新聞の間違い(10) 日本経済新聞
一直『大機小機』日経新聞 H21年2月6日
…いまのような世界不況時に一国が単独で有効需要を創出すると、外国からの輸入に吸収され、それが保護主義を誘発する火種になる可能性があることだ。
剣が峰『大機小機』日経新聞 H21年3月5日
…米国は貿易赤字を手放しで増やしてきた結果、米国内にあった生産設備の多くが撤去されアジア地域に移転する結果となっている。…このような状況のもとで財政支出を拡大すると、相当程度の輸入を誘発し、必ずしも期待通りに国内生産と雇用の増加に結びつかない。そのため米国は国産を優先する保護貿易政策を打ち出さざるをえなくなった。
「保護貿易政策」についてです。アメリカの産業を守るために、アメリカの製品購入を義務付けるとか、輸入品関税を高くするなどです。しかし、今日グローバル化が進み、自国産業保護=他国産業保護になってしまう実態があります。多国籍企業の出現です。
参考・引用文献 石川城太『政府、過度な肩入れ避けよ』日本経済新聞H21.4.15
…グローバル化が進展し、国境を越えたヒト・モノ・カネ・サービスの移動の活発に伴い…自国企業に見えながら、所有構造を見ると…株式の多くを外国人が所有しているケースが…ある。
…日産自動車の外国人持ち株比率は6割を超え、ホンダとトヨタも3割前後である。ソニー、任天堂、キヤノン、日立製作所など、日本を代表する企業…も4割を超えている。…日産はルノーの株式の15%を所有し、逆にルノーは日産の44.3%の株式を所有している。…ルノー出身のカルロス・ゴーン氏が両社の社長兼最高責任者(CEO)を兼務し、日産が保有するルノー株式には議決権がないため、日産はもはやフランスの企業といってもよい。
…仏政府は最近ルノーやプジョーといった仏自動車産業への低利融資などの支援策を決めたが、ルノー支援は間接的に日産支援につながる。…デンソーをはじめとする日本の自動車部品主要メーカーは…北米での現地生産を開始し、米ビッグスリー(GM,フォード、クライスラー)との取引も増やしてきた。米政府は…GMとクライスラーの再建をとりあえず支援する方針を最近決めたが、これらの支援は、間接的に日系部品メーカーを支援することにもなる。…逆に…経営破綻することになれば、日経の部品メーカーも大きな損失を被る可能性がある。
国境と国境で区切られた古典的な貿易ならともかく、自国の産業保護政策=すぐに保護貿易にはならないのが、今日の貿易の特徴(グローバル化)です。
「2003年,多国籍企業による輸出が,米国全体の輸出の6割,輸入の4割を占め,多国籍企業間輸出が同25%,輸入は同15%を占めています」
福田邦夫 小林尚朗編『グローバリゼーションと国際貿易』大月書店 2006 p224
保護貿易が、かえって、他国企業を利する時代なのです。
…いまのような世界不況時に一国が単独で有効需要を創出すると、外国からの輸入に吸収され、それが保護主義を誘発する火種になる可能性があることだ。
剣が峰『大機小機』日経新聞 H21年3月5日
…米国は貿易赤字を手放しで増やしてきた結果、米国内にあった生産設備の多くが撤去されアジア地域に移転する結果となっている。…このような状況のもとで財政支出を拡大すると、相当程度の輸入を誘発し、必ずしも期待通りに国内生産と雇用の増加に結びつかない。そのため米国は国産を優先する保護貿易政策を打ち出さざるをえなくなった。
「保護貿易政策」についてです。アメリカの産業を守るために、アメリカの製品購入を義務付けるとか、輸入品関税を高くするなどです。しかし、今日グローバル化が進み、自国産業保護=他国産業保護になってしまう実態があります。多国籍企業の出現です。
参考・引用文献 石川城太『政府、過度な肩入れ避けよ』日本経済新聞H21.4.15
…グローバル化が進展し、国境を越えたヒト・モノ・カネ・サービスの移動の活発に伴い…自国企業に見えながら、所有構造を見ると…株式の多くを外国人が所有しているケースが…ある。
…日産自動車の外国人持ち株比率は6割を超え、ホンダとトヨタも3割前後である。ソニー、任天堂、キヤノン、日立製作所など、日本を代表する企業…も4割を超えている。…日産はルノーの株式の15%を所有し、逆にルノーは日産の44.3%の株式を所有している。…ルノー出身のカルロス・ゴーン氏が両社の社長兼最高責任者(CEO)を兼務し、日産が保有するルノー株式には議決権がないため、日産はもはやフランスの企業といってもよい。
…仏政府は最近ルノーやプジョーといった仏自動車産業への低利融資などの支援策を決めたが、ルノー支援は間接的に日産支援につながる。…デンソーをはじめとする日本の自動車部品主要メーカーは…北米での現地生産を開始し、米ビッグスリー(GM,フォード、クライスラー)との取引も増やしてきた。米政府は…GMとクライスラーの再建をとりあえず支援する方針を最近決めたが、これらの支援は、間接的に日系部品メーカーを支援することにもなる。…逆に…経営破綻することになれば、日経の部品メーカーも大きな損失を被る可能性がある。
国境と国境で区切られた古典的な貿易ならともかく、自国の産業保護政策=すぐに保護貿易にはならないのが、今日の貿易の特徴(グローバル化)です。
「2003年,多国籍企業による輸出が,米国全体の輸出の6割,輸入の4割を占め,多国籍企業間輸出が同25%,輸入は同15%を占めています」
福田邦夫 小林尚朗編『グローバリゼーションと国際貿易』大月書店 2006 p224
保護貿易が、かえって、他国企業を利する時代なのです。
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