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小さな政府は長期:大きな政府は短期 両方が必要

<経済学なんて方便(手段)に過ぎない>

 申し訳ありません。感情の吐露を押さえきれないので、大変失礼な文章になることをどうぞお許し下さい。個人的意見は差し控え、客観的事実についてのみ、このブログの記事で扱ってきましたが、今回は、私の全身全霊の心情の吐露です。(文はめちゃくちゃです)
「小さな政府=市場原理に任せたほうが効率が良い」など、まやかしだということです。

 らくいち「古典的自由主義者のつぶやき」
http://ameblo.jp/rakuichiza/entry-10784275654.html
 

 この方は、アメリカ在住で、高みから「小さな政府」を訴えています。私は、「おかしい」とコメントしてきましたが、全て削除されてしまいました。

 この方たちは、
http://blog.livedoor.jp/clj2010/「ちいさな政府を語ろう」 というブログでも情報を発信しています。

 私が、「おかしい」と思い、コメントした(削除済み)記事の一つです。(他にも、2011-02-02 12:03:22 『ケインズは人間を馬鹿にしている』などの記事があります)

2011-01-30 10:05:00 地方政府は小さければ小さいほど良い
テーマ:地方分権・道州制


 これまで、地方政府の統合は政府機能の肥大を生むこと、また、税率を下げ住民が満足する形で政府サービスを提供するためには地方政府が小さいことが必要であることを説明しました。
…実は、「収税と政治決定の単位」としての地方政府が小さいままの方が、規模の経済を活用して政府費用を安く抑えることが出来るのです。

 地理的にも人口の上でも小さな村の消防を例にこの問題を考えてみます。この村では一軒一軒の家屋が離れて建っているとすれば、家屋密集地帯のタダ乗りの問題は起りません。この場合、村人たちは村民集会を開いて消防を政府の業務から除き、消防会社と契約したり火災保険を購入するのを個々の家主の判断に任せるよう決定することも出来ます。要するに、「収税と政治決定の単位」が小さければ、住民の判断で特定の政府の業務を不必要だと判断して廃止し、その分税を下げることが出来るのです。この村が合併によって都市部を含む大きな市の一部になっていたならば、この選択は不可能です。

 もし村民集会が村人から徴収した税によって住民に消防サービスを提供することを決めても、サービスの提供方法にはまだ色々な選択肢があります。まず、村が自ら消防士を雇って消防車を購入するのが一つの方法です。また、民間の消防会社の中から費用とサービス内容で最適の会社を選んで5年間の契約を結ぶという手もあります。5年の間にこの会社に不満が出てきたり、他にもっと安くて良い会社が現われれば、5年の契約が切れるときに他の会社に変えればよいのです。

 消防会社の中には、全国に商売を展開する大企業もあれば一地方に特化した小さな会社もあるでしょう。高層ビル専門の消防会社や住宅地専門の消防会社もあるでしょう。それぞれの専門に応じて最も効率の良い規模を民間会社は自ら選んでいるはずです。費用とサービス内容から会社を選ぶことで、この村は「収税と政治決定の単位」を小さく保ったまま規模の経済の利得を得ることができるのです。

 また、村が契約を結ぶ相手は民間会社に限りません。この村が大きな二つの市に挟まれていたとしましょう。また、その両方の大きな市が自前の消防組織を維持しているとします。既に多数の消防車と消防士を擁するこれらの市にとっては、人口も面積も小さいこの村を自分の消防署の管轄下に入れてもたいして費用が上がる訳ではありません。もしも、この村が自前で消防署を維持したなら住民一人当たり年間2万円必要だとします。この場合、この村にとっては住民一人当たり年間2万円よりも安い費用で両隣の市が消防サービスを提供すると言うのであれば、民間会社とともに両隣の市も契約対象の選択肢に入れればよいだけです。この村からの消防契約という収入を巡って、両隣の市の間で値下げ競争があるかもしれません。

 隣の市の大規模な消防組織が安くつくのであれば、この村は参加を決めればよいし、逆に消防ヘリコプターを購入したり高価な通信網を導入したために隣の市の消防サービスが高価になりすぎれば、この村は「一抜け」すればよいのです。村が小さくても規模の経済の恩恵を受けられるし、「収税と政治決定の単位」としての地方政府が小さいからこそ、この村は必要な時には一抜けが出来ます
 

