食料安定供給の盲点
『食料安定供給の盲点』日経H22.9.28 グラフも
…2009年度の食料自給率はカロリー(熱量)ベースで40%と前年度を1ポイント下回り、3年ぶりに低下した。
…食料の熱量で計る…コメなどに比べ…熱量の少ない野菜類は自給率への貢献度が低い。
…摂取量は正確に把握できないため供給量で計算しなければいけない…。…供給量には「食べきれずに捨てられた食料」を多く含む。

参考文献:日本貿易会『日本の食糧戦略と商社』東洋経済新報社 2009
P148-
日本では,1年間に約1900万トンの食品廃棄物があり、可食部分の食品ロスは、約500~900万トンと推計されます。
日本では、たくさんの食料が「廃棄」されています。ホテルのバイキング、高級ホテルでの、廃棄されたフォアグラや高級ワイン、宴会での残り物、スーパーやコンビニのお弁当、総菜、生菓子etc,家庭でも、「捨ててしまう食糧」はありますね。
農水省が言っている消費カロリーは、このように廃棄された食糧も含めたものです。これらを含めると、「1人当たり2473キロカロリーを消費している」となります。
日本国民が、実際に1日当たり消費しているカロリーは、厚労省によると、1898キロカロリーです。国民が消費した1898キロカロリーに対し、国産「1人1日当たり国産供給熱量」1012キロカロリーで割ると、自給率は53.3%となります。
このように、自給率は、いかようにでも変わります。生産額自給率では、6割を超えます。
平成22年3月に策定された「食料・農業・農村基本計画」では、平成32年度の食料自給率目標をカロリーベースで50%に引き上げる計画です。
この自給率を上げる方法があります。飼料を国産でまかなうのです。
…09年度で70%あった鶏肉の自給率は、飼料自給率の低さを踏まえ、8%として…計算…。

このグラフをみると、鶏卵など、ほぼ国産ですし、鶏肉も牛乳製品も国産です。ですが、鳥や牛の食べるトウモロコシなどの飼料が輸入なので、自給率で計算すると、国産率は、「激減」します。
だから、
…農水省が生産調整(減反)対象の水田で飼料用米を栽培すれば、自給率引き上げにつながると計算…。
するのです。
日経連載 『ニッポンの農力』シリーズ 引用記事はH22.5.3~4日
…政府が…閣議決定した「食料・農業・農村・基本計画」は減りつづけたコメの生産量を20年度には08年度比11%多い975万トンに引き上げ…。需要が落ち込む主食米は生産調整で減らす一方、飼料米は70万トン、米粉米は50万トンに増やす。50万トンは現在の小麦輸入量の1割に相当する。
08年度産米のうち、飼料米と米粉米の占める割合は、0.1%。これを20年度には12.3%と、100倍以上にする。それで向上する自給率は2%。…必要な財政出動はおよそ8000億円。
自給率を2%アップ、それも、家畜が食べる輸入トウモロコシを、国産米に変えて、達成しようというものです。8000億円かけてです。
APEC閣僚会合 食料危機に備え農産物増産に取り組む「新潟宣言」を採択し閉幕
フジテレビ系(FNN) 10月17日(日)12時25分配信
新潟市で開かれているAPEC(アジア太平洋経済協力会議)の閣僚会合は、食料危機に備え、農産物の増産に取り組む「新潟宣言」を採択し、閉幕した。
APECで初めて食料問題について話し合う今回の閣僚会合では、人口の増加や気候変動による食料危機に備えた農産物の安定供給がテーマになった。
17日に採択された「新潟宣言」には、食料の供給力を上げるため、農村部での貧困の克服に取り組むことや、農業への投資や貿易を円滑に進めることなどが盛り込まれている。
鹿野道彦農水相は「同じ地球に、同じ時代に生きる者として、共に努力していきましょう」と述べた。
APECの宣言には法的な拘束力はなく、今後の行動計画は、各国が自主的に取り組むことになる。
危機など、現実にはありえないので、各国の誰も「宣言」など守るつもりはありません。供給力など、その気になれば、あっという間に上げることが可能です。農業に使える土地など、世界中で余っているのです。
…2009年度の食料自給率はカロリー(熱量)ベースで40%と前年度を1ポイント下回り、3年ぶりに低下した。
…食料の熱量で計る…コメなどに比べ…熱量の少ない野菜類は自給率への貢献度が低い。
…摂取量は正確に把握できないため供給量で計算しなければいけない…。…供給量には「食べきれずに捨てられた食料」を多く含む。

