税 その1
<税 その1>
今回からは、税の基本について、学びたいと思います。
消費税を、2014年度に8%へ、2015年度に10%へ引き上げる法案が、可決しました。この背景にあるのが、皆さんご存知の通り、社会保障費の増大です。

毎年毎年,社会保障費が膨張し,それにともなって,政府予算も毎年1~1.5兆円のスピードで,自然増となります。

高齢化社会に伴い,年金・医療・介護の支出が増えるのは当然です。現在,それらの社会保障費は,100兆円です。そのうち60兆円を保険料収入(年金保険,医療保険,介護保険)でまかなっていますが,残りの40兆円は,税金(国が30兆円,地方が10兆円)が投入されています。例えば,基礎年金は,その1/2が税金です。税金と言っても,その半分以上は「公債」です。

そこで、安定した税収を得ようと、消費増税になるわけです。(なぜ、消費税なのかについては、その2以降で扱います)
ここで、よく出てくるのが、「国民に負担を強いるので、国会も身を斬る覚悟で」という、国会議員削減論です。では、国会議員を減らしたり、年収を減らしたりすることが、どの程度の効果を持つのか、検証しましょう。
以下、数字出典
http://nensyu-labo.com/koumu_tihou_kengiin.htm
「年収ラボ」
(1)
国会議員の年収は、2,896万円、文書交通費の手当てを入れると、約4,000万円です。衆参合わせて722人です。人件費総額288億8000万円です。
年収30%カット、もしくは、議員総数を30%減にすると、202億1600万円、86億6400万円の節約になります。
衆議院で、480人中144人削減し、参議院で242人中72人削減しても、「たった87億円」です。社会保障費の自然増は、毎年1.5兆円ですから、0.58%分にしかなりません。
こんなに削減しても(限りなく可能性ゼロ)、年収削っても、社会保障費の増大の前には、文字通り、「焼け石に水」です。全く効果なんてありません。
ですから、「身を斬る改革」を国会に求めるのも、国会議員がそれに応えるのも、単なるパフォーマンスにしかすぎません。ナンセンスな話です。
(2)
では、ますます実現性は薄くなりますが、地方議員も削減してみましょう。
都道府県議会議員の年収は、1,534万円、人数は2790人=総額427億9860万円です。
年収30%カット、もしくは、議員総数を30%減にすると、299億5,902万円です。128億3,958万円の節約です。
市区町村議会議員の年収は、760万円、人数は、2万1354人=総額1,622億9,040万円です。年収30%カット、もしくは、議員総数を30%減にすると、1136億328万円、486億8712万円の節約です。
国会議員、都道府県議会議員、市町村議会議員、日本中の議員数もしくは、年収を30%減にしても、701億9070万円の節約にしかなりません。社会保障費の自然増は、毎年1.5兆円ですから、4.68%分にしかなりません。
「まず国会も改革を!」などという短絡的な思考は、いい加減にしないと、本質を見誤ります。
(3)
いやいや、「日本全国にいる、公務員を減らせばいい」という声も聞こえそうです。
まず、公務員数ですが、人口に対して、「日本が、多い」わけではありません。
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/5190.html
社会実情データ図録
http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2012/seifuan24/yosan007.pdf#search='%E5%85%AC%E5%8B%99%E5%93%A1+%E4%BA%BA%E4%BB%B6%E8%B2%BB+%E7%B7%8F%E9%A1%8D'
財務省「平成24年度公務員人件費( 政 府 案 )」
国家公務員57.9万人、人件費5兆944億円、地方公務員234万人、21兆円、合計26.9兆円です。
年収1割カットで、2兆7千億円減らせます。
社会保障費の自然増は、毎年1.5兆円なので、全公務員の給与を1割カットしても、2年しかもちません。改革を2年先送りにする効果しかありません。
「小さな政府」志向は、ミクロの世界では結構ですが、実際には実現できない(マクロ)のです。
今回からは、税の基本について、学びたいと思います。
消費税を、2014年度に8%へ、2015年度に10%へ引き上げる法案が、可決しました。この背景にあるのが、皆さんご存知の通り、社会保障費の増大です。