 このブログで唱える、「政府は小さければ、小さい方が良い」とか、「消防を民間企業に任せたらどうなるか」などの議論は、今回H23.3.11に発生した「東北大震災」の前では、「空理空論」です

 「消防を民間企業に任せたらどうなるか」などは、「消防、市施設、警察」自体が壊滅した「岩手県陸前高田市」「福島県相馬市」「宮城県南三陸町」の前では、何の説得力もありません。「契約した家」を守る「市場原理」による民間消防など、町全体が崩壊した今回の震災という現実を前にしては、まさに空理空論です。

【地震】 宮城・南三陸町、9000人が行方不明
http://chitekizaisan.blog28.fc2.com/blog-entry-2506.html

東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県南三陸町の町役場によると、12日午後3時現在で住民約1万8千人のうち9千人の所在がわからないという。

町職員によると、これまで住民の避難が確認された施設は、高台にある町立志津川小学校(同町志津川、約3千人)や、町の災害対策本部が設置されたスポーツ施設「町スポーツ交流村」(同、約2千人)など。

町役場や警察署、消防署が津波で大きな被害を受けており、職員らは無線で連絡を取り合って被害の実態把握を急いでいる。自衛隊員が現地入りし復旧作業を始めているというが、町職員は「食料が全然足りない。現状を全国に伝えてほしい」と話している。

同町は地震後に火災が多数発生した宮城県気仙沼市の南側にあり、太平洋に面している。
 

 個人的事例になりますが、私のいとこは、北海道○○市の市消防職員です。震度4以上の時には、休み中であろうがなかろうが、全員出勤になります。○○市でも、一人が今回の震災で負傷しましたが、いとこが非常出勤したその時に、いとこの目の前で、救急車が現場に向かったそうです。

 また、今回の震災で救出活動に当たっているのは、「東京消防庁」を始め、全国の「消防・自治体・警察・自衛隊」ヘリコプターです。各地の政府(ガバメント)が、自主的に動いているのです。「小さな政府(自治体)」では、ヘリさえ用意することは不可能です。菅首相が自衛隊派遣を「10万人」に増員しました。もちろん、全国各地からの自衛隊です。

 「長野県が同県栄村に1400人分の食料毛布を援助」 

<市場(民間)は大きければ大きいほど良いのか?>

 例えば、福島第1原発の建物崩落についても、民間である「東京電力」の発表と、「総務省」および「保安院」の発表では、同じ「1015マイクロシーベル」の漏れた放射能の発生時間でも、15時台(前者)と16時台(後者)とずれがあります。
 東京電力という民間会社に「原発」を依存するのは構いませんが、その民間会社に情報を依存するという「小さな政府」路線では、住民の健康を守ることすら出来ません(もちろん、1015ミリシーベルでは、実被害はないことは分かっています)。
 ですが、必要なのは、「正確な情報」であり、それを国家(政府)が主体的に集められないということが、大問題だと言いたいのです。周辺住民は、「東電」という、民間企業に情報を依存するわけにはいきません。そんなもの、ぜんぜん住民に伝わりません。政府の「10キロ以内住民避難命令、20キロ以内住民避難命令」で、初めて動けるのです。
 総務省も、保安院も、東電という民間企業に情報を依存する現状です。これが「住民の安全」につながるとは、とても思えません。

 私は、今回の震災で「実感」しました。これは理性に依存した「あたまでっかちの議論」ではなく、理性・感性・意思、すなわち、「真・善・美」の、私の精神の総動員による結論です。

 「政府(国・自治体)の必要性は100年に1度の緊急時に備える」ためにあるのだと。われわれは、そのために、「税金」を「公的保険」として使っているのだと。

 私のいとこは、消防員なので、命を賭して、「現場」に向かいます。それが、「消防員・警察・自衛隊」の本質だとわかりました。たとえ、被災地で2次被害の犠牲になったとしても、それが「消防員」としての、職務全うであり、家族や親戚にとっては、「悲しい出来ごと」ですが、「べき論:価値論」の上では、消防員としての使命を全うした、「誇るべき職務」だと考えざるを得ません。そうでなければ、彼の「死」を受け入れることすら出来ません。

「宮城県、福島県の警察官2人が殉職  警察庁発表:警察官2人殉職55人行方不明」 

 ケインズが、「1929年」以降の失業者・死者を目の当たりにして、「長期には皆死んでいる」と、独自の経済学を訴えたのは、単なるあたまでっかちの「理性」ではなく、理性・感性・意思、すなわち、「真・善・美」の精神の総動員による必死の訴えだと、忖度しています。それが今回の「大震災」を経験した「実感」です。

