2 戦後、食糧難、生産難の時代に、「子どもの数を制限しよう」運動が国策
3 1970年代、資源の限界説、人口爆発の時代を背景に、21世紀に、人口減になるように、人口減少を国策
4 3の結果、予定通り、人口減を達成したのに、今度は、人口減を食い止めようと国策

どれもこれも、「おかしい」のです。「おかしい」ことを、「おかしい」ととらえられないから、立ち位置が、狂っているのです。

 もうどれもこれも、「価値観」、その時代の雰囲気、空気で、国の政策が右往左往しているでしょう。しかも、その価値観や雰囲気を支配しているのが、その時代の「資源限界論」などの、今から考えると、どうでもいいような一見科学的な提言・・・

 だいたい、50年後に人口が減るから、今50年後を見据えた対策を!って、こんなこと、実現し、成功したためしがありません。

 50年後のことは、50年後の人にしかわからないし、それこそ、50年後は、「今生まれていない人たちが主役」の時代です。そのどうなるかわからない時代に、今の人たちの価値観を押し付け・・・勘弁してくださいの話なのです。

 今の人口減は、1970年代の人々が、「望ましい」「そうなるのが理想」と考えた価値観なのです。それを、40年後の今、「これから50年先を考えると、困った困った」と・・・アホかという話なのです。

 では、上記3、1970年代の人の、価値判断を見てみましょう。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20100215/212778/?P=1

実は、日本は少子化を目指していた
非婚、晩婚、負け犬の遠吠え…、古い道徳観に失政が重なった

日本の少子化傾向はいかにして進んだのか。歴史人口学を専門とする、上智大学経済学部の鬼頭宏教授に聞いた。
(聞き手は日経ビジネス記者 大西孝弘)

 ―― 人口問題には長期的な視点が欠かせません。日本はどのようにして少子化に突入していきますか。

 鬼頭 実は1974年に、日本ははっきりと少子化を目指す政策を打ち出していました。

 同年に厚生省の諮問機関である人口問題審議会は、人口白書で出生抑制に努力することを主張しています。73年にオイルショックがあって、資源と人口に関する危機感が高まっていたからです。

 象徴的なのが同年に開催された日本人口会議です。人口問題研究会が主催し、厚生省と外務省が後援した会議では、「子どもは2人まで」という趣旨の大会宣言を採択しました。

 同会議には斉藤邦吉・厚生相のほか、岸信介・元首相や人口問題の識者が勢ぞろいしました。作家の小松左京氏や画家の岡本太郎氏も講演しています。

 当時、大学院生だった私は3日間の会議をすべて傍聴して、今でも当時の資料を保管しています。ただ、講演した政府関係者や研究者の大半は亡くなってしまいました。振り返ると当時の論調には隔世の感があります。

 ―― それからおよそ35年で日本の人口動態は大きく変わりました。

 1980年代から合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産むと推計される子どもの数)は減り続けているのに、政府は1990年代まで何もしてきませんでした。政策の転換が遅れたと言ってもいい。

 1989年に合計特殊出生率が1.57まで急落して少子化が社会問題となり、政府が動き出したのはこの後です。1991年にようやく育児休業法が制定されました。

出生率が回復しても人口は減る

 政府は様々な少子化対策を講じていますが、合計特殊出生率は簡単には回復しません。子どもが増えずに死亡者が増えたために、2005年から日本の人口は減少します。



↑事実として。

1970年代、「人口減」が、国の政策として、大真面目に宣誓されていたのです。

 なぜ、こうなったか。それが、「オイル・ショック」です。中東戦争で、石油の価格が4倍になり、しかも、固定相場制を維持するために、日銀が「円」を大量増刷(アメリカがドル札を発行=日本も円札を発行しないと、固定相場制 1ドル=308円を維持できない)し、「狂乱物価」と言われるほど、インフレになりました。