毎年毎年,社会保障費が膨張し,それにともなって,政府予算も毎年1~1.5兆円のスピードで,自然増となります。

高齢化社会に伴い,年金・医療・介護の支出が増えるのは当然です。現在,それらの社会保障費は,100兆円です。そのうち60兆円を保険料収入(年金保険,医療保険,介護保険)でまかなっていますが,残りの40兆円は,税金(国が30兆円,地方が10兆円)が投入されています。例えば,基礎年金は,その1/2が税金です。税金と言っても,その半分以上は「公債」です。

そこで、安定した税収を得ようと、消費増税になるわけです。(なぜ、消費税なのかについては、その2以降で扱います)
ここで、よく出てくるのが、「国民に負担を強いるので、国会も身を斬る覚悟で」という、国会議員削減論です。では、国会議員を減らしたり、年収を減らしたりすることが、どの程度の効果を持つのか、検証しましょう。
以下、数字出典
http://nensyu-labo.com/koumu_tihou_kengiin.htm
「年収ラボ」
(1)
国会議員の年収は、2,896万円、文書交通費の手当てを入れると、約4,000万円です。衆参合わせて722人です。人件費総額288億8000万円です。
年収30%カット、もしくは、議員総数を30%減にすると、202億1600万円、86億6400万円の節約になります。
衆議院で、480人中144人削減し、参議院で242人中72人削減しても、「たった87億円」です。社会保障費の自然増は、毎年1.5兆円ですから、0.58%分にしかなりません。
こんなに削減しても(限りなく可能性ゼロ)、年収削っても、社会保障費の増大の前には、文字通り、「焼け石に水」です。全く効果なんてありません。
ですから、「身を斬る改革」を国会に求めるのも、国会議員がそれに応えるのも、単なるパフォーマンスにしかすぎません。ナンセンスな話です。
(2)
では、ますます実現性は薄くなりますが、地方議員も削減してみましょう。
都道府県議会議員の年収は、1,534万円、人数は2790人=総額427億9860万円です。
年収30%カット、もしくは、議員総数を30%減にすると、299億5,902万円です。128億3,958万円の節約です。
市区町村議会議員の年収は、760万円、人数は、2万1354人=総額1,622億9,040万円です。年収30%カット、もしくは、議員総数を30%減にすると、1136億328万円、486億8712万円の節約です。
国会議員、都道府県議会議員、市町村議会議員、日本中の議員数もしくは、年収を30%減にしても、701億9070万円の節約にしかなりません。社会保障費の自然増は、毎年1.5兆円ですから、4.68%分にしかなりません。
「まず国会も改革を!」などという短絡的な思考は、いい加減にしないと、本質を見誤ります。
(3)
いやいや、「日本全国にいる、公務員を減らせばいい」という声も聞こえそうです。
まず、公務員数ですが、人口に対して、「日本が、多い」わけではありません。
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/5190.html
社会実情データ図録
http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2012/seifuan24/yosan007.pdf#search='%E5%85%AC%E5%8B%99%E5%93%A1+%E4%BA%BA%E4%BB%B6%E8%B2%BB+%E7%B7%8F%E9%A1%8D'
財務省「平成24年度公務員人件費( 政 府 案 )」
国家公務員57.9万人、人件費5兆944億円、地方公務員234万人、21兆円、合計26.9兆円です。
年収1割カットで、2兆7千億円減らせます。
社会保障費の自然増は、毎年1.5兆円なので、全公務員の給与を1割カットしても、2年しかもちません。改革を2年先送りにする効果しかありません。
「小さな政府」志向は、ミクロの世界では結構ですが、実際には実現できない(マクロ)のです。
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