小さな政府」論など、平時の、しかも、「未来永劫平和が続く」であろう条件のもとでの、「空理空論=竹林の七賢の論議」だと分かりました。分かったというのは、単に理解したということではなく、全身全霊で「理解した」ということです。これが間違っていようが、あっていようが、どうでもいいです。私の「主観的実感」です。

 おそらく、「ケインズ」だって、同じでしょう。彼の師である経済学者マーシャルの言葉、経済学者に必要な条件:「暖かいハート、クールな頭脳」を、彼の言葉でつづったのだと思います(個人的主観です)。「目の前の人」を救うのが経済学の役割だと(私の主観です)。

 滝川好夫『ケインズ経済学』ナツメ社 2010 p48
 私は『一般理論』を通じて、ケインズの人間に対する鋭い洞察力に感銘を受けました。経済は「生きた人間」によって営まれています。したがって、この人間に対する深い理解なくして、正しい経済政策はありえないと思います。


 阪神大震災の際には、5兆円の補正予算が組まれました。今回も、5兆でも10兆でも、20兆でも、国債を発行し、復興を最大限迅速に進めるべきです。「大きな政府」でしかできないことを、思う存分やって下さい。

 政府は、何のためにあるか。現行日本国憲法は、戦後、GHQによって素案が作られました。その根本哲学である「アメリカ独立宣言」。これは、社会契約論のロックの思想に基づいていることはみなさんご存知だと思います。そのロック思想の根本、「政府は何のために存在するか」です。

「…生命、自由および幸福の追求の含まれることを信ずる。また、これらの権利を確保するために人類の間に政府が組織されたこと・・・」 

 政府は、「非常時」にこそ、最大限の力を発揮して欲しい。国会の怠惰も、議員の不祥事も、地方議会の体たらくも、全ては「非常時」のためのコスト(ものすごく高くつくコストですが)だと割り切れば、かろうじて自分を納得させられそうです。
 
 議員は、政府は、何のために自分たちがいるかを、もう一度考えて欲しい。そして、その為に、いかに効率よく資源・資本・時間を使ったらよいか(経済学の追求していること)を考えて欲しい。経済学は、「幸福の追求」のための手段の手段です。「経済学」そのものが目的ではありません。その本質を見誤らず、政府は自覚して欲しい。パフォーマンスも、与野党駆け引きも、何もかもいらない!とにかく、地震対策に日本のすべての「資源・資本・時間」を投入して欲しい!
 
 私の結論 政府は「非常時」「危機管理」のために存在する。非常時は「100年に1度」かも知れない。だが、その為に税金を払うのは、一種の保険であり、私は納税をいとわない。

 私を突き動かしたのは、「感情」です。被災者への「感情」です。それを私は正直に認めます。「理論」なんかじゃありません!涙が止まりませんでした。

<頑張れ、頑張ろうニッポン!>

日経H23.1.31『日本経済、世界は無関心』
 …ダボス会議が30日閉幕した。…何よりも気になったのは、日本経済への関心の低さだ。…「昔は日本討論会はもっと大きな会場が満員だったのに・・・・」と嘆いた。
 

