大学教授のトンデモ論その3

 <トンデモ論その3>

 http://shuchi.php.co.jp/article/495
簡単な数学でわかる「消費税増税は要らない!」/高橋洋一
高橋
高橋洋一(嘉悦大学教授)
以下、同氏ツイッター説明文より
嘉悦大学教授、(株)政策工房会長、博士(政策研究) 政治と経済の間を彷徨。財政・金融政策、年金数理、金融工学、統計学、会計、経済法、行政学。もともとは数学。役人の時は大蔵省、経済財政諮問会議特命、総務大臣補佐官、官邸(総理大臣補佐官補)

事実を見れば、増税不要は一目瞭然!

教授 こと消費税に限れば、「上げ潮派」のロジックって単純なんだよ。「名目成長すると消費税の増税がいらなくなる(または少なくなる)」。ただ、それだけ。で、これは、主義主張とかではなく、単なる事実なの。そのことを示すグラフがあるんだけどね。

S君 あるんですか!

教授 あるよ~。ほら、これ。

名目GDP成長率 プライマリ―バランス/名目GDP比

 この話も、データだけあると、もう完全に「Q.E.D.」。証明終わりなんだよ。これは、縦軸に比率(パーセンテージ)、横軸に年月をとって、「名目GDP成長率」っていうのと、「プライマリーバランス(基礎的財政収支)対名目GDP比」っていうのを、それぞれドットして比較したものなんだ。普通のグラフで書くときには、両方の縦軸に異なる比率を書く。それぞれの比率の数字が、多少違っているからね。で、年月でとるんだけど、過去20年ぐらいとると ―― まあ、20年とっても30年とっても一緒なんだけどね ―― 名目GDP成長率が、昔はけっこう高くて、最近はもうゼロとかマイナスになっているのがわかるわけ。あ、忘れていたけど「名目GDP」というのは、国民の給与などをすべて合算したものだよ。

S君 名目GDPはよく国民所得とかいいますね。この成長率が高ければ、まあ、景気がいいと。これくらいなら、わかります(笑)。では「プライマリーバランス対名目GDP比」っていうのは、何を表しているんですか?

教授 プライマリーバランスっていうのは、過去の債務にかかわる元利払い以外の支出と、公債発行などを除いた収入との差の収支のことをいうんだ。まあ、民間企業でいう金融収支を除いた営業収支のことだね。で、これを、どうして名目GDPと比べるかというと、後でもう1回説明するけれど、財政の健全性を示す指標である「債務残高対名目GDP比」が「プライマリーバランス対名目GDP比」の動きに連動するからなの。ちょっとはしょって説明すると、プライマリーバランスが黒字であれば、「債務残高対名目GDP比」は大きくならず、「財政は健全である」ってことになるんだ。あ、念のために付け加えておくと、「A(の)対B比」といった場合は、A÷Bということね。

S君 なるほど。片や景気のよさ、片や財政の健全性を示すグラフなんですね。

教授 そういうこと。

S君 で、2つの曲線を見てみると……、あ、ほとんど一緒の変化をしていますね!
 「名目GDP成長率」(=景気のよさ)が高ければ、「プライマリーバランス対名目GDP比」(=財政の健全さ)も高いし、前者が低ければ後者も低い。

教授 そう、そう。これで見るとね、ほとんど同じなの。だから、これは何をいっているかっていうと、名目GDP成長率を上げたら、プライマリーバランスも上がって財政が健全になるということ。それだけの話。以上、証明終わり。だから、与謝野さんがどんなに反論したって、データを見せたら終わりなんだよ(笑)。

S君 このグラフだけで全部示していると。単に蓄積されたデータだけですからね。

教授 そう、細工も何もしていない単なる事実の記述。そのまんま(笑)。こういうデータを持っているから、「名目GDP成長率を上げたら財政再建は終わる。だから、消費税増税は要らない」っていっているだけよ。


<その3>

「名目GDP成長率を上げたら財政再建は終わる。だから、消費税増税は要らない」

 いいえ、「財政再建は終わらない」どころか、日本は、インフレという問題に直面し、「財政再建」どころではない、「平成の徳政令=世界経済に大激震」になってしまいます。

 名目成長率を上げるには「インフレ」にすればよいのです。つまり、ばかばか「日本円」を刷れば、インフレになります。

注)ここでいうインフレとは、借金を事実上帳消しにしてしまうような、高インフレのことです。

 マンキューの「経済学の10大原理」の1つです。

『マンキュー経済学Ⅰミクロ編』 東洋経済新報社 2004 P18
 
第9原理:政府が紙幣を印刷しすぎると、物価が上昇する

…インフレは何によって引き起こされるのだろうか。大幅で持続的なインフレについては、そのほとんどが同じ原因によって発生することが明らかになっている。それは貨幣供給量の増大である。政府がその国の貨幣供給量を大幅に増やすと、貨幣の価値は下落する。
 

