三権分立 国会編
さて、三権分立で、行政を監視するはずの国会ですが・・・

形としては、こんな感じです。国会は、様々な政党が意見を持つので、はっきりいって、「バラバラ」です。
政策論争は激しく、与党の足を野党は引っ張り、いつもぐちゃぐちゃです。おまけに、今は、衆参のねじれがあります。
価値観の対立による「バラバラ」で、得をするのは、残る二権のうち、どこだと思いますか?
一目瞭然です。「行政=官僚」です。国民の目、マスコミの目が、「バラバラ」な国会に向けば向くほど、自分たちにとっては「安泰」です。
自分たちに国民の目が来ないようにするには、国会が「バラバラ」の方が都合がよいし、時には、第一次安倍内閣のときの社保庁のように、官僚自らが、自分たちにとって都合の悪い情報をリークし、目を「国会」に、「内閣vs野党」に向けさせるようにします。
図解雑学 よくわかる 省庁の仕組み
よくわかる省庁のしくみ (図解雑学)
(2010/12/08)
林 雄介
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P48
守秘義務がありますから書きませんが、官僚が開き直って一番困るのは政治家です。私でさえ与党、野党の口利きや、不当な圧力をかけてきた政治家を何人も知っています。公務員の「飼い殺し」を止めて、暴露本を書いたりネットに公表し始めたら、一番困るのは省庁よりも政治家ではないでしょうか?大臣の「セクハラ」情報はマスコミには流れませんが、官僚の中ではすぐに流れます。
言葉は悪いですが、「天下り」は口止め料込み、「終身雇用するから安心して、余計なことをしないでね」というのが公務員改革前の霞ヶ関でした。公務員制度改革で公務員が、退官後の就職活動を始めるでしょうし、また、同級生より給料が安いのは皆知っていますから、公務員制度改革の反動は必ず来ると思います。
ですから、国会の与党支持が、つまり国民の、政権への支持が、とても高い時は、省庁も強く出にくくなることが、わかります。

しかし、国会が、つまり議員は、弱いのです。
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news
/2013/04/25/kiji/K20130425005677770.html
嶋大輔 三原じゅん子氏が紹介?自民比例で参院選出馬へ
ヒット曲「男の勲章」で知られる歌手で俳優の嶋大輔(48)が夏の参院選へ出馬する意向を固めていることが24日、分かった。自民党比例代表からの立候補を模索しているとみられる。嶋はこの日、芸能界からの引退を表明。25日に会見し、経緯や今後について説明する。また、日本維新の会が、元日本テレビアナウンサーの小倉淳氏(55)を擁立する方向で調整していることも判明した。
結局、このタレント候補は、実現しませんでしたが・・・
日経H25.5,5

