農業守るにもほどはある
(1)日本人の主食は、コメではなくてパンです。


2011年の1世帯(2人以上世帯)あたりのコメの購入金額は27,425円と、パンの28,321円を下回りました(総務省家計調査)。
パン>コメです。単身世帯は、若者も高齢者も、もっとコメなんか食べません。だから、実際には、さらにパン>コメになっているはずです。
なぜコメではなくて、パンか?楽だからです。60歳以上世代は、朝食は圧倒的にパンです。コメは洗って、研いで、しかも、一汁一菜もプラスしなければなりません。パンなら、焼いてプラス、コーヒーで十分です。高齢者にとっては、コメは、とっても面倒くさいのです。
ただし、コメ<パンは、家庭の購入量で、コンビニのおにぎりや弁当、スーパーでのコメ・外食のコメは入っていません。
読売H24.11.5
岩村暢子『家族の在り方反映』
食事に手間かけるより、ほかのことが大事になるなど、食事自体の優先順位も低下した。日常の食事はなるべく手をかけず、効率よく腹を満たすことが大事で、極言すればガソリン補給に近づいている。
(2)食べないから減らした
当然、1人当たりのコメの消費量も、激減です。ピーク時の1962年の118.3キロから、2010年度の59キロと、半減しました。

こんなに食べなくなった消費量に合わせて、生産量も調整してきました。いわゆる減反です。政府主導で、作付面積を減らし、転作してくれる人には、莫大な補助金を払ってきました。払われた金額は3500億円です。
水田で、コメの代わりに、麦や大豆やソバなどを生産する農家に、2011年度約3500億円を投じました。そのカネで、麦は48万トン、大豆約21万トンを生産されました。
では、この3500億円というのは、どのくらいの価値があるのでしょう。

今、小麦の年間国内消費量は560万トン(2011年度)です。

では、この3500億円で、外国産小麦を買ったら、どのくらいの量が買えるのでしょう。

1年間に、減反に投じたカネ3500億円は、日本の年間小麦の消費量を上回る640万トンの輸入代金に相当します。転作で得られた麦・大豆の収穫量の10倍に当たります。
読売H24.11.6『転作奨励3500億円見直し』
・・・「外国から買った方が効率が良いということになりかねない。食糧自給率を上げる効果も小さい」・・・財務省は「国民の理解は得られない」とみている。
読売H24.11.17
音更町 農業竹中章さん
「TPPはやはり反対だ。・・・農家は補助してもらっても赤字という状況で、次の世代が農業に取り組めるような施策を進める政治家が必要だ」
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