中国人民銀:0.25%利上げ、2カ月ぶり
日本経済新聞23年1月11日、『米中、人民元巡り対立必至 胡主席明日訪米へ』
…焦点の一つは人民元の切り上げ問題だ。中国が公表した2010年の対米貿易黒字は1813億ドルで09年より26%拡大した。(元のドル)切り上げ幅は3%と小さく、オバマ大統領は大幅な切り上げを求める見通し。中国は緩やかな上昇テンポにとどめる姿勢を崩さないとみられ…意見の対立は必至だ。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920000&sid=aU0lIa9L.zjM
中国人民銀:0.25%利上げ、2カ月ぶり-インフレ加速に対応
12月26日…中国人民銀行(中央銀行)は25日、インフレ加速に対応するため、10月以来約2カ月ぶりに利上げを実施すると発表した。人民銀は今後も追加利上げに踏み切る可能性がある。11月の同国の消費者物価指数(CPI)は前年同月比5.1%上昇と、2年4カ月ぶりの大幅上昇を記録していた。
人民銀がウェブサイトで発表した声明によると、0.25%の利上げで、1年物貸出金利は5.81%、1年物預金金利は2.75%となる。26日から実施される。
日経H23.1.15 『預金準備率 中国が0.5%上げ』グラフも
…中国人民銀行(中央銀行)は、14日、市中銀行から強制的に預かる資金の比率を示す預金準備率を20日から0.5%引き上げると発表した。
…インフレや不動産価格の上昇を招いているカネ余りの解消に向け…準備率を引き上げると…市中に出回る資金を吸収する効果がある。

『中国 物価抑制に躍起』読売H23.1.18
…預金準備率を引き上げれば、金融機関は貸し出しに回すことができるお金を人民銀に預け入れなければならない。…0.5%の引き上げで約3500元(約4,4兆円)の資金を吸い上げることが出来る。
中国がインフレになり、それを抑え込むために、預金準備率や、金利を上げます。
<なぜインフレか>
『通貨供給量10月末29.4%増』日経H21.11.12
…中国人民銀行…は11日。10月末の通貨供給量(マネーサプライ)が前年同期比29.4%増だったと発表…。元相場を実勢より低めに維持するための元売り・ドル買い介入などの影響で、マネーサプライの膨張が続いている。

BRICS辞典 http://www.brics-jp.com/china/gaika_jyunbi.html

この2007年~2008年の差額は2806億ドルです。2008年のGDPは、43270億ドルですから、6.48%に相当します。中国中央銀行は、6.48%分の元を、市中に供給していることになります。インフレになるわけです。
中国は、事実上の元ドル固定相場制を採用しています。貿易黒字分のドルは、中国国内で、元に換金されます。ドル売り元買いです。そのままでは、一方的な元高になりますので、中央銀行がドル買い元売りをします。その分の「元」が、市中に出回り、インフレの原因となります。固定相場制を採用すると、貿易黒字国は、必ずインフレに悩まされることになります。(1973年の日本もドイツも、劇的なインフレに見舞われました)
固定為替相場を採用すると、貿易黒字(経常黒字)の国は、必ず「インフレ」に見舞われます(不胎化政策などの手段はありますが、ここは単純例で説明します)。
「元の方は、国際通貨とは言い難い状況にありますので、金融機関や投資家を通して、中国に元建てで投資されている」
というように、中国のように資本規制をするから「中国国内のバブルの一因となっている」ではなく、どんな通貨でも、インフレになるのです。ブログ記事2010-08-10 カテゴリ:インフレ 参照
以下、H22.10.17 ブログ記事より
<中国の対外純資産>
中国の対外純資産は、「中国の外貨準備-中国への海外からの純投資額」のことです。
①…急速な経済成長を背景に個人や企業の金融資産が欧米等に向かっているほか、資源獲得のために政府が投資を膨らませている
のは確かなのですが、「海外投資<中国への海外からの投資」なので、「中国の海外実物資産<外国の中国内実物資産」です。

要するに、中国の対外純資産というのは、為替介入で膨らんでいる「外貨準備増大」のことなのです。
http://www.chinapress.jp/finance/17568/
チャイナ・プレス「中国:2009年6月末外貨準備高2兆1316億ドル、同期比17.84%増加」
7月15日、中国人民銀行のデータによると、2009年6月末の中国外貨準備高は2兆1316億ドル(約199兆3046億円)、2008年同期比17.84%増加したとのこと。
下記が、2008年までのグラフです。
BRICS辞典 http://www.brics-jp.com/china/gaika_jyunbi.html

