結局、国債って何だろう

<結局、国債って何だろう>

http://www.asyura2.com/11/senkyo108/msg/237.html
「財政危機」煽る財務省の大ウソが暴露された (ゲンダイネット)

 20日のNHKの日曜討論を見た国民は耳を疑ったのではないか。国民新党の亀井亜紀子参院議員(45)が、財政危機を煽る財務官僚の大ウソを暴露したのだ。
 国民新党はデフレ経済脱却のために建設国債や無利子非課税国債の発行など積極的な財政出動を提唱している。亀井議員が明かしたのは、この無利子非課税国債をめぐる財務省側とのやりとりだ。番組での発言の中身はざっとこんな感じだった。
〈財務省と(無利子非課税国債発行について)やりあったら、財務省は「そんなものを出したら日本の財政は大変だと海外に思われる。いま国債は安定的に償還されてるので必要ない」と言われた。「え? 日本は財政危機じゃないんですか」と聞いたら「大丈夫です」と。(財務省は)国民に言ってることと与党に言ってることが違うんです〉
…「国民新党の考え方は、内需拡大のために市場にカネが回る仕組みが必要というもので、別に無利子非課税国債の発行にこだわっているのではありません。この方法がダメなら、財務省も代案を出してほしいと何度もやりとりしているのですが、財務省側はいつもノラリクラリごまかしてきたのです」(事情通)
 改めて亀井議員に発言の真意を聞いてみた。
「財務省は最初から消費税ありきなのです。無利子非課税国債を発行して困る人はいません。にもかかわらず、提案しても話が進まない。それで党に財務官僚を呼び、日本の財政状況について平時なのか非常時なのか聞いたら『平時です』と答えたのです。そもそも財務省は、海外に対しては『日本は対外金融資産が豊富で、国債の9割以上は国内で保有しているから財政危機ではない』と説明しているのに、国民に対しては『900兆円もの借金で大変だ』と言う。海外と国民に対する説明が違うのです」
 相手によって主張を百八十度変える二枚舌財務官僚。次はぜひ国会で追及してほしい。


<財務省の二枚舌?> 

 財務省は、平成20年度現在の状況を月収40万円の家計に例え、「借金は18万円、借金残高は4,600万円、月々の収入では家計を維持できず、借金にたよって生活していることになる」と、説明しています(財務省HPトップ 「日本の財政を考える」)。「公債残高553兆円は国民1人当たり433万円の借金に相当し、返すのはきわめて難しい」とも説明しています。
 
 一方、2002年,アメリカの格付け会社によって,日本国債の格付けが引き下げられたときの、財務省の反論を見てみましょう。
 「日本は世界最大の貯蓄超過国であり,国債はほとんど国内で消化されている。また世界最大の経常収支黒字国(筆者注:外国への資金貸し出しが最大の国)であり,外貨準備も世界最高である(高橋洋一『さらば財務省!-官僚すべてを敵にした男の告白』 2008 p193)」

 このように,「純債務でみると日本は財政危機ではない」という,常に「財政危機だ」と言っている日本国内向けの説明と,全く違う説明を海外にしました。どちらが正しいのでしょうね?亀井さんに対する説明だと、「まったく心配ない」ようですが。

<国債格付け低下なのに、安全資産?>

日経H22.2.23
『政治に懸念 国債格下げも』図も
米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは22日、日本国債の格付け見通しを「安定的」から、「ネガティブ」に変更した。
日本国債 格付け

日経H22.2.23
『株下落 債券は上昇』図も
 金融市場では投資家が中東情勢を不安視、リスク回避の姿勢を急速に強めている。22日の東京株式市場で、日経平均株価は今年最大の下げ幅を記録、一方、国債や金など比較的安全とされる資産には資金が流入した。
…株式市場から流出したマネーは国債などへ逃避。10年もの国債利回りは22日に一時、3週間ぶりの低水準の1.260%まで低下(債券価格は上昇)。外国為替市場でも有事に強い「逃避通貨」とされるドルや、スイスフランなどが上昇。22日の東京市場で、円相場が一時1ドル=82円台後半と約2週間ぶりの高値をつけた。
株安 国債上昇 円高

日経H22.2.24
『中東緊迫、円高圧力に』
株式から流出したマネーは債権に流れ込んでいる。…新発10年もの国債利回りは…1.235%に低下(債券価格は上昇)…。世界経済の二番底懸念が浮上すれば「1%割れもありうる」…との見方も…。


 わけが分かりません日本国債格付け低下と発表されたばっかりなのに、「国債や金など比較的安全とされる資産には資金が流入」って、どういうことでしょう?

