「日銀・政府が円高阻止に向けて外国為替市場に介入」その1
シノドス ジャーナル( SYNODOS JOURNAL )
http://synodos.livedoor.biz/
に、『人口減少デフレ論の問題点 菅原晃』が連載中(2010.10.8~)です。
合わせてご覧ください。
カーナビラジオ 午後一番 北海道HBC H22年9月16日
「日銀・政府が円高阻止に向けて外国為替市場に介入」について、荻原博子さんに聞きました。
http://www.ogiwarahiroko.com/
Q なぜ円相場というのは上がったり下がったりするものなんですか?
A 実は日本よりも、アメリカとかヨーロッパがひどすぎる。アメリカの失業率はどんどん増えている。円の方が安心だから。…国債も日本国内で消化され、「日本は無借金だね」ということ。
…サブプライム以降、「アメリカ調子悪いじゃん」となって、どんどん景気下がっているし、失業率も上がっているし、「ドル危ないね」みたいな状況になっちゃってますよね。だからドルが売られて、円が買われる、ユーロが売られて、円が買われる。日本は海外から見れば、「しっかりした国だし、借金はないし、純資産は260兆もある」「日本は金持ちじゃん」
…ドルとユーロが悪すぎです。ギリシャがおかしくなって、改善されていなし、ハンガリーだとかアイルランドだとかおかしなところがいっぱい出てきている。「ユーロは不安だよね」 となります。アメリカも、雇用が悪化している。リーマン・ショック以降、経済政策取ったけど、球切れになっている。住宅価格も下がっている。「ドルも不安だよね」となって、相対的に円を買っている。私たちも厳しいんですけど、厳しさでいうとアメリカの方が6人に1人が失業と、もっと厳しい。
http://kurasse.jp/member/ogiwara/blog
荻原博子ブログ『荻原博子の優しいマネー日記』2010.9.16
民主党の党首選で、管首相が総理に選ばれたとたんに円相場が1ドル82円台に突入。日銀が為替介入して、相場は85円台まで戻りました。
ただ、だからといってこれでもう円高にならないかと言えば、そうはいかないでしょう。なぜなら、世界の流れは、やはりまだ円高。アメリカに比べて、日本のほうがマシという状況が続いています。
円高の理由は、経済環境が、「欧米よりも日本の方がましだから」というものだそうです。
でも、今のドル安は全然、違います。「円高予測なので、円を購入しておいて、その後、ドルにもどそう」という、投機行動に基づいたドル安です。
<円高で大儲け!>
H22.10.13 日経


これは、金への投機行動と同じ原理です。

日経H22.10.14 『NY金、最高値』
13日午前のニューヨーク金先物相場…前日比29.0ドル高の1トロイオンス1375.7ドルと…過去最高値を更新した。
米連邦準備理事会(FRB)が前日発表した米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受けて、米国の追加金融緩和観測が一段と高まった。緩和でドル安が進むとの見方から、金に買いが入った。
『金、年内1400ドルまで上昇も』
英金属調査会社…ポール・ウオーカーは…述べた。「…投資需要次第では…ドル安などを背景に今後も投資が旺盛なら、簡単に1400ドルを超えるだろう」「現在の高値を維持するには継続的な投資マネーの流入が必要だ。今後1年程度は上昇傾向が続くとみているが、その後…金融引き締めなどをきっかけにマネー流入が止まるのではないか」…「マネーの新規流入が止まれば、大幅下落する可能性もある」
「金(円)高でドルを儲けよう」という動きです。「金(円)高傾向」と予測した時点で、「金(円)」を購入しておくと、後でドルに替えたときに、儲けることができます。

図のように50%も高くならなくても、1ドル=83円が80円になれば、3.75%の金利がつくのと同じことになります。3か月で3円円高になると、3.75%×4=年利15%もの金利がつく計算になります。これで「大儲け」です。
たとえば、100万ドルで円を購入すると、3か月で3万7500ドル=(1ドル80円で、300万円)のもうけになります。1円でも「円高になる」と見きれば、投機資金は円買いに殺到します。
<なぜ円高予測か>
日経H22.10.14 『NY金、最高値』
13日午前のニューヨーク金先物相場…前日比29.0ドル高の1トロイオンス1375.7ドルと…過去最高値を更新した。
米連邦準備理事会(FRB)が前日発表した米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受けて、米国の追加金融緩和観測が一段と高まった。緩和でドル安が進むとの見方から、金に買いが入った。
米連邦準備理事会(FRB)が追加緩和をする=ドルを市場に供給すると予測されています。アメリカはすでにリーマン・ショック以降、大規模な金融緩和を行っているのですが、今年11月にはさらに金融緩和を行うと予測されているのです。
『FRB追加緩和議論が本格化』日経H22.10.14
米連邦準備理事会(FRB)が追加金融緩和の検討を本格化…。…中長期国債の追加購入に踏み切る可能性…。ただ米国の追加緩和がドル安や過剰マネー流入の加速を招くとの新興国の反発…。
この追加緩和は、中長期国債を5000億~1兆ドル(40兆円~80兆円相当)購入するとの見方です。あるいは、額を会議ごとに「適宜判断する」との見方です。
いずれにしても、また大量のドルが市場に供給されます。ドル量>円量になります。「ドル安間違いなし」と見た投機筋が、円買いに動くのです。

