「池田信夫」

<「池田信夫」の説 >


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池田信夫ブログ
2011年03月21日 23:14 「円高の謎」


 では何が円高の原因なのだろうか? これについては多くのアナリストのいうように投機筋の「需給要因」というしかないが、これはトートロジーである。1995年の円高のあと、1ドル=140円台まで下がったように、今回の相場は一時的なオーバーシュートだと判明するかもしれない。

図2:為替レート(赤:左目盛)とマネタリーベース増加率(緑:右目盛)
為替 マネタリーベース

 いずれにせよ、この円高を日銀が阻止することはできない。図2(左目盛は逆)でも明らかなように、日銀は2009年から一貫してマネタリーベースを増やしているが、為替は逆に円高(ドル安)になっている。それまでもマネタリーベースと為替にはほとんど相関がない。ゼロ金利状態では、日銀はマネーストックをコントロールできないからだ。したがって「非不胎化介入」も不胎化介入と同じである。「日銀が何もできないというのはけしからん!」などと怒ってみても、できないものはしょうがない




「円高を日銀が阻止することはできない 

 事実は、「円高を日銀が阻止することができる」です。

なぜできるかは、「浜矩子」先生が答えてくださっています。

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 池田信夫 「デフレって何?」 2013年01月14日 00:12

・・・デフレはよくないのでしょうか? そうともいえません。みなさんのお父さんの給料がおなじだとすると、物価が下がったほうがいいですよね。たとえば昔は6000円だったジーンズがユニクロで2000円になると、6000円で3本買えるのですから、お金持ちになったのとおなじです。これを「ユニクロ型デフレ」とかいってけなす紫の髪のおばさんのまねを、よい子はしてはいけません・・



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浜 矩子(エコノミスト)/どうなる? アベノミクス ~「懐疑派」からの意見
PHP Biz Online 衆知(THE21) 5月1日(水)17時30分配信


アベノミクスは「アホノミクス」
   
 メディアのみなさんは「アベノミクスで日本経済が復活した」と騒いでいますが、実に許し難い状況です。具体的にはまだ何の政策もしていないのに、作り上げられたムードに市場が踊らされている。これは「アベノミクス」ならぬ「アホノミクス」ですよ。言葉だけが先行して、実態がないまま株価が上昇し、「株を買わなければ損だ」という雰囲気が蔓延しています。円安がさらに進むのではないかと、為替取引に資金を投じる人も増えているのでは。しかしこれはバブルにすぎません。

 そもそも、円安・株高になっているのはなぜか。それは安倍政権が日銀を政府の出先機関のような存在にして、金融緩和を強行できる体制にしてしまったからです。中央銀行の独立性を損なうこのやり方は、独裁国家と見紛うばかりです。

 安倍政権が言うところの「三本の矢」の1つ、「金融緩和」を行なって市場にお金をジャブジャブと注ぎ込めば、円の価値は相対的に下がって円安になります。円安になれば輸出企業を中心とした株価が上がります。また、金融緩和によって金余り状況を作り出せば、一部の資金は株式市場や不動産に向かい、値段が高騰します。

浜
浜矩子氏/いまの日本は「復活」ではなく、「後退」を目指しているようにみえます



 専門家は、次のように、分析しています。

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2013.03.26 Tue

アベノミクスで円安が起きていることがわかるたったひとつのグラフ

村上尚己 / エコノミスト


12月16日の衆議院議員総選挙において自民党が大勝すると、安倍政権において金融緩和政策が強まるとの見方がより強固になり、円安の動きに拍車がかかった(上のグラフ参照)。

その後ドル円相場は、2013年に入って早々に90円近くまで一挙に円安が進み、2010年以来の水準まで戻った。2012年2月の、日銀による中途半端で実効性を伴わないインフレ目標政策ではなく、安倍首相が求める脱デフレに全力を尽くすことができる新日銀総裁のもと、少なくとも米欧の中央銀行同様の金融緩和が実現するとの期待が強まった。つまり為替市場は、日銀の政策に大転換が起きると予想し、歓迎したのである。

