日経が、この面では変わった

<日経が、この面では変わった>

 貿易記事です。とうとう、「赤字転落(赤字は損だから)」とか「黒字回復(黒字は儲け)」
という表現は、なくなりました。ただし、この「面」ではです。

 ほかの外国に関する記事や、署名入り記事や、解説記事になると、とたんに「変な人(理解していない人)」が書くので、相変わらず「貿易黒字はもうけ」と出てきますが・・・

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 とりあえず、何度も何度もメールで問い合わせた成果でしょうか?署名記事の記者宛にしてメールを送ると、読売の場合でも、日経の場合でも、一両日中に、とたんに当ブログに対するアクセスが増えます。おそらく見てくださっていると思われます。

 今後は、「貿易黒字」「貿易赤字」ではなく、「輸出超過」:「輸入超過」と書いてもらえるようになるまで(一生無理かもしれませんが)、当ブログで訴え続けます。

<やっぱり変わってない>

 この、大機小機は、日経記者以外の人が、匿名で書いているコラムなので、以前の「剣が峰」さんのような、「トンデモ論者」がまぎれていることがあります。

 今回の「山河」さんも、その1人です。


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<線部分>


 見ておわかりの通り、「経常黒字国が経済が強い」「経常赤字国はまずい」という視点で書かれていますよね。

 あの、世界200カ国の経済は閉じている(要するに世界総生産=世界総消費)ですから、経常黒字国が100カ国あれば、必ず赤字国も100カ国あり(単純計算ですよ、偏在はあります)、そうすると、世界の半分は好況だが、世界の半分は不況という、トンデモ論になってしまいます。

 しかも、国と国が競争していると書いています。

 競争は勝ち負けが生じます。上記の例で行けば、100カ国が勝ち、100カ国が負けですか?

勝ちってなんですか?経常黒字をだすことですか?負けって何ですか?経常赤字ですか?
日本は2007年→2009年、名目GDPが、戦後最大の落ち込み、大不況を迎えました。ですが、07年08年09年と順調に(?)経常黒字です。これで「勝った」のですか?どこに?どのように?

 グラフ出典は『世界経済ネタ帳』
[世] 日本の名目GDPの推移(2001~2011年)

[世] 日本の国際収支の推移(2001~2011年)

 バカらしくてお話になりません。

 企業と違って、国と国は、競争しているわけではないのです。

ポール・クルーグマン(プリンストン大学教授)『良い経済学悪い経済学』日本経済新聞出版社2008  P172

 実業界でとくに一般的で根強い誤解に,同じ業界の企業が競争しているのと同様に,国が互いに競争しているという見方がある。1817年にすでに,リカードがこの誤解を解いている。経済学入門では,貿易とは競争ではなく,相互に利益をもたらす交換であることを学生に納得させるべきである。もっと基本的な点として,輸出ではなく,輸入が貿易の目的であることを教えるべきである。


 PIIGS諸国は「国際競争力を失い、経常赤字」になったそうです。

 [世] 国際収支の推移(2001~2011年)の比較(イタリア、ギリシャ、スペイン、ポルトガル、ドイツ、オランダ)


確かに、ドイツ・オランダ以外は、経常収支赤字です。ひどい経済状態なんでしょうね。

[世] 名目GDP(USドル)の推移(2001~2011年)の比較(イタリア、ギリシャ、スペイン、ポルトガル、ドイツ、オランダ)

 あれれ?黒字のオランダより、赤字のイタリア・スペインの方が、経済成長していますね。
今、国債でとんでもないことになっているギリシャも、ポルトガルも10年単位でみたら、かろうじてプラス成長しているではないですか!日本はマイナス成長なのに!!!!!

 なるほど、GDP=GDI(国内総所得)=GDEがマイナスになっても、経常黒字は「勝ち」で、GDPがプラスでも、経常赤字は「負け」なんですね、山河さん。給料へっても「勝ち」なんだ・・・。
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勉強になりました

経常収支が勝ち負けでないことが、”これでもか”というほど何度も説明いただき理解できました。これからの”トンデモ”記事を見つけ次第、お伝えさせていただきます。ありがとうございました。
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