 日本の実力です。

『ウイキペディア』
2009年のIMFのレポートによると、日本は世界のGDPの約8.7%を占める。
 
gdp 割合.jpg

 世界人口比(1億2700万人/69億人)1.8%の国が、8.7%のGDPをたたき出しているのです。

http://twitpic.com/1pz588『世界地図をGDP比率で書き直したもの』
GDP 地図.jpg

 世界から見たら、圧倒的な経済大国なのです。

日経H23.1.31ピムコ・ジャパン社長 高野真『今こそ日本の良さに目を』

 日本はどうしてしまったのだろうか。内政、外交、財政、経済どれも行き詰まり、高齢者は残り少ない人生に希望を持てず、働き盛りの中年層は老後を案じ、青年は労働意欲を、学生は就職機会を失い、そして子供たちはもはや夢さえ持てなくなっているように感じる。
 確かに中国の台頭は目覚ましいが、なお日本は中国と並んで米国に次ぐ経済大国である。官民を合わせた研究開発費では世界第1位を維持し、特許取得件数では断トツの首位という技術大国でもある。一方で財政問題が取りざたされているが、日本は19年連続で世界一の270兆円弱という膨大な対外純資産を持つ債権大国でさえある。
 さらに言えば、日本の領土は確かに小さく世界第61位にすぎないが、地下資源を豊富に持つ排他的経済水域ではカナダに次いで世界第6位と海洋立国の側面も持つ。
 このほか、世界一の識字率や治安など挙げればきりがない。こういった素晴らしい側面を中国の10分の1、米国の4割程度しか人口を持たないわが国が保持していることにもっと目を向けるべき
である。
 昨年の英国放送協会(BBC)と読売新聞社の共同調査で、日本は「世界に良い影響を与えている国」の世界第2位という。こういう日本に、また日本人であることに誇りを持つべきではないか。日本は決して沈没船ではない。今こそ日本の良さを伸ばす取り組みが必要である。



 http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0128&f=national_0128_152.shtml
国際アンケ「日本のイメージは世界最高」…中国で「なぜだ!?」
Y! 【社会ニュース】 2011/01/28(金) 17:48

…タイム誌は56カ国に住む12万人を対象にアンケートを実施し、世界の主要20カ国の国際イメージをランク付けした。トップは日本で77点を獲得。以下、ドイツ(72点)、シンガポール(71点)、米国(64点)の順で、中国は62点を獲得して第5位だった。日本は2007年から4年連続で第1位だった。
 …現在の日本がイメージを高めている理由のひとつとして、中国および東南アジア諸国連合(ASEAN)の大部分の国などに多額の援助を続けており、そのほとんどが無償援助であることを挙げた。
  日本が世界から評価されるもう1つの理由として、日本の経済力や科学研究への積極的な姿勢を挙げた。その土台にある教育レベルについて「初等教育の入学率は100%、中等教育の入学率は99.5%と世界トップ。1911年の時点で、6年間義務教育の就学率は98%を達成。基礎教育の着実な浸透が民度の高い日本国民を作りだし、経済発展へとつながったのだろう」と分析した。(編集担当:畠山栄)

http://news.livedoor.com/topics/detail/5396912/
ドイツ1位、日本4位、中国8位 世界に良い影響を与えた国アンケ
2011年03月08日12時49分

 英国BBCが世界16カ国で実施した「世界に良い影響を与えている国」調査によると、ドイツが前回調査に続いて、「世界でもっとも良い影響を与えた国」となった。2位は英国で、日本は4位、アメリカは7位、中国は8位だった。
 2010年12月から2011年2月にかけて、英国BBCが、国際的に注目を浴びている16の国について調査を行った。アンケートは調査対象の16か国のほか、オーストラリア、エジプト、チリ、メキシコなどの11カ国も含めた27カ国で実施、計2万9000人に対し、それぞれの国について「評価する」「評価しない」のいずれかで回答してもらった。
 調査では、ドイツが62%の評価を獲得し、世界で「もっとも良い影響を与えた国」となった。記事は、「裕福な国家という国際的な名声によるものであり、ドイツでは称賛に値する生活様式だけでなく、高品質の製品もあり、その国際的なイメージを作り上げる面で成功した」と分析した。(編集担当:畠山栄)
 

 災害復興に全力を!日本の持てる力全てを使って復興を!
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No title

いつも、勉強させていただいております。
菅原様のご意見ごもっともと存じますが、現実の政府が、適切に機能しないという悩みがあります。
最近の計画停電の混乱も1例でしょう。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20110314-OYT1T00981.htm?from=main2
政治経済学や行政学の分野になるのかもしれませんが、信頼され、機能する政府をどう構築・維持すればよいかの議論が深まらないと、菅原様の議論もなかなか現実問題として受け入れられないと感じます。

No title

 「信頼」は、人間の営みの、全ての基礎になければならないものです。教育学者のボルノウは、「愛(受け入れ)信頼・忍耐」を教育における必須条項としました。

 「信頼」は経済活動においてもベースです。「信頼=だまさない」というのが、取引の大前提です。これが大きければ大きいほど、取引は円滑に、そして最大限効率的に進みます。(相手が、信頼できない社会を想像して下さい)

 「信頼」は政府(国・自治体)、すなわち政治においても、絶対条件です。この信頼度が高い政府(信頼度が低い国を想像してみて下さい・・・警察官が平気で賄賂を要求する国とか・・・)を持つ国としては、日本は相対的に順位が高いことは、事実です。

 日本政府を絶対的に見るとほころびはありますが、相対的に比較してみると、どうでしょう?