<ドル安>
なぜ、ドルやユーロ安なのでしょう?
読売新聞『日本型デフレ 欧米懸念』H22.8.21
…米連邦準備制度理事会(FRB)はリーマン・ショック後の2008年12月から事実上のゼロ金利政策を続け、さらに1兆7500億ドルに上る、住宅ローン担保証券(MBS)や国債などを購入することで、市場に大規模な資金を供給する量的緩和策にも踏み切った。欧州中央銀行( ECB) も金融機関が希望する基金を担保の範囲で全額供給する、「無制限オペ」を続けている。
このように、ドルもユーロも、大規模な金融緩和政策を続けています。そうすると、円の量<ドル・ユーロ・ポンドの量となってしまいます。
各国 マネタリー・ベース 推移
出典: http://blogs.yahoo.co.jp/suzukieisaku1/17114313.html のグラフを改

『米金融緩和の長期化』日経H22.8.25
…米マネタリーベース(資金供給量)は08年9月のリーマン・ショック以降に急増。08年8月の8千億ドル台から09年11月には2兆ドルに拡大した。


注)マネタリー・ベースについては、ブログ記事2010-08-10 藻谷浩介『デフレの正体』日本政策投資銀行 参照
市場に、ドルや、ユーロや、ポンドが供給される一方、円の量は変わっていません。これを見ても円高・ドル安になるのが分かると思います。
さらに、米国ではデフレ圧力がささやかれ、一層の金融緩和が求められています。
『FRB追加緩和議論が本格化』日経H22.10.14
米連邦準備理事会(FRB)が追加金融緩和の検討を本格化…。…中長期国債の追加購入に踏み切る可能性…。ただ米国の追加緩和がドル安や過剰マネー流入の加速を招くとの新興国の反発…。
http://synodos.livedoor.biz/
に、『人口減少デフレ論の問題点 菅原晃』が連載中(2010.10.8~)です。
合わせてご覧ください。
カーナビラジオ 午後一番 北海道HBC H22年9月16日
「日銀・政府が円高阻止に向けて外国為替市場に介入」について、荻原博子さんに聞きました。
http://www.ogiwarahiroko.com/

Q なぜ円相場というのは上がったり下がったりするものなんですか?
A 実は日本よりも、アメリカとかヨーロッパがひどすぎる。アメリカの失業率はどんどん増えている。円の方が安心だから。…国債も日本国内で消化され、「日本は無借金だね」ということ。
…サブプライム以降、「アメリカ調子悪いじゃん」となって、どんどん景気下がっているし、失業率も上がっているし、「ドル危ないね」みたいな状況になっちゃってますよね。だからドルが売られて、円が買われる、ユーロが売られて、円が買われる。日本は海外から見れば、「しっかりした国だし、借金はないし、純資産は260兆もある」「日本は金持ちじゃん」
…ドルとユーロが悪すぎです。ギリシャがおかしくなって、改善されていなし、ハンガリーだとかアイルランドだとかおかしなところがいっぱい出てきている。「ユーロは不安だよね」 となります。アメリカも、雇用が悪化している。リーマン・ショック以降、経済政策取ったけど、球切れになっている。住宅価格も下がっている。「ドルも不安だよね」となって、相対的に円を買っている。私たちも厳しいんですけど、厳しさでいうとアメリカの方が6人に1人が失業と、もっと厳しい。
http://kurasse.jp/member/ogiwara/blog
荻原博子ブログ『荻原博子の優しいマネー日記』2010.9.16
民主党の党首選で、管首相が総理に選ばれたとたんに円相場が1ドル82円台に突入。日銀が為替介入して、相場は85円台まで戻りました。
ただ、だからといってこれでもう円高にならないかと言えば、そうはいかないでしょう。なぜなら、世界の流れは、やはりまだ円高。アメリカに比べて、日本のほうがマシという状況が続いています。
円高の理由は、経済環境が、「欧米よりも日本の方がましだから」というものだそうです。
でも、今のドル安は全然、違います。「円高予測なので、円を購入しておいて、その後、ドルにもどそう」という、投機行動に基づいたドル安です。
<円高で大儲け!>
H22.10.13 日経


