『政権 第2部盛衰①』日経H21.9.7
『政権 第2部盛衰①』日経H21.9.7 グラフも同日日経より
…経済界も「民主シフト」を急ぐ。2日朝8時。東京・大手町の日本経団連。「宣言は絶対困る」
臨時の正副会長会議は訪米する鳩山に温暖化ガスの「1990年比25%削減」を言わせないための働きかけが焦点だった。「国益優先の柔軟な政権運営を」と会長の御手洗富士夫。
12月にコペンハーゲンで開かれる国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)で「ポスト(京都議定書)」の温暖化ガス削減の道程が示される予定です。
民主党のマニフェストが「20年までに温暖化ガスを(90年比)25%削減し、2050年までの出来るだけ早い時期に削減目標値を60%超にする」と謳っているので、経団連はそれを回避しようと、動き出したということです。では、なぜ経団連は、「1990年比25%削減」を回避しようとしているのでしょうか。
参考・引用文献 櫻井よしこ『日本ルネッサンス・拡大版』週刊新潮09.9.10号
…日本エネルギー経済研究所…主任研究員、松尾雄司氏は…断定する。「到底不可能です」
…電力中央研究所社会経済研究所の杉山大志氏も懐疑的だ。「2050年までの60%削減は日本に工場がなくなることを前提にしなければ可能性はないでしょう」
…◎太陽光発電を新築住宅のみならず…既築住宅にも設置し、現状の55倍増とする。
◎原子力発電の稼働率を現状の60%から90%以上に上げる。
◎電気自動車など次世代車の販売を促進し…従来型自動車を事実上禁止する。
…これでも、20年までの25%削減は出来ない。
…さらに…「粗鋼生産の半減措置で9700万トン、90年比7.7%のCO2が削減可能にはなります」「その場合、日本の産業基盤が成り立たなくなる可能性があります。…民間資本による経済の自立的活動が出来なくなるおそれがあります」
経団連が、民主党マニフェストを阻止しようというのは、このような背景があるからです。
一方で、民主党は「高速道路無料化」や「揮発油税などの暫定税率廃止」で、社民党から「温暖化防止に逆行している」と非難される政策を掲げています。その場合、マニフェストを実行するのは、さらに難しくなります。
1990年比、25%削減ということは、1972年サッポロオリンピック当時の日本の経済に戻るということです。
では、そこまでの犠牲を払って、日本が、25%削減したとしましょう。世界的にどのくらいのCO2を削減できるのでしょうか。答え「全く影響を及ぼさない」です。
日本のCO2排出量は世界の3%です。それを25%削減したところで、0.75%しか削減できません。日本は、すでに世界最高水準の省エネ国だからです。

同量のCO2を減らすには、中国が2008年比4.3%、アメリカが4.7%削減すれば、同じことです。
体を絞ったボクサー(日本)が減量するのと、08年、90年比2,7倍(100キロから270キロ)に体重が増えた人(中国)が減量するのでは、どちらが楽なのかは、一目瞭然です。
(一人暮らしの高齢者のゴミ減量と、大学寮のゴミ減量でも、同じです)
15%原料とか、25%減量とか、数値の大小をきそっても、マクロ的に見れば、何の意味もありません。数値のアドバルーン競争です。
25%減を実現するために、わが国の粗鋼生産を半減させ、中国に依存するとします。中国のCO2がさらに増えるだけです。
…経済界も「民主シフト」を急ぐ。2日朝8時。東京・大手町の日本経団連。「宣言は絶対困る」
臨時の正副会長会議は訪米する鳩山に温暖化ガスの「1990年比25%削減」を言わせないための働きかけが焦点だった。「国益優先の柔軟な政権運営を」と会長の御手洗富士夫。
12月にコペンハーゲンで開かれる国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)で「ポスト(京都議定書)」の温暖化ガス削減の道程が示される予定です。
民主党のマニフェストが「20年までに温暖化ガスを(90年比)25%削減し、2050年までの出来るだけ早い時期に削減目標値を60%超にする」と謳っているので、経団連はそれを回避しようと、動き出したということです。では、なぜ経団連は、「1990年比25%削減」を回避しようとしているのでしょうか。
参考・引用文献 櫻井よしこ『日本ルネッサンス・拡大版』週刊新潮09.9.10号
…日本エネルギー経済研究所…主任研究員、松尾雄司氏は…断定する。「到底不可能です」
…電力中央研究所社会経済研究所の杉山大志氏も懐疑的だ。「2050年までの60%削減は日本に工場がなくなることを前提にしなければ可能性はないでしょう」
…◎太陽光発電を新築住宅のみならず…既築住宅にも設置し、現状の55倍増とする。
◎原子力発電の稼働率を現状の60%から90%以上に上げる。
◎電気自動車など次世代車の販売を促進し…従来型自動車を事実上禁止する。
…これでも、20年までの25%削減は出来ない。
…さらに…「粗鋼生産の半減措置で9700万トン、90年比7.7%のCO2が削減可能にはなります」「その場合、日本の産業基盤が成り立たなくなる可能性があります。…民間資本による経済の自立的活動が出来なくなるおそれがあります」
経団連が、民主党マニフェストを阻止しようというのは、このような背景があるからです。
一方で、民主党は「高速道路無料化」や「揮発油税などの暫定税率廃止」で、社民党から「温暖化防止に逆行している」と非難される政策を掲げています。その場合、マニフェストを実行するのは、さらに難しくなります。
1990年比、25%削減ということは、1972年サッポロオリンピック当時の日本の経済に戻るということです。
では、そこまでの犠牲を払って、日本が、25%削減したとしましょう。世界的にどのくらいのCO2を削減できるのでしょうか。答え「全く影響を及ぼさない」です。
日本のCO2排出量は世界の3%です。それを25%削減したところで、0.75%しか削減できません。日本は、すでに世界最高水準の省エネ国だからです。

同量のCO2を減らすには、中国が2008年比4.3%、アメリカが4.7%削減すれば、同じことです。
体を絞ったボクサー(日本)が減量するのと、08年、90年比2,7倍(100キロから270キロ)に体重が増えた人(中国)が減量するのでは、どちらが楽なのかは、一目瞭然です。
(一人暮らしの高齢者のゴミ減量と、大学寮のゴミ減量でも、同じです)
15%原料とか、25%減量とか、数値の大小をきそっても、マクロ的に見れば、何の意味もありません。数値のアドバルーン競争です。
25%減を実現するために、わが国の粗鋼生産を半減させ、中国に依存するとします。中国のCO2がさらに増えるだけです。
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