 さて、日本円の価値を下げる=インフレにする=物価を上げるです。これをやると、「借金」も目減りしますが「資産」も目減りします。つまり、皆さんの預貯金も「パア」です。

東学『資料政・経2012』巻頭特集
国債 国民の財産  東学


 日銀がバカバカお金を刷って、カネの価値を1/2にします。皆さんの給料も2倍になりますが、カップめんの価格も2倍(200円)になります。

 通貨価値の下落です。

 そうすると、皆さんが汗水流してためた100万円で、今まではカップめん1万個買えたのに、インフレになると、5千個しか買えなくなります。

 100万円の新車の軽自動車買おうと思って貯めた100万円は、車両価格が200万円になると、今までの50万円の価値相当、「頭金」にしかなりません。

 家を買う予定だった頭金1000万円は、半分の価値(500万円相当)しかなくなります。

 このように、インフレは、国債(過去の借金)をチャラにする、究極の手段なのです。その代り、国や、日銀に対する信頼も地に落ちます。「信じてくれ」って言っても、「誰が、2度と信じるか!」という話になります。「徳政令=借金棒引き=商人の財産もチャラ」です。

 実は、日本は戦後、ものすごいインフレ・預金封鎖・新円切り替えで、貯金がパーになった前例を持ちます。 

 インフレ率7%で、10年後には預貯金も、借金も半分になります。

 ギリシャならいざ知らず(EUの中でも2~3%、日本国の静岡県程度の比)、世界のGDPの8.5%を占める日本の「通貨」が信用失墜したら、世界経済に波及する混乱は、想像がつきません。

 だから、

日銀法第2条
日本銀行は、通貨及び金融の調節を行うに当たっては、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とする。


「物価の安定」とは、ただちに「通貨価値の安定」のことなのです。

 高橋さんは、名目成長率が、実際の成長によるものか、あるいは、インフレによるものなのかを、ごちゃ混ぜにして、

名目GDP成長率を上げたら、プライマリーバランスも上がって財政が健全になるということ。それだけの話。以上、証明終わり。
こういうデータを持っているから、「名目GDP成長率を上げたら財政再建は終わる。だから、消費税増税は要らない」っていっているだけよ。


と、トンでも論をぶっています。
 
 要するに、彼は「インフレターゲッティング」論者でしょう?「インフレにすれば、すべて解決」というバラ色のトンでも論を、なんにでもかんにでもあてはめて、正当性を主張しているだけなのです。

 私が「インフレ率7%で、10年後には預貯金も、借金も半分になります。」と述べたように岩田規久男さんも、「名目成長率が5~6%に高まれば増税しなくても財政再建は可能と主張している(下記報告書参照)」そうです。

 名目成長率・・インフレもデフレもなしに、5~6%成長は、現実的にありえません(日本の潜在成長率は、1%台~ものすごく成長しても2%未満程度)。

 それを5~6%成長というのは、中身は「4~5%分は、インフレによるもの」と考えられます。

 そのごちゃまぜにする誤り論については、下記の報告書で一蹴されています。

経済成長と財政健全化に関する研究報告書
http://www5.cao.go.jp/keizai2/keizai-syakai/k-s-kouzou/shiryou/k-s-3kai/pdf/2.pdf

 物価上昇率や名目成長率が高まり、税収が増加しても、歳出も同時に増加するために、必ずしも財政収支が改善するとは限らない名目成長率が高まれば、増税しなくても財政再建が可能となるという議論では、歳出が同時に増加する可能性について十分考慮していない場合が多い


 本報告で示した分析を踏まえれば、財政健全化のために、マクロ経済面においてはインフレによる税収増加に期待することは適当ではなく、民間需要主導による実質成長を実現することが必要不可欠である。ただし、日本経済が置かれた諸条件等を踏まえれば、経済成長を促進することのみによって財政を健全化することは不可能と考えられ、歳出の見直し、新たな税負担の3つを同時に推進していくことが必要である。
 