 それとも、格付け会社は、例のサブプライム・ローンにAAAの格付けをした会社ですから、マーケットはもともと信頼していないのでしょうか。

 一方で、「国債暴落、デフォルト、財政破綻etc」と言われています。ネットで検索したら、次から次へと出てきます。池田信夫(上武大)他もブログでさかんに発信しています。

http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51679692.html
『財政破綻でハイパーインフレは起こるか』
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51679145.html
『財政危機のいつか来た道』 

http://news.livedoor.com/article/detail/5321807/
小幡績 慶大准教 『財政破綻は必至』


<国債発行量>

 2011年度一般会計予算案で、租税収入409,270 公債金442,980と、「公債金>租税」の予算案と言われています。これを見ると、「日本は1年間に約44兆円の国債を発行しているのだ」と考えそうです。
 ですが、日本で1年間に発行されている国債額は、「170兆円」です。

参考引用文献:日経H22.12.2 グラフ・図も
『国債発行額 最大に』
 2011年度の国債発行総額が170兆円台に乗せ、過去最大に膨らむ見通しとなった。…過去に発行した国債の借り換えが、10兆円程度増える…。
 
国債発行額

 図にあるように、国債は①新規国債②借換債③財投債の3種類があり、市場から見れば金融商品としては同じで、違いはありません。このうち、②の借換債は、2011年度110兆円以上に上ります。③の財投は15.5兆円程度です。圧倒的に借換債が多いことが分かります。借換債の仕組みは次のようになっています。

 国債は、たとえば、「10年満期=6兆円」という国債があったとしても、その償還は、「60年」償還ルールによって、完全に返済されるのが、60年後です。6兆円のうち、10年後に償還されるのは、6000億円、あとの5兆4000億円は、その時点で、「借換債」になります。

 https://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/saimukanri/2006/saimu02b_01.pdf#search='第2章 国債'
国債 60年ルール.jpg

 この1年間の国債発行額は、今後も増えることが確実で、2020年度には、194兆円になると見られています。

 国債暴落、デフォルト、財政破綻etcと言われていますが、毎年170兆円もの国債が売買され、それが安定的に消化されているというのは、いったい、どういうことなのでしょう?

 マーケットは、もっとも正直ですから、「危ない」債券になんか、手を出すとは思えません。それが、 「日経平均株価は今年最大の下げ幅を記録、一方、国債や金など比較的安全とされる資産には資金が流入」って、日本国債の格付けは落ちたのでは?

 ということは、やはり、「国債、特に日本国債は安全資産だ」とマーケットが信頼していることを示すのでしょうか?

日経H23.2.21
金利 アメリカ 日本

 このように、日本の金利は、「世界一低い=国債価格高い」のです。シビアなマーケットが、「危険な商品」に手を出すとは思えません(でも、サブプライム・ローンという、格付け商品がありましたね…プロもやられちゃいましたが)。

 国債売買は、売りも買いも活況・・・殺到のようです。

日経H23.2.24
『固定金利オペ応札倍率最高に』
 日銀は23日固定金利オペ(公開市場操作)の6ヶ月もの入札を実施。8000億円の予定額に対し、3兆7630億円の応札があり…。応札倍率は…4.69倍で…最高の倍率になった。

『残存期間別国債買いオペ』
…「1年超10年以下」の入札では、2500億円の予定額に対して1兆761億円の応札

『最高落札利回りが低下』
…3ヶ月もの国庫短期証券の入札は最高落札利回りが0.163%になり…低下した(筆者注:証券価格上昇)。落札額は4兆4600億円。応札倍率は4.33倍…。