 危機的状況(1分1秒を争う・・・)においては、「信頼され、機能する政府をどう構築・維持すればよいかの議論が深まらないと」と、議論しているヒマはありません。政府を「信じるか信じないか」ではなく、信頼せざるを得ません。

 「どう構築するか」は、平常時の論理です。「危機時」と「平常時」は論理がまったく変わります。その必要とされる論理は、二項対立ではなく、どちらも必要です。

 「小さな政府」と「大きな政府」も同じです。「平常時(価格が変化)」と「非常時(量が変化)」は、現実的にどちらも存在します。ですから、一方を完全に否定する、あるいは一方だけを追求するのは、「現実」を見ない暴論になります。

 計画停電の混乱については、「政治主導」をはき間違えている「政府」に問題があります。総理・政府(蓮舫など)の会見優先で、東電(現場)が振り回されています。

読売H23.3.15『政治ショー』
 計画停電の実施は当初、13日午後6時半からの東電…社長が発表する予定だったが延期された。「まず首相が国民に直接呼びかけたい」との首相周辺の以降が伝えられたからだ。
…13日夜、首相…枝野…海江田…蓮舫が次々と登壇し、国民に節電を訴えた。しかし、記者団から停電開始の時間を問われると、蓮舫氏は、陪席していた東京電力幹部向かって「答えられます?」と回答をうながした。…政治ショーが終わるのを待って東電が行った発表は結局、午後8時20分開始となり、スーパーや鉄道会社など多くの関係者は対応に時間が取れなかった。

 同『どなる首相』
…放射能漏れの可能性があり、国民への一刻も早い集とイが求められたのにも関わらず、菅首相は東京電力の技術者を官邸に呼びつけると、どなりちらしたという。「これから記者会見なのに、これじゃあ説明できないじゃないか!」

 上記をみると、情報がないのに、ショーを優先する政府と、情報がないから発表できないとどなる政府が両立しています。

 「情報」を優先すべき場合、適切なのは、どちらか。「技術・テクニカルな問題」は東電で、「対応(命令)」は政府で対処する。そういう役割分担が必要です(会社においても同じ・・・情報は現場→その情報を的確に上司に伝え、決断はトップ、この基礎基本がなされていないのが、今回のケースです)。

 このように、政府も東電も適切に機能していませんが、「非常時」ですので、この2つの主体に頼るしか、つまり、「信頼せざるを得ない」状況です。代替手段がありません。

No title

おはようございます。
私は気仙の出身なもので、親族が被災してしまいました。実家は部落ごと流されました。
それにしても、この大惨事で政府(市町村を含む)の役割を小さくしたいと思う人は、大量殺人鬼と同じだと言って良いと思います。
自身も被災し、同僚のかなりが行方不明となった現状で役場はよく頑張っています。彼らの調整なしに避難所の維持も援助物資の配分もできません。
消防や警察、自衛隊の活躍は言うにおよばず、学校職員も安否確認や避難所経営に不眠不休の状態です。
もし、政府が機能しなければ震災後の二次被害はまったく違った大きさになっていたでしょう。
もちろん民間…というか被災者も無力ではありません。余力のある人は勝手に復興をはじめています。たくましい。
しかし、民間任せでは町全体を見渡せません。役場の調整が必要です。
それに、この後、復興のための資金の捻出や産業界への働きかけが必要になります。このレベルのことを民間は出来ないし、する意志も持ちません。あったとしても同じ民間同士では何の強制力もなく、協力しない。

もちろん、政府が何かをして間違うこともあります。
1、高速道路の緊急規制は、運送業者を排除したため被災の程度の軽い場所の場合、かえって被害を大きくしている。また民間の復興を妨げている
2、計画停電は、復興にむけての企業の意志と力を削ぎます。今必要なのは物資の増産なのに・・・もっとも計画通りに停電しているわけではなさそうですが。