 それを補強したのが、ローマクラブ 1972年の『成長の限界』レポートでした(これは世界中に影響を与えました)。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%88%90%E9%95%B7%E3%81%AE%E9%99%90%E7%95%8C
成長の限界

成長の限界(せいちょうのげんかい)とは、ローマクラブが資源と地球の有限性に着目し、マサチューセッツ工科大学のデニス・メドウズを主査とする国際チームに委託して、システムダイナミクスの手法を使用してとりまとめた研究で、1972年に発表された。「人口増加や環境汚染などの現在の傾向が続けば、100年以内に地球上の成長は限界に達する」と警鐘を鳴らしている。

有名な文として

人は幾何学級数的に増加するが、食料は算術級数的にしか増加しない

とある。これは時系列で考えると「人は子供が生まれてその子供がまた子供を生むので「掛け算」で増えていくのに対し、食料はある土地では年に1回それも同じ量しか生産出来ない、つまり「足し算」になるという概念に基づく(この文はもともとはトマス・ロバート・マルサスの『人口論』による)。




こんな話が、「科学者」がまとめたものとして、何か、権威づけされ、予想通り(でもないですが)、「石油ショック」が起こったものだから、もう、時代をおおう空気としては決定的となりました。

 環境を守れ、限りある資源を大切にしなければならない、人口爆発を食い止めなければならない・・・21世紀には、人口減になっているようにしよう・・・

中絶禁止法に反対しピル解禁を要求する女性解放連合

ウイキペディア

中絶禁止法に反対しピル解禁を要求する女性解放連合(ちゅうぜつきんしほうに はんたいし ピルかいきんを ようきゅうする じょせいかいほう れんごう)は1970年代前半に活動した戦闘的なウーマンリブ団体。中ピ連の略称で知られた。代表は元薬事評論家の榎美沙子。新左翼のものを模した♀印のついたピンク色のヘルメットと過激な活動内容でマスコミを賑わせ、当時の社会現象となった。

1972年6月14日結成。当時日本ではピルが法的に販売規制されていたので、これを女性への抑圧と解釈することによりピルの販売自由化要求運動を展開した。1974年には有志で下部組織「女を泣き寝入りさせない会」を結成、妻に訴えられた夫の職場や、女性を蔑視しているとみなされた団体の本部などに集団で押しかけて吊るし上げを行うことで一躍有名になった。このスタイルには、解同などの糾弾の影響が見て取れる。当時の人気番組だった『夜明けの刑事』の第43話はそのものズバリの『ハイ、こちら中ピ連です!!』というタイトルで、中ピ連に絡んだストーリーで実在の同団体を紹介する(榎本人も出演)など、その特異な存在と過激な活動は当時の社会現象にもなった。

1973年10月23日には突如日本家族計画連盟主催の討論会「産児制限を考える」に乱入し、「ピルを解禁せよ」とシュプレヒコールをあげたほか、1975年4月5日には京都市内で開催されていた日本産婦人科学会総会に押しかけ、ピル解禁を政府に勧告するよう要求するなどしている。このほか人工妊娠中絶の制限を主張し国会で優生保護法改正を提案していた自由民主党の参議院議員、玉置和郎と当時その秘書だった村上正邦(後に自民党参議院議員、賄賂で逮捕)に対し、「優生保護法改悪反対運動」等と称し街頭で玉置・村上を四方八方から取り囲んでもみくちゃにしたり、玉置・村上の自宅や参議院議員会館に押しかけたりした[1]。



産む産まないは女の権利、少子に向かって一直線の時代の象徴です。


 で、その結果、予定通りに人口減、今度は、「人口減を食い止めよう・・・」という話なのです。

 当時は、大真面目に、「石油はあと何年で枯渇する・・・」「地球の人口は30億人、これが21世紀には倍増してしまう(これ、小学校の社会科教科書に書かれていたので、鮮明に覚えています。億まで、授業で、数える学習をしたからです)」「ノストラダムスの1999年に地球滅亡」・・・全部、時代の「空気」です。こんなものに、政策が依存するのです。

