復旧の遅れは人災

<復旧の遅れは人災>

日経H23.7.22
瓦礫処理

 復旧が滞っています。「現地の人手不足」だそうですが、実際は、「現地による締め出し」のようです。地元企業にしか仕事を発注しないという体制を、人為的にとったため、他県業者や全国規模のゼネコンが、被災地に入れません。
 

日経H23.7.22『技術あっても動けず』

 …竹中工務店は6日、東京本店で震災復興に向けた提言について話し合うシンポジウムを開いた。社内公募で集まった「高床式人工地盤免震の街づくり構想」などのアイデアは166件。…「豊富なアイデアがあるのに、営業展開に生かす方法が見えてこない」と苛立ちを隠さない。

 内閣府が6月にまとめた震災による建物の直接的な被害額の推計値は16兆9000億円。復興にはこれに見合う建設投資が必要だ。竹中工務店など大手ゼネコンの受注機会も増えそうだが、実態は異なる

 …「地元の建設会社にできる仕事は県外の企業に出さないで欲しい」(宮城県建設業協会)との声が強い。竹中工務店は営業部隊を通じて社内公募で集まったアイデアなどを自治体に織り込んでいるが、色よい返事はないという。

…政治の混迷もあり、「工事の具体的な発注時期は遅れている」…。
…被災した自治体の復興計画自体が後ずれしており、4~6月の宮城、岩手、福島の3県の公共工事請負金額は前年同期比5%減った
 

 信じられません。この大災害時に、前年同期比5%も仕事が減ったのです。


 下記のページをぜひ、ご覧下さい。



http://news.livedoor.com/article/detail/5682079/
「100日以上たった被災地の今」

…大船渡市や気仙沼市に至っては、まだまだ手つかずのような地区も中心部にある。被災直後ならともかく、被災からあと一週間で四カ月、100日以上が経過してなおこの状態というのは、「酷い」の一語に尽きる。率直に怒りを感じた。そのネックは、岩手県では瓦礫撤去を地元業者のみに発注すると決めたから、との由。全国の力を集中するようになっていないのだ。何故かって?岩手県は小沢一郎・民主党元代表のお膝元。達増拓也・岩手県知事もバリバリの小沢系。そこから先は書かない。




http://www.kentsu.co.jp/news/p01677.html
「進まないがれき処理でゆらぐ地元企業優先 東日本大震災」

 東日本大震災で発生した大量のがれきの処理が遅れている。そこで環境省は20日、被災した7県に対して、県外業者や県外の処理施設を活用してがれき処理を迅速化するよう要請した。被災地の自治体は、地域経済の再生と雇用維持の観点から地元企業への優先発注を行っている。

…仙台市では、がれき処理を仙台建設業協会に一括委託し、協会では甚大な被害を受けた海岸部を4つのエリアに分け、会員企業51社が約800人の作業員を動員した。石巻市でも宮城県建設業協会石巻支部の割り振りに基づいて地元業者に発注している。
 
 しかし、東松島市、南三陸町などの沿岸部では、会社自体が被災し、従業員や重機などが集まらず、内陸部の建設会社からの応援を受けて作業を行っている地元業者も多い。がれき処理が一向に進んでおらず、被災地の住民からも、「国の直轄事業としないと迅速には進まない」との国の積極的な関与を望む意見も多く聞かれる。

…石巻市役所も「地元発注は経済支援の意味もある。大手ゼネコンに頼めばがれき撤去の速度は上がるが、必ずしも地域のためにはならない。…」

 …「平時ならば市内業者に優先して発注するのも良いが、いまは非常時。被災した人たちが早期の復興を望んでいるのだから、機動力のある市外の業者にも委託するべき」と、被災した住民の視点に立って発注業務を進めてほしいと言う石巻市内の商工関係者もいる。



 政府(国)の対策の遅れが指摘されていますが、自治体(岩手県・宮城県・福島県)のやり方も、的をいていません。「政府はかしこい」のではないという、典型的な見本です。
 優先順位(プライオリティー)の付け方に問題があります

<金融緩和 その後>

 日経H23.7.30 
『日銀決定会合の議事録 (01年1~6月)』

 日銀が選択した量的緩和政策は、リーマン・ショック後の米連邦準備理事会(FRB)の金融緩和第2弾(QE2)など、各国中央銀行の政策運営にも影響を与えた。ただ、その効果について見方はわかれる。

…日銀の白川方明総裁は…著書「現在の金融政策」で「景気物価に対する刺激という点で量の拡大はほとんど効果を発揮しなかった」と結論付けた。

…これに対し、日本経済研究センターの岩田一政理事長(元日銀副総裁)は「量的緩和政策は03~04年の財務省の大規模な介入(35兆円)との組み合わせで、06年に物価上昇率がプラスに転じる要因になったと分析。「為替レートだけでなく、株価や地価など資産価格にも影響をおよぼした。影響の拡大に効果がなかったというのは無理がある」と指摘する。


当座預金.jpg
 

現実(事実)は、どうなのでしょうか?