 要するに、物価上昇に伴って、年金もマクロスライドするので、その分、政府支出も増えるのです。また、インフレで、医療費や、生活保護費も、名目値(額面)が上昇しますので、結局インフレ分、タイムラグはあるものの、政府支出も確実に増えます。

名目成長率 政府支出

http://agora-web.jp/archives/1396078.html
池尾和人『公的債務、経済成長、金利の関係』

公的債務残高/GDPの増分をΔ(公的債務残高/GDP)と書くことにすると、

Δ(公的債務残高/GDP)=(利子率-成長率)×(公的債務残高/GDP)-(プライマリーバランス/GDP)

 経済成長率が高まれば、プライマリーバランスが改善する可能性がある。ただし、これはもっぱら実質経済成長率が高まった場合についてのことであり、名目経済成長率の上昇が主としてインフレ率の上昇によるものである場合には、最近公表された「経済成長と財政健全化に関する研究報告書」が論じているように、歳出の増加も同時に生じると見込まれることから、財政収支を改善させる効果は乏しいといえる。

…かりに経済成長率の上昇に伴い、多少のプライマリーバランスの改善が見られたとしても利子率も上昇し、上の関係式の右辺第1項の効果が第2項のそれを凌駕し続けるならば、公債残高の対GDPはむしろ上昇し続けることになる。わが国の場合には、すでに(公的債務残高/GDP)の値がかなり大きなものとなっているので、この可能性は小さなものではない。この意味で、経済成長はそれ自体として重要であるが、財政健全化の十分条件であるかのように考えるのは正しくない


<インフレ・ターゲット>

 アメリカFRB(中央銀行に相当)が、「2%のインフレを目標とする:インフレ・ターゲット」を明確にしました。
 このバーナンキ氏は、「経済学者」です。「インフレ目標」は、FRB議長就任前からの持論です。

朝日H24.1.27

米 インフレ・ターゲット 1

米 インフレ・ターゲット 2

米 インフレ・ターゲット 3 


ブログカテゴリ
http://abc60w.blog16.fc2.com/blog-entry-591.html『日銀理論』参照
 

 まず、今アメリカがやろうとしている、「インフレ・ターゲット」は、下記のような単純なものではありません。

http://agora-web.jp/archives/1030418.html
日銀がお金を刷れば問題は解決するのか? - 藤沢数希 

 一部の経済学者は、日銀が大量にお金を刷れば日本経済はよくなると唱えている。いわゆるリフレーション理論である。そして、彼らの矛先は常に日銀批判に向く。日本経済がデフレに苦しみ、過去20年間、世界の経済成長に取り残された主因は日銀が過度に金融を引き締めたためだというのだ。よって、日銀がもっと大量にお金を刷れば、デフレが解決し、日本経済は再び成長軌道に乗ることになる。本当だろうか?


 まず、マネタリー・ベースと、マネーサプライの関係です。両者を1対1と考えることはできません。単純にマネタリー・ベースが増えれば、マネーサプライ(貨幣供給量)も増え、物価が上がるというのを、単純な貨幣数量説と言います。

 ですが、このような説を、現在でも「単純」に信じている人はいませんし、実証的にも成立しません

日経H22.9.9

『マネーストック2.1%増』
日銀が発表した8月の注)マネーストック…M3の平均残高は、前年同月比2.1%増の1079兆4000億円となった。…伸び率は…13か月連続で2%台を記録した。


注)
マネタリーベースは、流通現金+日銀当座預金。日銀は、この合計額を直接コントロールでき、マネーストックに影響を及ぼす。
 マネーストックM3は、一般法人、個人、公共団体(除く国/金融機関)が保有する通貨量。「信用創造(準備預金以外の貸し出し)」によって、マネタリーベースの何倍もの通貨量が創造される。


2009年10月→2010年8月

マネタリーベース  2010年8月 98兆3,995億円
マネーストック         1,079.4兆円 前年同月比2.1%増


マネーストック 変化.jpg

 まあ、図のように、増えることは増えるのですが、単純に1対1で増えるとか、マネタリーベース増→マネーストック増という、因果関係が完全にあるわけではありません。もちろん、「増える(減ることはない)」のは事実なので、日銀はマネタリーベースをコントロールするのです。