南亮三郎 日本人口学会会長 『世界の中の日本人口 ・・・弱まる発言権』

北海道新聞 1974年

 ・・・年増加率は2%・・・36年間で2倍になる。・・・だからこのまま人口増加が続けば、困難な問題が起こり、この地球に住めなくなるという主張が出てくる。・・・1970年の世界総人口は、38億人。・・・28年後の2000年には70億から75億人といわれている。

・・・(多産多死から少産少死で経済的になること)・・・欧州の人口経過とわが国の人口経過はほとんど同じパターンを示している。違う点は出生率が急減しだした時期と、その原因がバス・コントロールの普及による点だ。わけてもわが国の場合、中絶という手荒い手段がとられたことは注目すべきで、いまでこそ年間70万件に減っているが、30年には117万件に達した。外国には例がなく、“中絶大国”などと非難を受けた。人口近代化も・・・あまりほめられた話ではない。

 ・・・問題点・・・。21世紀に70億人・・・日本は・・・1億2千万人・・・。・・・民主主義の下では、人間の数によって発言力が強まることはやむをえない事実であって、このままでは国際舞台で日本の発言権は低下する事になる。・・・低開発国の人口爆発を日本としても傍観できない。・・・国際的共同責任として軍縮のように“世界人口計画会議”のようなものを作って、地球上で全世界が平等に育ち、平等に栄えることを考えるべきだ。



1974年7月2~4日
『第1回日本人口会議』

・・われわれは、子々孫々にわたるわが国の生存と生活を維持するための、国として、国民としての長期計画が必要であることを認識する。・・・究極のところは、人口と密接に関係してくる。人口への考慮無しには、一切の計画が成り立たない。

・・・われわれは、人口増加の勢いを阻止するための節度ある、しかし、効果的な対策が必要であると考える。・・・人口問題審議会は、政府に対してわが国の“静止人口”達成計画の採用を答申・・・“子供は二人まで”という国民的合意を得るよう努力すべきとさえ考える。・・・可能なところから、直ちに行動を起こすことを要求する。

・学校及びマスコミなどを通じての、人口教育の促進
・家族計画、母子保健行政のより積極的な展開
・ピル(経口避妊薬)IUD(子宮内避妊器具)の公認と、新しい避妊法の促進
・国連世界人口会議において、わが国政府は、人口抑制の立場から、会議に寄与する・・。



戦前は、うめよ増やせよ 報奨金です。


1月23日、「産めよ増やせよ」をスローガンとした人口政策を政府閣議で決定。5月、結婚費用の貸し付けと出産によるご褒美としての天引き、子宝手当の支給試案を発表。

1夫婦の出産数を平均5児とすることを目標に「人口政策確立要綱」が閣議決定された日である。その内容がどんなものか、当時の新聞記事(大阪朝日新聞 1941.1.23=昭和16年。※1参照)を見てみると、以下のように書かれている。

昭和三十五年総人口一億を目指す




 「未来のことはわからない(ケインズ)」から、ほっとけ!という話なのです。未来に口を出すな、その時代の空気を50年後の世界に押し付けるな!という話です。50年後の未来を形作るのは、「今、生まれていない」人々です。

 
 政治は、「人口増減をどうにかする」のではなく、「人口増減に対応した社会制度」を作るのが仕事です。本質だけ、追求すれば、十分なのです。

日経h26.7.8
超伝導 常温

これ、実現したら、原発問題など、話題ですら、なくなります。「テレフォンカード偽造」問題を扱っていたのが、ウソのような話になったことと同じです。

 現在、電気は基本的に貯められません。電池はありますが、ロスが大きく、その効率を高めてはいますが、限界があり、効率が悪いのです。効率が良かったら、すでに、全部、電気自動車になっています。