 日経H23.7.30 
『消費者物価 0.4%上昇』

 総務省が29日発表した6月の消費者物価指数(CPI 2005年=100)は変動の大きい生鮮食料品を除くベースで99.7となり、前年同月比で0.4%上昇した。3ヶ月連続で前年を上回った…。


http://abc60w.blog16.fc2.com/blog-entry-572.html
ブログ記事<金融緩和の効果?> 
2011-07-24 日銀 金融政策 参照



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No title

この日経の記事は取材しないで書かれていますね。

岩手ではがれき処理は半分終わりました。6月頃から作業が加速しました。
中心部の瓦礫はほぼ寄せられ、今は寄せた瓦礫の山をどこに埋めるかという段階です。

岩手と比べて、宮城県はがれき処理が遅れています。
これは知事が地元業者をわざわざ閉めだして他県業者・大手ゼネコンに注文を集中させようとして、被災者から突き上げを食ったのが主な理由です。
ちょうど、この記事とは順番が逆になります。

なお、岩手県の建設業者は自民党支持です。
小沢系は花巻の伊藤組だけ。
小沢一郎は日教組が支える左派系政治家です。

東京から報じられる岩手県連のニュースは、ほぼ正反対だと思えば間違いありmさえん。

No title

 なるほど、自分の目と耳で確かめないと、確かな取材はできないということですね。

 

No title

この日経ですが、記事の中身も酷いですね。
大手企業を使えば作業は早いというところは、明らかに読者をミスリードしています。
この部分は、市役所の担当が勘違いしてしゃべってしまったか、あるいは日経による捏造だと思います。

公共事業の工事と言うのは、受注した大手企業が地元大手とJVを組み、地元中小を労働力として使うスタイルになっています。
大手企業はもともと労働力をほとんど提供していないのです。
実際に作業しているのはJV相手の地元ゼネコンか下請けです。
それなのに利益の取り分は大手が最も多い。
公共事業というのは大手企業にとっては美味しい商売なわけですね。
この辺に日経がこんな記事をつくった動機がありそうです。

そもそも、大手か地元かと言うのは作業の早さとは関係ありません。
重機が不足しているとしても、もともと建設業者は重機の多くをリースで確保します。今更問題になりません。
人手が足りないと言っても、一部の中心的な技術者を別にして作業員は素人で構わないのです。被災して失業した方々から雇用すれば良いだけです。しかも、被災者のかなりの方が建設業従事者あるいは経験者です。

どうしても大手を使いたいなら、地元業者とJVを組めば参入できるわけだし、重機や人手が足りないなら下請けとして仕事を受注すれば良いだけです。

そんなわけで、日経の指摘はまるで的はずれなものです。
この記事は、大手企業を地元企業と対等な条件で参入させて復興事業の利権を独占させようという意図で書かれたものではないでしょうか?
入札参入条件が対等なら大手企業が有利になります。公正であることは大資本への保護なのです。

No title

>実際に作業しているのはJV相手の地元ゼネコンか下請けです。
それなのに利益の取り分は大手が最も多い。

 これは、自分の友人からも散々聞いています。

 昔、大手ゼネコンが下請けに丸投げし、その業者がさらに丸投げし、いわゆる「中抜き」が問題化しましたが、彼曰く「当然」との話でした。

 北海道もおっしゃるように、公共事業の6~8割は大手ゼネコンが利益を持っていきます。

 地元にはカネが落ちない構図です。

 これは小売でも同じです。ヨーカドーやイオン、セブンイレブンやローソン、結局北海道に利益は落ちなく(もちろん落ちることは落ちるのですが)、東京本社の法人税に寄与しているだけです。

 しかし、その大手資本が北海道に資本投下してくれないと、S-マイナスIの北海道では、資本さえままならず・・・・

 本当に、仕事が無いです。高校生の求人倍率は0.4を切っています。地元に残りたくても残れません。

 景気が良くなれば、求人倍率は必ず良くなります。

 デフレ脱却、経済成長率UPは、田舎ほど切実な願いだと思います。

No title

スコットランドのように、地方政府が勝手に(限定的だが)通貨発行することで、わずかでも景気調整につながらないでしょうか?

何故、イギリスでは地方が通貨を発行できるのか?
それで混乱が起きないのか?

日本より失業率の高い他の国々では、若者はどのように生活しているのでしょう?
こんなに夢も希望もない状態では、勉強の意欲がわくわけがないし、将来設計も成り立たない。

賢い人ならふてくされるだろうし、愚か者なら日々の享楽に埋もれていく、それ以外の人生がない。

親や教師、生徒がそれぞれ頑張ってどうにかなるレベルではないと感じるようになって、ずいぶんになります。

No title

イギリスは、ご存知のように、4つの国が集まって「グレートブリテン&北アイルランド連合国」を形成しています。

 スコットランド・ウエールズ・イングランド・北アイルランドは、われわれの感覚で言う「県」や「州」ではなく、「国」になります。これは、実際にイギリスのAETの方に教わりました。

 スコットランド・ポンドは、スコットランド中銀が発行しています。

 現在の資本主義は、「金融経済」が、「実物経済GDP」を大幅に上回っていることが、その特徴です。しかも前者は、後者の伸びを上回って成長しています。2010年GDP 63(54)兆ドル、金融資産残高 212(195)兆ドル、(カッコ内は、2007年)リーマンショック後も、伸張してきました。(前者は例の信用創造でふくらみます)

 そして、後者は「犬の尻尾」にしか過ぎなくなってしまいました。前者に後者が振り回されるのが、現在の経済の実体です。

 昔の資本主義ではないですね。資本の自由化以降、資本が世界を走り回っています。
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