新聞を解説(1)

参考文献 日経2009年3月23日 土谷 英夫 『2つのロンドン会議』

さすが、日経の本社コラムニスト、経済学的に完璧です。

「変動相場制下の財政支出拡大は、金利と為替相場を押し上げ、輸出を減らし、効果が薄いとされる。だがこれは、一国が単独で行う場合で、ケインズが勧めたように各国が同時にやれば、効果の漏れだしは相殺される」
変動相場制下では、財政出動(政府の赤字国債を伴ったとしても)は、民間資金を吸い上げ、金利が上がり、結果民間投資の減少(クライディング・アウト)を招くのです。結果、せっかくの財政出動の効果がなくなるというものです。

企業や、政府や、家計(消費者)が借りるおカネの原資は、われわれ民間の貯蓄です。我々が、消費(税含む)せず、貯蓄するおカネが、借金の原資です。

日本の場合、gdp500兆円のうち、144兆円がその貯蓄(原資)です('05年)。144兆円を、企業(個人含む)や、政府(財政赤字)、外国が借ります。

その144兆円を政府がたくさん借りれば(赤字国債多量発行)、民間が借りるお金が少なくなります。少ないカネの奪い合いですから、金利_(借りる時の利息)が高くなります。金利が高くなると、民間企業の投資が減少します。民間が借りるはずのおカネを、政府が借りてしまう結果、民間の投資が減る(クラウディング・アウト)ので、景気は回復しません(gdp増にならない)。

さらに、その国の金利が高くなると、(変動相場制ですので)金利の低い国からの円買いが発生し、円高になります。その結果、輸出も減速します。

ただし、1国だけがやるとこうなりますが、世界各国が財政出動をすると、各国の金利が上昇し、円買いとか、ドル買いなど、ある国1国の金利高を目指した資本取引はなくなります。皆、相応に金利が上昇するからです。相殺されるというのは、こういうことです。

土谷 英夫さんの記事は、このようなことを述べています。

追記 クラウディングアウトは、経済学の教科書では必ず触れられているのですが、実際に起こるか、起こったかとは、別問題です。


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