マネタリー・ベースとマネーストック

 ですが、「マネタリーベース増→マネーストック増→デフレ脱却になっていないじゃないか」と見ることもできます。「だから、金融政策で、マネタリーベースを増やしても、効果はない=金融政策無効論」です。

http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51669057.html
2011年01月22日 15:59 池田信夫 貨幣数量説について*


マネーストックと 消費者物価指数

注)マネタリー・ベースを増やしても、銀行が貸し出しを増やさないかぎり、マネー・サプライは増えないという説もあります。日銀が供給しても、当座預金に「ブタ積み」になり、市中に出回らないとするものです。
 ですが、貸し出しが増えなくても、銀行が、「社債」や「株」や、企業や個人の持つ「債券(国債など)」を購入しても、その分、普通預金・当座預金が増えることになり、「マネーサプライ」は増えるのです。


<なぜ、金融緩和なのか>

 このように、単純な貨幣数量説(30年以上前に終わった話です)を支持して、リフレ派は金融緩和を訴えているわけではありません。
 では、なぜ、マネタリー・ベースの拡大を、リフレ派は唱えるのでしょうか。それは、目標が、「将来にかけての貨幣供給の予想」にあるからです。つまり、「予想インフレ率」に影響を及ぼすと考えているからです。

 マネタリー・ベースが増加し続ける(日銀が金融緩和をし続ける)と予測されれば、将来貨幣供給は増えると予想され、インフレを予測することになります。

フィッシャー方程式

実質金利=名目金利-(予想)インフレ率
 0%  =10%-10%


岩田規久男 『デフレと超円高』講談社現代新書 p139金融緩和 予想インフレ率

 このように、日銀の量的緩和政策の維持(米国も同様)は、予想インフレ率を引き上げ、逆に解除は引き下げたのです。


岩田 p213・144

 多くの人が誤解しているが、マネタリー・ベースの持続的な拡大によるデフレ脱却は、中央銀行がばら撒いた貨幣を民間がモノやサービスに使うことから始まるのではなく、自分が持っている貨幣を…使って株式を買ったり、外貨預金をしたり…することから始まるのである。

 量的緩和は…「モノの購入に使われる結果、物価を引き上げる」のではなく、為替相場や株価に影響を与えることから、その効果を発揮し始めるのである。


金融緩和継続
  ↓
予想インフレ率に影響
     ↓   ↓
①為替相場 ②株式市場
     ↓      ↓
 円安・輸出増  資産効果
 

まさに、アメリカのQE2は、この効果を狙ったものです。

http://abc60w.blog16.fc2.com/blog-category-104.html
デフレ脱却と言う結果 量的緩和の効果 アメリカ 2011-03-08 記事参照

http://abc60w.blog16.fc2.com/blog-category-109.html
量的緩和の効果 アメリカ2011-03-08記事参照
 

 そのために、恐ろしいほどの金融緩和をしています。

読売『米6000億ドル緩和策功罪』H23.6.19

 米連邦準備制度理事会(FRB)は2010年11月に導入した6000億ドル(約48兆円)の国債を買い入れる「量的緩和策の第2弾(QE2)」…。

 「緩和策は予想以上の成功だった」。バーナンキFRB議長は…4月27日の記者会見でlこう自賛した。
 政策は主に二つの効果を狙ったものだ。…長期金利は下がり…幅広い金利の低下が期待できる。
…さらに資金が株式や社債などに振り向けられることで株高が消費を活性化させる効果も見込んだ
…NYSEユーロネクストに上場する株式の時価総額(4月末、米国分のみ)は…10年8月末から23.5%増えた。小売売上高は…10ヶ月連続でプラスで、個人消費の持ち直しが鮮明だ。…デフレ懸念は払拭された。


岩田P153 

金融緩和 量 日本 アメリカ

アメリカ マネタリーベース.jpg

 各国も同様です。その結果、各国通貨に対して「円だけが『超円高』」になっています。

各国 マネタリー・ベース 推移
出典: http://blogs.yahoo.co.jp/suzukieisaku1/17114313.html のグラフを改

マネタリー・ベース推移.jpg

 岩田P162
金融緩和 超円高


岩田 P167
 世界広しといえども、中央銀行の中で、金融政策でデフレを止められないと主張するのは、日銀だけである。
 




読売H23.6.25 『失われた10年 今は日銀に同情』

バーナンキ

…議長は「中央銀行に断固とした決意があれば、デフレに対し、多少なりのことは常にできる」とも強調した。

 今回の「2%目標」に対する、市場の反応です。

朝日H24.1.27
 ニューヨーク株式市場は3日ぶりに上昇し、ダウ工業株平均は昨年5月以来、約8か月ぶりの高値で取引を終えた。ドルは下落し、国債が買われて値上がり(金利は低下)した。