参考文献:日本貿易会『日本の食糧戦略と商社』東洋経済新報社 2009
P148-
日本では,1年間に約1900万トンの食品廃棄物があり、可食部分の食品ロスは、約500~900万トンと推計されます。
日本では、たくさんの食料が「廃棄」されています。ホテルのバイキング、高級ホテルでの、廃棄されたフォアグラや高級ワイン、宴会での残り物、スーパーやコンビニのお弁当、総菜、生菓子etc,家庭でも、「捨ててしまう食糧」はありますね。
農水省が言っている消費カロリーは、このように廃棄された食糧も含めたものです。これらを含めると、「1人当たり2473キロカロリーを消費している」となります。
日本国民が、実際に1日当たり消費しているカロリーは、厚労省によると、1898キロカロリーです。国民が消費した1898キロカロリーに対し、国産「1人1日当たり国産供給熱量」1012キロカロリーで割ると、自給率は53.3%となります。
このように、自給率は、いかようにでも変わります。生産額自給率では、6割を超えます。
平成22年3月に策定された「食料・農業・農村基本計画」では、平成32年度の食料自給率目標をカロリーベースで50%に引き上げる計画です。
この自給率を上げる方法があります。飼料を国産でまかなうのです。
…09年度で70%あった鶏肉の自給率は、飼料自給率の低さを踏まえ、8%として…計算…。

このグラフをみると、鶏卵など、ほぼ国産ですし、鶏肉も牛乳製品も国産です。ですが、鳥や牛の食べるトウモロコシなどの飼料が輸入なので、自給率で計算すると、国産率は、「激減」します。
だから、
…農水省が生産調整(減反)対象の水田で飼料用米を栽培すれば、自給率引き上げにつながると計算…。
するのです。
日経連載 『ニッポンの農力』シリーズ 引用記事はH22.5.3~4日
…政府が…閣議決定した「食料・農業・農村・基本計画」は減りつづけたコメの生産量を20年度には08年度比11%多い975万トンに引き上げ…。需要が落ち込む主食米は生産調整で減らす一方、飼料米は70万トン、米粉米は50万トンに増やす。50万トンは現在の小麦輸入量の1割に相当する。
08年度産米のうち、飼料米と米粉米の占める割合は、0.1%。これを20年度には12.3%と、100倍以上にする。それで向上する自給率は2%。…必要な財政出動はおよそ8000億円。
自給率を2%アップ、それも、家畜が食べる輸入トウモロコシを、国産米に変えて、達成しようというものです。8000億円かけてです。
APEC閣僚会合 食料危機に備え農産物増産に取り組む「新潟宣言」を採択し閉幕
フジテレビ系(FNN) 10月17日(日)12時25分配信
新潟市で開かれているAPEC(アジア太平洋経済協力会議)の閣僚会合は、食料危機に備え、農産物の増産に取り組む「新潟宣言」を採択し、閉幕した。
APECで初めて食料問題について話し合う今回の閣僚会合では、人口の増加や気候変動による食料危機に備えた農産物の安定供給がテーマになった。
17日に採択された「新潟宣言」には、食料の供給力を上げるため、農村部での貧困の克服に取り組むことや、農業への投資や貿易を円滑に進めることなどが盛り込まれている。
鹿野道彦農水相は「同じ地球に、同じ時代に生きる者として、共に努力していきましょう」と述べた。
APECの宣言には法的な拘束力はなく、今後の行動計画は、各国が自主的に取り組むことになる。
危機など、現実にはありえないので、各国の誰も「宣言」など守るつもりはありません。供給力など、その気になれば、あっという間に上げることが可能です。農業に使える土地など、世界中で余っているのです。
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