中国の外貨準備高(外貨準備金)は世界一で、その額は2兆ドル(約200兆円)に迫るほどです。2006年辺りまでは日本が世界一でしたが、今やその日本の1.5倍近くにまで伸びています。グラフから分かる通り、特に近年、数値が激増しています。
昨年6月末時点で、外貨準備が約199兆3046億円、新聞では、対外純資産が「2009年に167兆円」と、時期が違うので厳密ではありませんが、約32兆円、「外貨準備-中国への国内投資額」の差があるということです。

この図で、控除部分が約32兆円ということになります。中国の対外純資産=「外貨準備金=過去の為替介入額累積」のことです。
日経H23.1.19『中国、対外直接投資36%増』

異様な一本足打法だということが分かります。
この、ドル買い元放出分が、中国国内市場にあふれます。

日経H23.1.25

<結論>
固定相場維持
↓
ドル買い元売り
↓
元が市場にあふれる
↓
インフレ
↓
金利引き上げ・預金準備率引き上げ
↓
金融引き締め
↓
経済成長鈍化
アメリカは、自国内生産者側の声を聞いて、「元高にしろ」と迫ります。中国は「嫌だ」と応じません。でもその結果、中国が国内経済を引き締める結果になります。 「元安」は「善し悪し」の問題ではありません。
『上海株が大幅下落 預金準備率上げ 銀行など全面安』 日経H23.1.18
…先週末比3%安…。
…中国人民銀行(中央銀行)が14日に預金準備率を引き上げると発表したことを嫌気し、銀行株を中心に全面安の展開に…。
もしかすると、アメリカは、「元高にしないと、経済失速するよ」と、中国を慮(おもんぱか)っている?のかも知れません(ないですけど)。
<追記>
日経H23.1.19『資本取引、中国徐々に自由化』
…「2011~15年の第12次5ヵ年計画で徐々に自由化する」との方針を表明した。
いずれ、「変動相場制=資本自由化=元の国外流出」に移行せざるを得ません。中国は、徐々に行う予定です。「人為的元安?」なるものも、解消されますね。
…焦点の一つは人民元の切り上げ問題だ。中国が公表した2010年の対米貿易黒字は1813億ドルで09年より26%拡大した。(元のドル)切り上げ幅は3%と小さく、オバマ大統領は大幅な切り上げを求める見通し。中国は緩やかな上昇テンポにとどめる姿勢を崩さないとみられ…意見の対立は必至だ。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920000&sid=aU0lIa9L.zjM
中国人民銀:0.25%利上げ、2カ月ぶり-インフレ加速に対応
12月26日…中国人民銀行(中央銀行)は25日、インフレ加速に対応するため、10月以来約2カ月ぶりに利上げを実施すると発表した。人民銀は今後も追加利上げに踏み切る可能性がある。11月の同国の消費者物価指数(CPI)は前年同月比5.1%上昇と、2年4カ月ぶりの大幅上昇を記録していた。
人民銀がウェブサイトで発表した声明によると、0.25%の利上げで、1年物貸出金利は5.81%、1年物預金金利は2.75%となる。26日から実施される。
日経H23.1.15 『預金準備率 中国が0.5%上げ』グラフも
…中国人民銀行(中央銀行)は、14日、市中銀行から強制的に預かる資金の比率を示す預金準備率を20日から0.5%引き上げると発表した。
…インフレや不動産価格の上昇を招いているカネ余りの解消に向け…準備率を引き上げると…市中に出回る資金を吸収する効果がある。

『中国 物価抑制に躍起』読売H23.1.18
…預金準備率を引き上げれば、金融機関は貸し出しに回すことができるお金を人民銀に預け入れなければならない。…0.5%の引き上げで約3500元(約4,4兆円)の資金を吸い上げることが出来る。
中国がインフレになり、それを抑え込むために、預金準備率や、金利を上げます。
<なぜインフレか>
『通貨供給量10月末29.4%増』日経H21.11.12
…中国人民銀行…は11日。10月末の通貨供給量(マネーサプライ)が前年同期比29.4%増だったと発表…。元相場を実勢より低めに維持するための元売り・ドル買い介入などの影響で、マネーサプライの膨張が続いている。