しかし、私は政府が手をつけなかった害の方が大きいと思います。
1、石油ガスの復旧を民間任せにしているため、道路規制とあわせてエネルギー供給の不具合を悪化させた。
2、今回は寄付活動の多くは無駄だとアナウンスしていない。規模が大きすぎて億単位の金では何もならない。そんな金があったら被災していない地域の資源関連輸入業者、製造業者、運送業者、建設業者に出資してほしい。
3、被災情報は流すのに、健在情報を流していない。西日本の産業はほとんど無傷だし、被災地ですら沿岸部以外は無傷。食料も水も豊富にある。デフレだったから企業の生産力には余力がある。資金も余っている。これらの循環を促し、政府がグランドデザインを示せば、秩序ある復興が勝手にすすんでいく。
それなのに政府は「日本がどれだけ大丈夫か」と言う話をしていない。

もはや、小さな政府論者に耳を貸すときは完全に終わったと思う。
今はとにかく増産、増産、増産。需要は山ほどある。しかも、激甚災害では政府が復興資金の9割を出すことになっている。これで雇用が生まれなかったら、われわれ日本国民はよほどのおろか者だ。
国債でも政府通貨でも何でも構わない。政府が先頭をきって強気の経済拡大策をうってほしい。

No title

ところで、リンク先のブログを見ましたが、あれ、何なんですかね?
全然、古典的自由主義じゃないじゃないですか。
看板に偽りありですが、あの人たち、確信犯なんですかね?
アダム・スミスやミルが生きていたら、絶対に怒るに違いない。

No title

 コメントありがとうございました。

 奇跡的に助かった、南三陸町 佐藤仁町長は、家族の安否より、町政を優先しています。頭が下がります。

 政府も失敗します。民間も失敗します。未曾有の大惨事で、混乱の極みです。

 その中で、市町村、警察、消防、自衛隊などの職員が、最大限頑張っています。

 遠くから、気持ちで応援するしか出来ませんが、日本の底力に期待します。

 北海道も、奥尻島津波、有珠山噴火、十勝沖地震と、数年ごとに自然災害に遭遇しています。助けてもらい、そして、今回は也透ける側に回っています。人事ではなく、自分のこととして、皆捉えています。北海道のラジオ放送も、毎日特番で震災関連の番組になっています。

 誰かのブログに「大和」の国という話がありました。「大いなる和」そして、「和(和らぎ)を持って尊しとなす」という、脈々と受け継がれている日本人のDNA。

 「大いなる和」助け合い、互助の精神が息づく日本国。いかに、「無縁社会」なるものが叫ばれても、緊急時には、日本人の本質が如実に現れています。知らない人にも声を掛け合い、助け合う。そんな日本があります。

 被災地のみなさん。必ず明日はやってきます。たまたま助かった命。生かされている現実という苦悩。色々な思いが交錯していることと存じます。

 お釈迦様の「生老病死は苦」。「苦」は「苦しい」ではなく、サンスクリット語の原文では「思うようにいかないこと」の意味です。

 頑張りましょう。

 

No title

大いなる和ですか、良いですね。
もっとも東北は蝦夷の国で、大和じゃないですが。笑

こちらは食料も水も十分あります。
工場がとまっているので電力も余裕です。岩手はもともと火力発電所がなく、水力だけでほとんど全部の家庭電力を供給できます。
ないのはガソリンです。そのために物流が停滞して小売店舗でのモノ不足になっています。(非常に困っています。)
しかしガソリンもないのではなく、元売りの油槽所が機能停止したため供給がストップしているだけです。元売り本社への電話で、仙台製油所の爆発は誤報であることも確認しました。数日のうち、もしかすると今日にも供給は再開されるでしょう。
復興に必要な資源はそろっていまし、不足していても生産すればいいだけです。
大口の復興特需を政府が発注すれば、復興活動も生産も消費もあらゆるものが猛烈な勢いで加速していくのではないでしょうか?
条件はそろっているように思われます。

被災して、実家の全財産を失い、親族が行方不明で、ガソリン不足で明日の食べ物も無い状態なのに、不安でいっぱいのはずなのに、何故か妙な開放感、高揚感が沸いてきています。
周りと話をしていても、そういう人が少なくありません。
仕事をしたい・・・そういう思いで体がうずうずしています。
おそらく日本中でそう感じている人が多いのではないでしょうか?
政府はそういう人々の意欲を生かして、方向性を示し、攻めの気持ちで復興を指導してほしい。

No title

コメントありがとうございます。

>何故か妙な開放感、高揚感が沸いてきています。
周りと話をしていても、そういう人が少なくありません。
仕事をしたい・・・そういう思いで体がうずうずしています。
おそらく日本中でそう感じている人が多いのではないでしょうか?
政府はそういう人々の意欲を生かして、方向性を示し、攻めの気持ちで復興を指導してほしい。

 気持ちお察しします。エネルギーを、最大限有効に使いたいという思いですね。

>大口の復興特需を政府が発注すれば、復興活動も生産も消費もあらゆるものが猛烈な勢いで加速していくのではないでしょうか?