格闘家が、政治家になるようです。
http://www.asahi.com/politics
/update/0604/TKY201306040089.html
アントニオ猪木氏、維新が擁立へ 参院比例区
日本維新の会は4日、参院選比例区に元参院議員のアントニオ猪木氏(70)を擁立する方針を固めた。猪木氏は18年ぶりの国政復帰を目指す。5日に石原慎太郎共同代表ら国会議員団幹部と東京都内で記者会見し、立候補を表明する。
プロレスラーだった猪木氏は1989年にスポーツ平和党を結成し、参院選で初当選したが95年に落選。98年に政界引退を表明し、レスラーも引退した。その後も、相手に気合を入れる「闘魂注入ビンタ」や「1、2、3、ダー!」との雄たけびで人気を博した。
週刊新潮13.6.6
「自民タレント候補に取りざたされた大場久美子 嶋大輔 佐竹雅昭」
…タレント候補として名前が浮上してきたのが、俳優の嶋大輔(49)と元K-1ファイターの佐竹雅昭(47)の2人だ。
面接すると、嶋は引退まで発表したものの、政治家になってからのビジョンに欠けていたという。
結果、…佐竹…を含む5人が5月24日比例区の候補者に公認された。
佐竹氏に聞くと、「3月下旬頃、菅さんの事務所に伺い立候補のお願いをしました。経済や外交も大切だけど、礼節を重んじる教育を通じて世界に打ち勝てる日本人を育てるに政治家を志した…」
彼らは、憲法改正問題を、語れるのでしょうか。
読売新聞社H25年5月8日
「伊吹文明 衆院議長インタビュー」
与野党で憲法に関する議論が活発になってきた。憲法の改正にはまず、国会での発議(国民への提案)が必要だ。国会は憲法の問題にどう向き合うべきか。伊吹文明衆院議長に聞いた。
「国会議員は10人いれば10人が正義感や価値観が違う。その中から結論を導き出すには歴史や古典の教養が役立ちます。
憲法の議論をするにあたり、特に若い政治家にお願いしたいのは、まず大日本帝国憲法の制定過程を勉強して欲しいということです。立憲君主制のもとの憲法ですが、政府予算の執行に国会の同意(協賛)を義務づけるかどうかで随分議論したりしている。そういう歴史は今に通じます。
現在の日本国憲法を作り出すまでに、我々の先輩がどういう努力をしてきたのかも学んでほしい。『吉田茂書簡集』や『芦田均日記』など、他の人に見せることを想定せずに書かれた資料読むとよいでしょう」
「民主主義は51%による独裁だといわれます。僕はチェックアンドバランスのため、二院制は維持すべきだと思う。
参議院を英訳すると、House of Councilllorsです。『評議員』という意味のCouncillorからも、参院に求められるのは、ちょっと『お前ダメだぞ』というような役割でしょうが、現実は必ずしもそうなっていない…」
憲法改正問題を語るにも、深い知識が必要なのは、言うまでもありません。
全くの素人が、政治家になったら、どうなるのか。1980年代の消費税導入を巡る参院選挙で、社会党が「台所感覚を国会に」のスローガンのもと、大量の女性候補を擁立し、当選しました。その様子は、「山が動いた」と評されました。
ですが、国会審議で、「間接税」と「直接税」の違いすら分からず、官僚にバカにされ、消えていきました。
あるいは、徹底的に官僚に利用されます。「センセイ、センセイ」とおだてられ、分からないことがあると、彼らが飛んできてすぐにレクチャーされ、信頼関係を築き、官僚の立案した政策のために働くことになります。
井出ようせい 公式ブログ
官僚と政治家のギスギスした関係 2013 年 6 月 14 日
どういうことかというと、政治家と官僚の関係について、たまに「こんなんで大丈夫か」と思うことに遭遇する。官僚のみなさんは私のような1年生議員にも「先生、先生」と言ってくださって、多くの官僚は実直だ。けれどたまに、会議中にみせる表情だったり、電話の向こうから聞こえてくる官僚同士の会話だったりするのだが、「ああ、政治家って全く尊敬されていないな」と思うこともある。
ある会議で、議員同士が法律を作る議論をしていた。省庁の役人も横で聞いていて、たまにアドバイスをしてくれる。しかし、1人の議員の発言が、役所としてはあり得ない話だったのか、「それはないよな」といったような失笑が役人たちの席からもれてきた。それをみた発言中の議員が激怒する。議員の激怒は相当なもので、言葉も相当荒かった。しかし、そもそも怒らせるような失笑をしたのは官僚たちの方だった。真剣な議論を笑ったのだから。でも、誤るわけでもなく、ひたすら目をあわせずにいるだけだった。こんなことで、「さあ、法律ができました。運用の基準を作りましょう」という時に、官僚が政治家の議論を反映させるのだろうかと不安になった。重ねて断っておくがこんなことはいつもある訳ではない。多くの官僚は真摯にやってくださっている。
逆に政治家の側も、私がみていて「この議員、なんでこんなに横柄なんだろう。役人が気の毒だ」と思うことがある。こっちは「たまに」というよりも「よくある」といった方がよいかもしれない。議員が役人に分からないことを聞くのに、議員会館まで呼びつけるのが当たり前、電話も、議員本人がするのではなく秘書がするのが当たり前というのが、常識らしい。私も質問を作る時に分からないことがあるので役所に電話をするが、ニュアンスをしっかり伝えるために、直接電話するようにしている。そうすると「わざわざお電話いただいて」と恐縮、感謝されることが多い。
政治家は官僚に言うべきことは言わなければいけない。役所のやっていることや考え方と対立することも多い。私など野党だからなおさらだ。しかし、政治家と役人の信頼関係ができなければ、信頼関係をお互い損ねてしまったら、法律を作っても、また、国会でどんなにいい質問をしても、きちんと実行に移せるかどうかというところが大きく揺らいでしまう。Twitterの暴言は極端すぎるケースだが、政治家と役人の関係がよくないということの現れと見ることができる。
官僚の本音です。
週刊現代「12.16総選挙の面白すぎる結末」
「財務官僚匿名座談会 すべてホンネでいいですか アホの政治家どもへ」
幹部
インフレにするために日銀はどんどん札を刷ればいいなんて、あんな愚劣な経済政策、誰に吹き込まれたの?
中堅
総理やってた時からバカだとは知ってたけど、この5年で救いようのないアホになったか。
若手
だいたい週刊現代だって、まだ何もやっていない橋下持ち上げてどうしたいんですか?ただのの大阪市場ですよ?虫けらですよ、はっきり言って。
幹部
お前はまだ若いな。今も虫けらだけど、あれは総理になる可能性のある政治家だ。そういう奴は大事にしなきゃいかん。
幹部
ポピュリストでも決めるパワーがあればいいんだよ、政治家は。政策の中身は俺たちが作るんだから。
幹部
望むところだ。橋下が国政に来たら、まず「地方分権」の妄想を潰す。そして「官僚が悪い」というステロタイプの発想を捨てさせる。それから仲良くする(笑)。
中堅
石原みたいなジジイはどうでもいい。でもおれたちは将来、橋本でメシを喰わなきゃいけないかもしれない。常にそういうことを想定するのが財務省だ。
「オレたちは全然悪くない」
幹部
政治家はアホだから、デフレには金利以外にも様々な要因があることがわからない。
幹部
…物価とか、失業率とか、そういう数値は景気が良くなれば結果として良くなるもの。数値だけを上げて景気良く見せかけるのは本末転倒だ。
若手
でも政治家は選挙の票目当てにそういうことを言いたがる。
中堅
さすがに「政治主導」が幻想だったことに気づいたでしょう。
幹部
安定政権で落ち着いて仕事がしたいもんだ。
若手
そういうことを言ってるから、財務省は高慢だと言われ続けるんですね。
中堅
仕方がない。政治家がアホなんだから。
国会は民意の反映なので、タレントや、元官僚や、スポーツ選手や、弁護士や、医者など、色々な人たちが議員になります。

そういう意味では、価値観の多様化にもとづいているので、望ましいことなのかもしれません。
ただ、相当勉強していないと、官僚にやられて終わりです。何しろ相手は、日本最優秀の知識のかたまり、東大法学部卒です。
Q 消費税の増税は、来春に予定されているが、必要か否か。
政治家の皆さん、どう答えますか?
theme : 政治・経済・時事問題
genre : 政治・経済