BRICS辞典 http://www.brics-jp.com/china/gaika_jyunbi.html

この2007年~2008年の差額は2806億ドルです。2008年のGDPは、43270億ドルですから、6.48%に相当します。中国中央銀行は、6.48%分の元を、市中に供給していることになります。インフレになるわけです。
中国は、事実上の元ドル固定相場制を採用しています。貿易黒字分のドルは、中国国内で、元に換金されます。ドル売り元買いです。そのままでは、一方的な元高になりますので、中央銀行がドル買い元売りをします。その分の「元」が、市中に出回り、インフレの原因となります。固定相場制を採用すると、貿易黒字国は、必ずインフレに悩まされることになります。(1973年の日本もドイツも、劇的なインフレに見舞われました)
固定為替相場を採用すると、貿易黒字(経常黒字)の国は、必ず「インフレ」に見舞われます(不胎化政策などの手段はありますが、ここは単純例で説明します)。
「元の方は、国際通貨とは言い難い状況にありますので、金融機関や投資家を通して、中国に元建てで投資されている」
というように、中国のように資本規制をするから「中国国内のバブルの一因となっている」ではなく、どんな通貨でも、インフレになるのです。ブログ記事2010-08-10 カテゴリ:インフレ 参照
以下、H22.10.17 ブログ記事より
<中国の対外純資産>
中国の対外純資産は、「中国の外貨準備-中国への海外からの純投資額」のことです。
①…急速な経済成長を背景に個人や企業の金融資産が欧米等に向かっているほか、資源獲得のために政府が投資を膨らませている
のは確かなのですが、「海外投資<中国への海外からの投資」なので、「中国の海外実物資産<外国の中国内実物資産」です。

要するに、中国の対外純資産というのは、為替介入で膨らんでいる「外貨準備増大」のことなのです。
http://www.chinapress.jp/finance/17568/
チャイナ・プレス「中国:2009年6月末外貨準備高2兆1316億ドル、同期比17.84%増加」
7月15日、中国人民銀行のデータによると、2009年6月末の中国外貨準備高は2兆1316億ドル(約199兆3046億円)、2008年同期比17.84%増加したとのこと。
下記が、2008年までのグラフです。
BRICS辞典 http://www.brics-jp.com/china/gaika_jyunbi.html

中国の外貨準備高(外貨準備金)は世界一で、その額は2兆ドル(約200兆円)に迫るほどです。2006年辺りまでは日本が世界一でしたが、今やその日本の1.5倍近くにまで伸びています。グラフから分かる通り、特に近年、数値が激増しています。
昨年6月末時点で、外貨準備が約199兆3046億円、新聞では、対外純資産が「2009年に167兆円」と、時期が違うので厳密ではありませんが、約32兆円、「外貨準備-中国への国内投資額」の差があるということです。

この図で、控除部分が約32兆円ということになります。中国の対外純資産=「外貨準備金=過去の為替介入額累積」のことです。
日経H23.1.19『中国、対外直接投資36%増』


異様な一本足打法だということが分かります。
この、ドル買い元放出分が、中国国内市場にあふれます。

日経H23.1.25

<結論>
固定相場維持
↓
ドル買い元売り
↓
元が市場にあふれる
↓
インフレ
↓
金利引き上げ・預金準備率引き上げ
↓
金融引き締め
↓
経済成長鈍化
アメリカは、自国内生産者側の声を聞いて、「元高にしろ」と迫ります。中国は「嫌だ」と応じません。でもその結果、中国が国内経済を引き締める結果になります。 「元安」は「善し悪し」の問題ではありません。
『上海株が大幅下落 預金準備率上げ 銀行など全面安』 日経H23.1.18
…先週末比3%安…。
…中国人民銀行(中央銀行)が14日に預金準備率を引き上げると発表したことを嫌気し、銀行株を中心に全面安の展開に…。
もしかすると、アメリカは、「元高にしないと、経済失速するよ」と、中国を慮(おもんぱか)っている?のかも知れません(ないですけど)。
<追記>
日経H23.1.19『資本取引、中国徐々に自由化』
…「2011~15年の第12次5ヵ年計画で徐々に自由化する」との方針を表明した。
いずれ、「変動相場制=資本自由化=元の国外流出」に移行せざるを得ません。中国は、徐々に行う予定です。「人為的元安?」なるものも、解消されますね。
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