アベノミクス 円安

実際に、アベノミクスの発動から現在(2013年2月)までの経緯を振り返ると上のグラフのようになり、ずっと円安基調が続いている(そしてこのグラフが、本論考のタイトルにもしている「アベノミクスで円安が起きていることがわかるたったひとつのグラフ」である)。



「日銀が何もできないというのはけしからん!」などと怒ってみても、できないものはしょうがない。

簡単に円安にすることができましたよね。

為替=「円の量VSドルの量」だからです。

円の量を増やせば(増えると予想されれば)円安、当たり前のことです。

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日銀総裁を銃殺すべし2010-12-24


 ところが、実際にアベノミクスで、円安になると、実は円安は「ユーロ高・ドル高」が要因で、アベノミクスのせいではないといいます。

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 池田信夫 円安・株高で新たな「バブルの物語」は生まれるか
2013年02月05日(火)16時14分


日経平均株価は2年9ヶ月ぶりに1万1000円を突破し、為替は1ドル=92円台に乗って、市場は久しぶりに活気を取り戻している。この円安は「アベノミクス」のおかげだと思っている人が多いようだが、次の図のようにユーロ高が始まったのは昨年9月、ドル高が始まったのは10月である。

日経平均株価(赤)とドル/円(緑)とユーロ/円(青)Yahoo!ファイナンス調べ
円安 ドル高 ユーロ高

 これはECB(欧州中央銀行)が8月に南欧諸国の財政支援を約束したことがきっかけで、リスクを避けて円に逃避していた「リスクオフ」の資金が欧米に戻ったためといわれる。自民党の安倍総裁が激しく日銀にインフレを迫り始めたのは11月16日の衆議院解散のあとだから、むしろこのユーロ高・ドル高の波に乗ったものだ。



 

 ところが、ここまで、「円安はアベノミクスによるものではない」と屁理屈をこねながら、一方では、「円安・株高はアベノミクスのせいだ!!」というのです。

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池田信夫 円安・株高で始まった「根拠なき熱狂」
「安倍バブル」でケガしないための4つの教訓
2013.02.14(木)


安倍晋三首相の演出した円安・株高の勢いが止まらない。日経平均株価は12週連続で上昇し、1959年以来の大相場になった。株価はここ3カ月で30%近く上昇し、これはバブルのピークだった1988年の年間上昇率とほぼ同じだ。



 
 経済理論・・・世界70億人を対象とするので、『実験』できないのが、永遠の課題です。残念ながら、局地戦に過ぎないのです。

<追記>

池田信夫 アベノミクスという物語の終わり

朝日新聞の原真人氏が、けさのコラムで「アベノミクスの本質は、人々をその気にさせようという心理学だ」と書いているので、ここ一両日の出来事を心理学的に考察してみよう。

彼もいうように、アベノミクスなるものは経済政策としてはほとんど中身がない。その目玉である量的緩和も、日銀が10年以上やってきかなかった。普通は10年以上も飲んだ薬がきかなかったら別の薬にしようと考えるが、リフレ派は「1錠でだめなら10錠のめばきく」と考え、その副作用は考えない。




 

多くの経済学者がこういう非論理的な政策に懸念を示してきたが、たまたま安倍氏がリフレ政策を提唱し始めたのと同時に株価が上がったため、あたかもその政策に効果があったような錯覚をもたらした。実際には安倍氏は何もしておらず、日銀総裁は彼の嫌悪する白川氏だったが、8割も上昇した株価のうち6割は白川時代に起こったのだ。

株価上昇の原因は、昨年夏から外為市場で始まっていた円安に加えて、安倍氏が「輪転機をぐるぐる」回して国民にカネを配れば景気が回復する、という(根拠のない)心理的効果だったのである。しかし人々はこれを「アベノミクスに効果があった」という因果関係と解釈し、安倍政権の支持率は70%を超えた。