<国債を支えるのは?> 

読売H22.2.14
『米財政赤字137兆円、戦後最悪の見通し』
 米オバマ米大統領が14日午前(日本時間15日未明)発表する2012会計年度(11年10月~12年9月)の予算教書で、11年度(10年10月~11年9月)の財政赤字が1兆6450億ドル(約137兆円)に膨らみ、09年度の1兆4130億ドルを上回って、戦後最悪となる見通しとなった。
ロイター通信が14日報じた。年末に決まったブッシュ減税の延長など8580億ドルに上る大型景気対策が主な理由で、国内総生産(GDP)比では10・9%に上る。


日経H23.2.27 
アメリカ 財政赤字.jpg

 アメリカだって、すごい発行額です。137兆円って、日本の財政赤字の44兆円の3倍です。でも、アメリカ破綻にはなりそうもないですね。ささやかれているのは、「ドル安」とか「ドル暴落」とかです。私がぜんぜん信用していない浜矩子(同志社大)さんは「1ドル50円時代」と予言しています。

日経H23.2.27 
主要国 財政赤字.jpg

 国債がなぜ、安心銘柄か。それは、各国の中央銀行が買ってくれるからです。

日経H23.1.17 図も
『日米欧国債市場 中銀が支える』
 FRB(筆者注:米連邦準備理事会・日銀に相当)は…今年6月末までに追加的に6000億ドル(49兆7000億円)の米長期国債を買い取る方針を打ち出した。…米国の財政赤字は今年度1兆4000億ドルに達する見通し。FRBはその6割相当の国債を年央までに買い取り、保有額は国債発行残高の約2割になるとみられる。

日銀は…新設した基金の資産買取枠の5兆円のうち、長短国債が3兆5000億円を占める。…国債保有額は…77兆円弱に及ぶ。国債発行総額に占める割合は…1割に迫りつつある。

欧州中央銀行は、ギリシャの財政危機を受け、財政不安のユーロ加盟国の国債に限定して買い取りに踏み切った。…1月7日までの買い取り総額は約740億ユーロ(8兆1000億円)。…ギリシャとアイルランド、ポルトガルが対象と見られる。
 
日米中銀の国債保有額

 発券銀行の中央銀行が買ってくれるのです。これ以上のモノはない、最強資産だということになります。こんなに安心できる資産が他にあるでしょうか?

<国債=円>

 日銀が,「国債」を購入するとは,どういうことなのかを明らかにしましょう。
 まず,国債は,前述のように、毎日市場で売買されています。新規国債(借換債含む)も連日のように売り出されています。日銀は,金融政策で,政策金利を低下させ,量的緩和を行う場合,「買いオペレーション」という手段を採用します。民間の金融機関が持っている国債などの債券を購入し,日銀券を当座預金に積み上げることです。

日銀 バランスシート
H19年度末 日銀HP

 日銀が金融政策で購入した国債は,日銀のバランス・シートではこのようになります。

 このように,日銀が国債を市場から購入(買いオペ)すれば,それは,日銀の「資産」になります。そしてその分,日銀券が発行されるわけです。国債購入を増やせば,市場に日銀券が出回ります(マネタリーベースを構成)。

 ということは,日銀が,資金量をコントロールしようと思えば,国債の残高(資産)を増減するしかないということです。逆にいえば,国債残高(資産)がなければ,銀行券は発行できないことになります。

 1947年に制定された「財政法第5条」によって,日銀が直接,新規発行国債を引き受けることは禁じられています(今から63年前です。当然,現代マクロ経済学による財政政策・金融政策など,なかった時代です)。ですが,いったん市場に出た国債を買い入れるのは問題がないとされ,現在では,世界の中央銀行共通の「貨幣供給の方法」になっています。

 このバランス・シートを見ると,私たちが使っているお札の信用は,国債によって支えられていることがわかります。


 1万円札の価値が安定しているから,コンビニや,スーパーでの買い物や,自動車・家・土地・絵画の購入まで安心してできます。その1万円札の価値を支えているのが,「国債」です。この役割を通貨価値の「アンカー(岩村充 早稲田大学教授 『貨幣の経済学』集英社 2008 p142~)」といいます。