 だから、電力は、需要に合わせて、発電します。

しかし、電気抵抗ゼロが常温でできる、しかも、安い素材でということになれば、発電方式から、送電網(これも、ロスが大きい)から何から何まで、変わります。

自動車も、すべて、モーターになります。今の内燃機関ほど、無駄の多いものはありません。確か、エネルギー効率は8%程度、後の92%は、熱などに消えています。

 超伝導が安く、常温で・・・これは、エジソンが電球を発明し、夜(原則的に人間が活動できない)を、夜でなくしたほどの、大革命になります。

1945年敗戦当時の人に、1995年を考えて生きろ、1964年の東京五輪の時代の人(ひねればお湯が出るシャワーや、水洗トイレがこれだけ普及し、公衆トイレでさえ、ウォシュレットタイプが普及など考えられなかった時代)に、2020年の東京五輪時代をを考えて生きろ!など、土台、人間の理性を超えているのです。

「新しい酒は、新しい革袋に」で十分なのです。

「少子化を食い止めるために、地方自治体が、予算を使って、婚活推進(見合いパーティー、定住のための住宅・土地支援、)」

 せいぜい、TVの「自治体見合い番組」程度で十分なのです。

 
 さらに、「都市」というのは、自然にできたものではなく、人間が頭の中で考えた理想形を、実現化したものです。つまり「人工」的なものです。より快適に、より楽に、より便利に・・・これを具体化したものが「都市」なので、世界的に、都市人口割合が多くなる(都市化)のは、必然です。

 合理的に、「都市化」「都市圏」を作ってきたのに、少子化対策で、地方に人を・・・できないことをやろうとしている、ドン・キホーテ並みの愚策となります。

続く・・

http://ameblo.jp/artbeat/entry-11734753659.html

『高校生からわかるマクロ・ミクロ経済学』(菅原晃/河出書房新社)

大学では哲学専攻、高校でも日本史と世界史を選択してたので、政治経済系の基礎が皆無と言っても過言ではないっす。
ぶっちゃけ日経とかの記事を読んでても、あんまり理解できず、専門書見ても頭が拒否反応。

そんな経済アレルギーな僕でも、わかりやすく読めた一冊です(一部、アレルギー を引き起こしましたが・汗)
経済の本は、池上彰さんの本など読んだこともありますが、それよりもさらに一歩学問的に、なぜそうなるのかということがより具体的に説明されていると思います。

貿易黒字と貿易赤字が本当に意味すること、経済成長にはほとんど関係ないこと、そもそも普段使う黒字や赤字 と は全く意味合いが違うこと、がすごくよく分かります。

他にも財政政策と金融政策の仕組みとか、国債や財政破綻の可能性などが、わかりやすく解説されてます。
読みやすい言葉で解説されているので、新聞の表現にだまされず、自分で考えられる基礎を身につけるにはいい本かと思われます。

おすすめ。


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No title

私の住んでいる所は「地方」ですが、「地方」にもレベルがありますから…
徒歩では生活できませんが、車でスーパーまで5分で行け、
駅までは30分掛かるけど、駅から東京まで1時間で行ける(年に2、3回しか行かないけど…)
イオンも30分もあれば行けるので、そこそこ現代人の生活を送ることは出来ますから

それなりに幸せな「地方」暮らしができてますかね…

まぁ、一部の人たちにはイオンは嫌われているようですが、なかったら
「地方」の生活レベル何てどうやっても落ちるだけだと思うんだけどね…
自称「地方の住民」には困ったものですよね。

No title

都会がいいのか、田舎がいいのか・・

予定稿(9月27日)で、扱いましたので、そちらもどうぞご覧下さい。

ドライブには、北海道は最適です(笑)。

道北の豊富町に、「フェルメ」という北海道一美味しいソフトクリーム店がオープンしました。遠いですが、一生に一度はどうぞ。多分、日本一です。

No title

横からすいません。
予定稿はどうやって見るんでしょうか?


個人的にですが
大都市の近郊、もしくはそこそこの都市に住むのが
生活コストなどを考えると一番暮らしやすいと思ってます。

No title

原稿は、9月27日にアップされる予定でいます。
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