 その通りです。ルーカスなどの主張する、「合理的期待形成」という経済理論です。アベノミクスは、経済学的には「ごちゃ混ぜ」です。

1本目の矢 金融緩和 フリードマンらマネタリストの、「インフレとはいついかなるでも貨幣的現象だ」という、貨幣供給量が物価水準に影響を与えるというものです。

2本目の矢 財政政策 これは言わずと知れた、需要面重視のケインズ政策です。12年度補正予算と合わせ、7.7兆円の公共事業予算です。

3本目の矢 成長戦略 あえていうなら、規制緩和などをすすめ、需要面より、供給力を重視した、サプライサイド重視経済学でしょうか。

 つまり、「経済理論」のてんこ盛りです。しかも、マネタリズムケインズ政策サプライサイド経済学は、水と油です。しかもそれぞれが、欠陥を抱えている=すべて正しいわけではないというものです。合理的期待形成説も欠陥を抱えています。

 問題は「現実」です。景気がよくなり、国民所得が上がる・・・これが経済学の目指す唯一の価値です。「エコノミー=節約=最少経費による、最大高率=コスト・パフォーマンスの追求」のことです。ただ、この価値も、「別に所得上がる必要はないし、景気を良くする必要などない」という考え方の前には、通用しません。

<追記2>

http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51858705.html

池田信夫 2013年05月27日 08:00

「金利リスク9兆円」の数字はなぜ消えたのか

昨年10月の日銀の金融システムレポートでは、長期金利が1%ポイント上昇した場合のリスクを「大手行で3.7 兆円、地域銀行で3.0 兆円、信用金庫で1.6 兆円」つまり合計8.3兆円と試算していたが、なぜか今年4月のレポートからは数字が消え、「金利リスクは増大傾向にある」とだけ書かれている。下の図からざっと計算すると、約9兆円だろう。これは地域銀行ではTier1自己資本の35%に相当する。


消費増税とインフレ目標が重なった場合には、金利が3%ポイント上昇することは十分ありうるが、単純に上の3倍の評価損が出るとすると損失は27兆円、全国銀行の業務純益の10年分以上が吹っ飛ぶ。これが今年のレポートから数字が消えた理由だろう。もちろん期間収益などのバッファがあり、国内基準行の有価証券評価損は自己資本に計上しなくてもよいので、ただちに銀行がつぶれるわけではない。

しかしこれは需要増によるインフレではなく、政府と日銀が民間に強制する悪い物価上昇である。それが「銀行収益に好影響」」を与えると黒田氏は信じているのだろうか。信じていたら、上杉隆みたいに数字を消したりはしないだろう。都合の悪い数字を隠して粉飾するのは、民間企業なら犯罪である。




 間違い部分は、下線で補いました。別に、日銀のレポートで、8.3兆円は、消えていませんから。図表Ⅴ-1-10参照

 
 ちなみに、長期金利が3%上昇しても、特に問題はありません。

すでに、生保や損保は、その上昇した金利を目当てに、国債購入を進めるようです。

日経H25.5.25 

『一部、国債回帰の動き』
 契約者から預かった保険料を長期運用する生保は債権の短期売買よりも長期保有による利子収入を重視する。…生保の主要な運用対象である20年物国債に利回りが1.7%前後と12年度並みの水準まで上昇。国債に投資しやすい環境が整いつつある。
…生保業界の会計ルールでは満期保有を前提に国債を持てば含み損を処理する必要はない。緩やかな金利上昇なら金利収入の増加のプラス面が大きい(筆者注:保有する国債の含み損に比べて)との見方が多い。


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No title

ノビーはコメディアンです。
このブログで言及するに値しません。

オーソドックスな主題に戻りませんか?

No title

扱いたくないのですが、なにしろ、影響力が大きいようなので・・・

騙されてはいけないと言うことも必要かと・・・

ちなみに、連載はこれで終わりです。

No title

>連載はこれで終わりです。

良かった。
御心配なく。ノビ―の影響力なんてありませんよ。
我々が心配するとしたら上武大に進学した生徒たちのその後でしょう。あと青山でも授業を持っているのかな?これらの大学の評価も考え直さなきゃいかんのかも。

インフレ目標2%らしいですがどこまでが成功の範疇ですか

例えば今から二年後のインフレ率で判断することにしたとしてインフレ率が1.9%や2.1%になっていた場合は成功の範疇なのでしょうか?

No title

個人的見解です。

2%近辺なら、大成功、1%でも成功、プラスなら及第点だと思います。15年間のデフレを2年やそこらでプラスに持っていこうというのですから、大変なことだと思います。
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