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ギリシャ、これじゃあ、ドイツも怒るなあ

<ギリシャ、これじゃあ、ドイツも怒るなあ>

 ギリシャ、どれくらいやりたい放題だったか、検証してみましょう。

・・・でも、ドイツだって、「いい思い」はしてました。どっちもどっちであることは間違いありません。

参考・引用文献 
白井さゆり『ユーロ・リスク』日経プレミアシリーズ2011
有田哲文『ユーロ連鎖危機』朝日新聞出版2011
内閣府『世界経済の潮流2010』


http://abc60w.blog16.fc2.com/blog-entry-627.html
「欧州危機 抜本先送り」参照


 ユーロのスタートは1999年、11カ国から始まりました。
 ギリシャがユーロ参加をしたのは、02年のことです。00年に欧州理事会が「ギリシャは高い水準で持続的な収斂性を有しており、ユーロの導入に必要な状況になった」と述べ、2001年にギリシャ国内で決定し、02年に参加(法定通貨)が認められました。

 でもその為には「ユーロ参加基準」というハードルがあります。

(1)財政赤字・政府債務の削減
(2)(以前の)通貨の安定
(3)インフレ率・長期金利の引き下げ



 (1)財政赤字については、GDP比3%以下、政府債務についてはGDP比60%以下にすることが求められ、加盟後であっても、是正勧告に違反する場合は、制裁として供託金(罰金)が課せられる仕組みとなっていました。
後になって分かりましたが、ギリシャは「虚偽の数値」で参加申請していました。

 この制裁は、実際には、ゆるゆるで、99年以来、財政赤字GDP比3%超えでも、厳格な適用は行われていませんでした。何しろ、2002年以降、EUは、行け行けどんどんの経済成長をしていましたので、なあなあでした。今となってはこれをしなかったのが問題でした。


 ギリシャがユーロに加入するメリットとして

(1)為替リスクの低減
(2)財政の信任による金利低下


 があります。

(1)「1ユーロ=○○ドラクマ」の変動を気にする事無く、安定して投資資金を呼び込むことができ、(2)資金を借り入れる際の、国債金利低下・それにともなう各種長期金利の低下がもたらされます。

 それまで、ギリシャの「ドラクマ」は、ドイツに比べると信用はありませんでした。

第1-4-43図 ギリシャ国債利回りの推移
ギリシャ 国債 利回り


 ギリシャが借金(国債とか、その他長期金利)する時は、ドイツより高い利息(スプレッド)を上乗せしないと、借りられなかったのです。

 ところが、「ユーロ」で「一定の信頼がある」とお墨付きが出た結果、ギリシャは低い金利でカネが借りられる・・・例えると、サラ金(死語か?)でしか借りられなかった、危ないとみなされていた層の人たちが、優良金利で「借り放題」になったのです。

 そうすると、「この低い金利で借りられるうちに、財政再建しよう」と、なりそうですが(日本やドイツなら、そうするでしょう)、ギリシャは、まさにブラック債権者で、「使っちまえ!飲んでしまえ!歌ってしまえ!」と放漫財政を、さらに加速化させたのです。

↑ 日本、全然やっていませんでしたね・・・

公務員・市民天国

 何しろ、政治は、人気取り(組合重視)で、政権交代するたびに、支持者を公務員にするので、ユーロ加盟後に公務員増え続けました。財政赤字を拡大させ続けてです。

第1-4-40図 ギリシャの政府支出と公務員人件費

ギリシャ 公務員 人件費.jpg


 1110万人の人口に対し、公務員は100万人、労働人口の1/4が「公務員」です。財務省は「公務員を何人雇っているのか、正確にはわからない」のだそうです。

(1)学費は大学院まで無料
(2)医療費は格安、無保険でも国立病院で3ユーロ(345円)で診察可
(3)年金天国

  
  年金/現役時代の「年金代替率」
   ギリシャ90% 
   デンマーク80%
   スエーデン60%
   ドイツ 40%

 これはドイツが怒るでしょう。デンマーク・スェーデンは高福祉:高負担です。ですが、ギリシャは高福祉:低負担(借金)です。

 しかも、やたらと早く年金を受け取れます。特定職種は、「危険」な仕事だからだそうです。仕事に危険が伴い、健康を害すからだそうです。薬品を使うので美容師、マイクや楽器に細菌がついているのでラジオ司会者や管楽器演奏員・・・