 日本のGDPは、間違いなく増大します。今回の復興には、10兆円をくだらない、費用がかかるそうです。日本のGDPの2%に相当します。
 予算の組み換えや、国債発行(今回日銀は50兆円の支出をするそうです)、臨時復興債など、手段はいくらでもあります。

 日本中の力を総動員して、復興させましょう。

No title

下記のコメントを頂きました。

>>>>>>>>>>>>>>
 「小さな政府を語ろう」や「日本経済をボロボロにする人々」は、貴殿の指摘される通り「似非自由主義者」、つまり「放縦の自由主義者」です。真の自由主義とは、「美徳やコモン・ロー」を最大限に尊重することを義務として課しますが(ハイエク・バーク等)、彼ら「放縦の自由主義者」は、自由主義に絶対欠かせぬこの部分を欠落させ、全てを経済的インセンティブによる誘導でコントロール出来ると考える「統制経済極左」に分類されるものです。

 しかしながら、数点貴殿の誤りを指摘させて頂きます。「米国独立宣言」と「米国合衆国憲法」とは、全く異なった思想背景から作られ
ており、理念を一とはしていません。
 また、「放縦に自由主義者」らを擁護するつもりはありませんが、今般の大震災やその損害は、彼らの思想とは一切関係がありません。
 我が国は、相当に「社会主義」に傾倒しているのが事実であって、彼らの主張が全く実現していないことは明白です。
 今般の災害対応に問題があるならば、それは「社会主義の問題」であって、「放縦の自由主義」とは無関係です。

 最後ですが、貴殿は野放図な国債濫発を支持されているようですが、これは一体「誰が背負う」のでしょうか?
 増税、シニョリッジ政策などと経路を変えてみても、この全ては「国民」が背負うことに変わりはありません。
「錬金術」は存在しない。これだけは確かなことです。

>>>>>>>>>>>>>>>>>>

>「米国独立宣言」と「米国合衆国憲法」とは、全く異なった思想背景から作られており、理念を一とはしていません。<

 米国独立宣言と、日本国憲法について述べています。日本国憲法には、ロックの思想が挿入されています。


>また、「放縦に自由主義者」らを擁護するつもりはありませんが、今般の大震災やその損害は、彼らの思想とは一切関係がありません。
 我が国は、相当に「社会主義」に傾倒しているのが事実であって、彼らの主張が全く実現していないことは明白です。
 今般の災害対応に問題があるならば、それは「社会主義の問題」であって、「放縦の自由主義」とは無関係です。<

 震災対応の不手際を論じているのではありません。平常時は「小さな政府」、危機時は「大きな政府」の両方が両立するということを述べています。一方を否定するものではありません。

>最後ですが、貴殿は野放図な国債濫発を支持されているようですが、これは一体「誰が背負う」のでしょうか?
 増税、シニョリッジ政策などと経路を変えてみても、この全ては「国民」が背負うことに変わりはありません。
「錬金術」は存在しない。これだけは確かなことです。<

 当ブログおよび、拙著「高校生からのマクロ・ミクロ経済学入門Ⅱ」をごらん下さい。「政府の借金=国民の財産」です。
 今回、日銀が「50兆円」を越える市場介入資金を用意しました。おれらは、国債購入資金にも充てられています。
 結果的に、「リフレ政策」になります。デフレ脱却が「震災」という非常時を契機に、解消される(これは間違いありません・・3ヵ月後を見て下さい)というのは、なんとも皮肉なことです。
 まあ、結果オーライになるのですが。


No title

コメントを頂きました。

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丁寧なご返事有難うございます。

>平常時は「小さな政府」、危機時は「大きな政府」の両方が両立する


 「出来得る限り小さな政府」を掲げたミルトン・フリードマンにあっても、「厳密な意味での自発的な交換に法外な費用がかかるか、事実上不可能か、どちらかの場合」は政府が引き受けるべきとしています。
 従って真の自由主義には、「非常時の政府対応」は含有されているのです。