これは、金への投機行動と同じ原理です。

日経H22.10.14 『NY金、最高値』
13日午前のニューヨーク金先物相場…前日比29.0ドル高の1トロイオンス1375.7ドルと…過去最高値を更新した。
米連邦準備理事会(FRB)が前日発表した米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受けて、米国の追加金融緩和観測が一段と高まった。緩和でドル安が進むとの見方から、金に買いが入った。
『金、年内1400ドルまで上昇も』
英金属調査会社…ポール・ウオーカーは…述べた。「…投資需要次第では…ドル安などを背景に今後も投資が旺盛なら、簡単に1400ドルを超えるだろう」「現在の高値を維持するには継続的な投資マネーの流入が必要だ。今後1年程度は上昇傾向が続くとみているが、その後…金融引き締めなどをきっかけにマネー流入が止まるのではないか」…「マネーの新規流入が止まれば、大幅下落する可能性もある」
「金(円)高でドルを儲けよう」という動きです。「金(円)高傾向」と予測した時点で、「金(円)」を購入しておくと、後でドルに替えたときに、儲けることができます。

図のように50%も高くならなくても、1ドル=83円が80円になれば、3.75%の金利がつくのと同じことになります。3か月で3円円高になると、3.75%×4=年利15%もの金利がつく計算になります。これで「大儲け」です。
たとえば、100万ドルで円を購入すると、3か月で3万7500ドル=(1ドル80円で、300万円)のもうけになります。1円でも「円高になる」と見きれば、投機資金は円買いに殺到します。
<なぜ円高予測か>
日経H22.10.14 『NY金、最高値』
13日午前のニューヨーク金先物相場…前日比29.0ドル高の1トロイオンス1375.7ドルと…過去最高値を更新した。
米連邦準備理事会(FRB)が前日発表した米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受けて、米国の追加金融緩和観測が一段と高まった。緩和でドル安が進むとの見方から、金に買いが入った。
米連邦準備理事会(FRB)が追加緩和をする=ドルを市場に供給すると予測されています。アメリカはすでにリーマン・ショック以降、大規模な金融緩和を行っているのですが、今年11月にはさらに金融緩和を行うと予測されているのです。
『FRB追加緩和議論が本格化』日経H22.10.14
米連邦準備理事会(FRB)が追加金融緩和の検討を本格化…。…中長期国債の追加購入に踏み切る可能性…。ただ米国の追加緩和がドル安や過剰マネー流入の加速を招くとの新興国の反発…。
この追加緩和は、中長期国債を5000億~1兆ドル(40兆円~80兆円相当)購入するとの見方です。あるいは、額を会議ごとに「適宜判断する」との見方です。
いずれにしても、また大量のドルが市場に供給されます。ドル量>円量になります。「ドル安間違いなし」と見た投機筋が、円買いに動くのです。

<ドル安>
なぜ、ドルやユーロ安なのでしょう?
読売新聞『日本型デフレ 欧米懸念』H22.8.21
…米連邦準備制度理事会(FRB)はリーマン・ショック後の2008年12月から事実上のゼロ金利政策を続け、さらに1兆7500億ドルに上る、住宅ローン担保証券(MBS)や国債などを購入することで、市場に大規模な資金を供給する量的緩和策にも踏み切った。欧州中央銀行( ECB) も金融機関が希望する基金を担保の範囲で全額供給する、「無制限オペ」を続けている。
このように、ドルもユーロも、大規模な金融緩和政策を続けています。そうすると、円の量<ドル・ユーロ・ポンドの量となってしまいます。
各国 マネタリー・ベース 推移
出典: http://blogs.yahoo.co.jp/suzukieisaku1/17114313.html のグラフを改

『米金融緩和の長期化』日経H22.8.25
…米マネタリーベース(資金供給量)は08年9月のリーマン・ショック以降に急増。08年8月の8千億ドル台から09年11月には2兆ドルに拡大した。


注)マネタリー・ベースについては、ブログ記事2010-08-10 藻谷浩介『デフレの正体』日本政策投資銀行 参照
市場に、ドルや、ユーロや、ポンドが供給される一方、円の量は変わっていません。これを見ても円高・ドル安になるのが分かると思います。
さらに、米国ではデフレ圧力がささやかれ、一層の金融緩和が求められています。
『FRB追加緩和議論が本格化』日経H22.10.14
米連邦準備理事会(FRB)が追加金融緩和の検討を本格化…。…中長期国債の追加購入に踏み切る可能性…。ただ米国の追加緩和がドル安や過剰マネー流入の加速を招くとの新興国の反発…。
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