 金融危機になって、ギリシャが危ないとみなされると、公務員退職者は、2~3倍増と、激増します。財政再建すると年金カットされるからです。

<脱税天国>

 これだけ手厚い市民保護なのに、税金はさっぱり入ってきません。脱税や制度設計の問題で、本来得られるべき税収が得られず、07年には310億ユーロ(GDP比15%:0ECD調べ)が漏れていました。

 09年、6万5千社がまったく納税をせず、領収書さえ渡していませんでした。贈収賄は当たり前、正規に法が適用されないインフォーマルセクターはGDP比25~37%に上り、脱税した方が得な税制です。

 2010年、GDPは2%ダウンだったのに、税収は8%増!です。こんなことが実際に起こりうる国って・・・

もう一度、「ユーロ参加基準」です。

(1)財政赤字・政府債務の削減
(2)(以前の)通貨の安定
(3)インフレ率・長期金利の引き下げ

(1)財政赤字については、GDP比3%以下、政府債務についてはGDP比60%以下にすることが求められていました・・・・・・・。

 ドイツ、怒るのが分かりますよね・・・ユーロの放蕩息子を「助ける必用があるのか!!」って。

<ドイツだって>

 でも、ドイツの銀行だって、大もうけしました。

第1-4-45図 経常収支の推移

ドイツ 黒字.jpg


 「経常収支黒字資本収支赤字」で、メカニズムは、「資本(カネ)移動→経常(実物)収支」でしたよね。 

ブログカテゴリ「貿易黒字はもうけではない」参照


 つまり、ドイツは、ギリシャやスペインが低利で借りられるようになったことをいいことに、南欧に投資しまくったのです。 
 南欧では、住宅投資や設備投資が増大し、スペインでは「住宅バブル」、ギリシャでは「市民・公務員天国」を作り出してしまいました。
 
 ベンツもBMWもアウディも、南欧で売れまくったのです。ドイツの貿易黒字が急拡大したのは、ユーロ導入の2001年以降です。ギリシャ・スペイン・ポルトガル様様だったのです。

ドイツ 貿易黒字 



 日本の貿易黒字は、「海外資産の積み上げ」だから、もうけではない!!!と何度も説明してきたので、みなさんもうおわかりのことと思います。海外資産は、日本国内に流通させることはできません。「日本国民の生活をすぐに豊かにするものではない」のです。

 ですが、ドイツが輸出で手にしたのは「ユーロ」です。「貿易黒字=もうけ」なのです。「ドイツ国民の生活をすぐに豊かにする」のです。

 ユーロ圏が広がることにより、ドイツは恩恵を十分に受けたのです。

ドイツ実質GDP推移
[世] ドイツの実質GDPの推移(1999~2011年)


 紆余曲折の末、11年10月、EUによる1300億ユーロ(13兆7500億円)の融資、ギリシャ債務の50%削減が決定されました。

<ベンツ・BMW・アウディ・VW>


朝日新聞 平成23年12月31日
『ユーロ一時100円割れ』
…欧州の共通通貨ユーロが一時99円97銭をつけ2001年6月以来約10年半ぶりに1ユーロ100円の大台を割り込んだ
・・・08年7月には1ユーロ169円台の最高値を付けた。・・・わずか3年半で4割も値下がりした。



 あの、これらの会社の車、全然値段下がってませんよね。4割下げろとは言いませんが、円高ユーロ安で、1~2割は下がっても、当然ではないでしょうか?

 なんでドイツのカローラであるゴルフが、日本では、「外車だから高くて当然」になるのですか?

2008年 6月17日販売終了モデル

ゴルフ 2004年モデル TSI トレンドライン価格:2,480,000

ゴルフ


ゴルフ 2009年モデル TSI Trendline Premium Edition
価格:2,630,000



 ベンツなんか、ユーロ安なのに、逆に値上げ!してます

Cクラス セダン 2007年モデル
2007年6月発売~現在販売中のモデル

C 200 BlueEFFICIENCY

ベンツ




マイナーチェンジ前 2011年~5月価格:4,400,000
マイナーチェンジ後2011年5月~価格:4,450,000

 これなんか、もともと、2007年6月の値付けなのだから、今年春には、300万程度になっていても、全くおかしくありません。

ドイツ車、ふざけてませんか?
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