 放縦の自由主義者らは、どうもハイエクはおろか、フリードマンの著作すら精読していないようですから(どうもJ・S・ミルの「放縦の自由」定義が根底にあるようですが)、彼らの言説を以って自由主義批判としないで頂きたいのです。

 リフレ政策については、私はその理論を全く支持しておりませんので、コメントは控えておきます。

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 貴重なコメントありがとうございました。

 リフレについては、「2011-03-08:デフレ脱却と言う結果 量的緩和の効果 アメリカ」において論じたように、結果は既に出ています。
 「小さな政府と大きな政府」が二項対立しないのと同様、「財政政策と金融政策」も車の両輪です。

> 日経H23.3.18『日銀当座預金30兆円を突破』
・・・約5年ぶりに30兆円を突破した。…2006年3月まで続いた量的緩和政策の当時と同じ水準になっている。<

>読売H23.3.18『日銀15.7兆円供給』
・・・大量資金供給は4日連続となり・・・資金総額は約71兆円に達した。

 結果的に「リフレ」政策採用になりました。

 この効果(or効果ナシ)については、3ヶ月~6ヶ月もあれば出てくるので、検証が可能です。実験というものが出来ない経済学では、大変貴重な実証機会になります。

No title

はじめまして!小さな政府を語ろうというブログのリンクから来た者です。質問があります。

>政府は、「非常時」にこそ、最大限の力を発揮して欲しい。国会の怠惰も、議員の不祥事も、地方議会の体たらくも、全ては「非常時」のためのコスト(ものすごく高くつくコストですが)だと割り切れば、かろうじて自分を納得させられそうです。

なぜ多くの国民がこのようなコストを負担しなければならないのでしょうか?その対価はあまりにも高すぎるような気がします。正直言うと共感できる部分とできない部分があり、困惑しています。これほどの経済学の知識と教養を持たれておられるにも関わらず、議論の進め方がやや感情的でもったいないとすら感じました。ちなみに私自身は、マネタリストでも市場主義者でもケイジアンでもありません。ただ、アダムスミスのいうシンパシー(同情)という概念は、とても大切なものということだけは認識しているつもりです。

No title

 コメントありがとうございます

>正直言うと共感できる部分とできない部分があり、困惑しています。これほどの経済学の知識と教養を持たれておられるにも関わらず、議論の進め方がやや感情的でもったいないとすら感じました。

 今回の記事は、感情に任せて書いていますので、論理的には?です。自分でも自覚しています。

 さて、本論です。

>>政府は、「非常時」にこそ、最大限の力を発揮して欲しい。国会の怠惰も、議員の不祥事も、地方議会の体たらくも、全ては「非常時」のためのコスト(ものすごく高くつくコストですが)だと割り切れば、かろうじて自分を納得させられそうです。

>なぜ多くの国民がこのようなコストを負担しなければならないのでしょうか?その対価はあまりにも高すぎるような気がします。正直言うと共感できる部分とできない部分があり、困惑しています。<

 日本のGDPが約500兆円です。政府(自治体含む)の支出が110兆円ほどです。これを高いと見るか、低いと見るかは、価値観なので、正解がありません。

 ちなみに、その支出割合は、政府支出/対名目GDP2007年(OECDデータ)によると、日本36.3%→米37.3%→独43.7%→英44.4%→仏52.3%と、先進国の中では、日本がいちばん「小さい政府」となっています。「コストが高い」といいますが、相対的には「低い」のです。

>なぜ多くの国民がこのようなコストを負担しなければならないのでしょうか?

 私の回答は、「政府は非常時のためにある」というものです。平常時は、「小さな政府」を目指し、コストのかからない運営をすることをめざすのはもちろんです。
 一方、非常時には、臨時公債を発行してでも、「大きな政府(権限も予算も)」として、責任を果たす必要があると考えました。
 また、民間では、情報のまとめや、発信(命令)等はうまく機能しないことも、明らかになりました。

 非常時に政府が対応できるよう、普段から、コストをかけて「政府」を維持しなければならないというのが、今回の震災から得た教訓です。ただ、「コスト」は、出来るだけ「効率的」に・・・という、経済学の視点を、手段として採用するのはもちろんです。経済学が活躍できるとしたら、この部分です。

 何でもかんでも「市場原理」優先とか、「小さい政府をめざせ」などという論は、完全に破綻しています。

No title

質問に対するご親切な回答ありがとうございます。確かに、極端に偏った主義・主張は、良くないですね。何事もバランス感覚が大事だということですね!
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