 日銀の通貨発行が,国債を購入することによって行われている場合,財政を破綻させることは原理的にありえません。「通貨の発行をしません」ということと同じだからです。通貨発行権は国家最大の権利の一つです。それを放棄することは,ありえません。通貨の独占発行権こそが,国家を国家ならしめている最大の要素です。この通貨を発行する際の,いわば「担保」が,現代国家では国債なのです。

「国債を維持することができない(デフォルト)=通貨を発行できない」ことです。国債を直接引き受けなくても、市場を通し間接的に購入し(買いオペ)、日銀は、「金融政策」を行っているのです。

「国債=円通貨そのもの」なのです。

アンカー
マネーストックM3.JPG(2009年10月現在)

 通貨のアンカー
                 体制            アンカー
第一次世界大戦まで    金本位制        ゴールド
第二次大戦後      ブレトン/ウッズ体制  1ドル=360円の固定レート
1973年~          管理通貨制        国債


 マネタリーベースは、流通現金+日銀当座預金。日銀は、この合計額を直接コントロールでき、マネーストックに影響を及ぼす。
 マネーストックM3は、一般法人、個人、公共団体(除く国/金融機関)が保有する通貨量。「信用創造(準備預金以外の貸し出し)」によって、マネタリーベースの何倍もの通貨量が創造される。

<日本に起こること>

 デフォルトや、国家倒産が起きないとしたら、日本に起こることは何でしょう。答えはインフレです。「国債=円通貨そのもの」なので、国債が売れなくなる=日本円が売れなくなる=日本円の信用失墜=インフレ(日本円の価値低下)です。

 1万円が流通しているのは、1万円札に対する信頼からです。だれもが、1万円札を受け取るのは、1万円の価値があり、次の日も1万円として使えるからです。そもそもお札の原価は100円しません。それを1万円の価値があると信じているのです。

 その1万円が信用できなくなるとします。みな、現物か、ドルか、ゴールドでの決済を要求します。
 日本に起こるのは、「国家倒産」や「デフォルト」ではなく、「インフレ」です。お札の価値が低下して終わり=国債の価値も低下して終わりです。
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genre : 政治・経済

comment

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No title

現在の局面では、日本国債が売れなくなるとしたら、景気対策の効果があらわれて市中金融が民間に投資先をみつけたときしかないのではないでしょうか?
その場合は、新規国債の発行は景気上昇分減りますよね。するとインフレも何も心配しなくていいような気がします。
一方で、借換債についてはどうなんでしょう?
景気拡大で国債の需要が減れば、借換債の分は金利上昇で苦しむのかな?
よくわかりません。

No title

 景気が回復すると、株価上昇:債券価格下落(金利上昇)となります。景気回復期ですから、インフレ状態です。

 国債発行額は変わりませんが、長期金利は上昇するでしょう。長期金利の上昇で、社債や住宅ローン金利など、すべての債券の金利が上昇することになります。

日銀がなかったら?

日銀と政府が別組織でなければ、政府がお金が必要な時に、
国債を出さずに、直接、紙幣を出していたらどうでしょう?

今ほど、円高にもならず、金融機関に利子を払う必要もなく、
元金を返す必要もない。

No title

>景気回復期ですから、インフレ状態です。

デフレの現状ではインフレ=景気上昇と理解してよいわけですね。

名目GDP上昇率>金利上昇・・・全体では困らない
名目GDP上昇率<金利上昇・・・みんな困る

賃金上昇率>インフレ率・・・誰も困らない
賃金上昇率<インフレ率・・・みんな困る

・・・と理解していてよろしいか?

景気回復にそなえて所得再分配を是正しておく必要があるし、ビルトインスタビライザーの効果を強めるためにも今のような状態では財政の所得再分配を強化するのが望ましいと思いますが・・・

No title

「デフレの現状ではインフレ=景気上昇と理解してよいわけですね。 」

 最新の消費者物価指数1月は前年度比―0.2%で、デフレではあります。

 ですが、昨年4月からの「高校授業料無償化」と10月からのタバコ値上げの影響を除くと前年度比「プラス」になりました。

 デフレを脱却しつつあります。

「名目GDP上昇率>金利上昇・・・」

 GDP比の国債残高は、減ることになります。

「名目GDP上昇率<金利上昇・・・みんな困る」

 困ると言うのが、どういうことか・・・判断がつきません。


 
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