伊藤隆敏 インフレ・ターゲット

 ここで、述べられている、インフレ・ターゲットは、高橋氏の言う下記の話とは全く別物だということが分かると思います。


 名目GDP成長率を上げたら、プライマリーバランスも上がって財政が健全になるということ。それだけの話。以上、証明終わり。
こういうデータを持っているから、「名目GDP成長率を上げたら財政再建は終わる。だから、消費税増税は要らない」っていっているだけよ。

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comment

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No title

高橋氏は、最近、いうことが政治的な思惑に走りすぎで、残念。
元ボスの竹中平蔵氏は、政策は細部にやどるというような趣旨のことをいっていたが、高橋氏の政策提言は、少し、自分に有利なことを、自分の意見にこじつけすぎ。
研究メモという、研究者のブログに、最近高橋氏が、ダイヤモンドオンラインでのべたことについての指摘が控えめにされているが、高橋氏も学者の1人なら、もうすこし、事実に基づく議論をしてほしい。彼が批判する財務省の「情報操作」とかわらないのではないだろうか。

研究メモより、
「いろいろ勉強になるが、2箇所、(本記事のメインの内容からすると瑣末な点で)事実誤認というか、内容が不正確な点をメモ。
そもそも消費税は、普通の国では地方の一般財源です。だから分権化した後、地方の行政サービスを向上させるために地方の消費税率を上げますという話なら分かる。消費税を国の税金として社会保障に使おうとしているのがおかしい。

高橋氏はいつもこう言っているが、

租税負担率の内訳の国際比較(国(連邦)税・州税・地方税)

http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/022.htm

を見るとわかるように、たしかに消費税を地方(特に州レベル)に割り当てている国はあるけれども、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデンと、アメリカ以外の国では消費税は中央の一般財源としてそれなりに入っている。

次に、

スウェーデンも歳入庁がありますね。スウェーデンでは、個人は社会保険料を払っていないですね。社会保険料や年金は法人税が財源でしたね。

これは質問者のコメントだが、「法人税が財源」というのはミスリーディングだと思う。確かにスウェーデンの社会保険料(社会保障拠出金)は雇用主負担がほとんどだが、法人税とは別。」


ISバランスの理想的な姿とは

いつも愛読してきます。現在の日本のISバランスは貯蓄超過、財政赤字、資本収支赤字(経常収支黒字)と理解できるのですが、財政が黒字になることを良しとして、民間の借金が膨れ上がる状態(バブル?)も、安定した状態ではないと思います。通貨の発行も行い、国民の貯金も国内で保全しようとすれば(国内で借り手がいなくなって全て海外債権で運用するなど危険すぎますし)、国債をゼロにする訳にはいきませんよね…結局のところ、ISバランスの割合がどういう状態になれば、皆(国家破綻論者や積極財政派など)は納得するのでしょう?菅原さんの見解をお聞かせください。

No title

高橋洋一氏は、菅原様や池尾教授に指摘されても、懲りずに、ダイヤモンドオンライン(「その消費増税論議、ちょっといいですか」)で、持論を展開する。
この中では、ほかにも、首をかしげる、いつもの持論がある。

これについて、社会保障などの研究者のブログ「研究メモ」で以下のように指摘する。

「いろいろ勉強になるが、2箇所、(本記事のメインの内容からすると瑣末な点で)事実誤認というか、内容が不正確な点をメモ。

そもそも消費税は、普通の国では地方の一般財源です。だから分権化した後、地方の行政サービスを向上させるために地方の消費税率を上げますという話なら分かる。消費税を国の税金として社会保障に使おうとしているのがおかしい。

高橋氏はいつもこう言っているが、

租税負担率の内訳の国際比較(国(連邦)税・州税・地方税)
(財務省HPのデータ集に掲載)

を見るとわかるように、たしかに消費税を地方(特に州レベル)に割り当てている国はあるけれども、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデンと、アメリカ以外の国では消費税は中央の一般財源としてそれなりに入っている。」と指摘する。

学者なんだから、政治的立場もわかるが、少しは、事実をちゃんと踏まえて論説をだしてほしいものだ。

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