『採りたくても採れないゆとり世代 トホホな実力』週刊文春 2010.9.9
『採りたくても採れないゆとり世代 トホホな実力』週刊文春 2010.9.9
「採りたい人材がいれば採りたい。しかし、ここ一、二年、学生のレベルが落ちて、採用枠が埋まらない」
八月某日、上場企業の中堅社員が集まった場で、大手総合商社の人事担当者がそう漏らすと、同調する声が次々と上がった。
深刻さを増す就職難。しかし、企業側からは「採りたくても採れない」との声も挙がっている。今春卒業した大学生の就職率は六〇・八%。前年度比で七・六ポイント悪化し、過去最悪レベルを示した。…学生のレベル低下を指摘する声も多い。
「まず大学生の数が増えたこと。少子化が進み、ランクさえ下げれば、どこかの大学には入れる時代。かつてなら大学に進まなかっただろう学生数が増えている。その結果、全体のレベルは確実に落ちています」人事コンサルタント会社トライアンフの奥原崇行マネージャーは、こう説明する。
18歳人口数と、大学入学者数の推移です。18歳人口は減り続け、大学進学者数は伸びています。

「かつてなら大学に進まなかっただろう学生数が増えている。その結果、全体のレベルは確実に落ちています」とのコメントは、耳が痛いですが、事実でしょう。
大学への進学率は、下記のようになっています。文科省データ

一九八七年の大学卒業生の就職希望者数は二十五万九千人だったが、今春は四十四万七千人まで増えた。少子化か進行しながら、大学生の数は増え続けているのだ(リクルートワークス研究所の調査)。
このグラフは、入学者が、4年後にどれだけ求職しているかを示したものです。

記事の、「一九八七年の大学卒業生の就職希望者数は二十五万九千人」は、昭和59年入学生が1987年に卒業年次となり、求職した数を示します。平成19年度入学生が、平成23年度求職数44万7千人になります。
一方の企業側は、採用の厳選を進めている。
「実は、○六年以降の数年は、大企業も採用を増やしました。景気が回復し、団塊世代の大量退職が始まったからです。しかし、手間とコストをかけても、育たない人材は育たないことが分かってきて、無理して採用しなくなった」(奥原マネージャー)

確かに、19年以降、就職数は増えています。ですが、平成22年大卒就職者数は、同年齢の23.2%です。同じく平成4年大卒就職者数は、同年齢の12.6%です。
「手間とコストをかけても、育たない人材は育たない」のは、同年代の大卒就職者の割合を見ても、理解できそうです。

企業の大卒採用数は、そんなに変化が無いのに、同年代の中で、大卒就職者数の割合は一貫して上昇しています。
…「どこでも学生のレベル低下が言われます。特に“コミュニケーション能力“と”やる気“少子化の下、ゆとり教育を受けてきた学生は、他人と厳しい競争をしていないので、弱いというか……」(総務担当者)
…企業は、”やる気”の無い日本の学生を見放しつつある。…外国人の採用を積極化する企業が増えているのだ。パナソニックは、国内採用数を減らして…グローバル採用数を増やし、武田薬品工業は、世界各国で採用した若手社員…。
「…これからは社内でも、海外の優秀な人材と競争する時代なのです」(前出・総務担当者)
こうした変化を前に、政府の対策…短期プランとしては、試験的に新卒者を雇用する企業に対する助成金の増額等を検討するというが。
この具体策は、以下の記事で紹介されています。
新卒採用 抜本支援』読売H22.8.22
菅首相は21日、追加経済対策を週明けにも取りまとめる考えを示した。
…新卒者対策では…特命チームを首相官邸に設け…短期・中長期プランをまとめる。
短期プランは、今年4月に就職できなかった人や来年の新卒者への就職支援として、追加経済対策に盛り込む。
…中長期プランは、「すべての高校・大学新卒者が雇用される社会」に向け、「行政、学校、企業、地域全般にわたる政策と位置づけ…11年度予算編成時にとりまとめる。
「大企業は、コスト削減を徹底しているし、採用を増やす見込みはありません。目先の助成金で、雇用を押し付けられても困るのです」(同前)
企業は、国から、雇用を押しつけられたら困ると考えているようです。
「採りたい人材がいれば採りたい。しかし、ここ一、二年、学生のレベルが落ちて、採用枠が埋まらない」
八月某日、上場企業の中堅社員が集まった場で、大手総合商社の人事担当者がそう漏らすと、同調する声が次々と上がった。
深刻さを増す就職難。しかし、企業側からは「採りたくても採れない」との声も挙がっている。今春卒業した大学生の就職率は六〇・八%。前年度比で七・六ポイント悪化し、過去最悪レベルを示した。…学生のレベル低下を指摘する声も多い。
「まず大学生の数が増えたこと。少子化が進み、ランクさえ下げれば、どこかの大学には入れる時代。かつてなら大学に進まなかっただろう学生数が増えている。その結果、全体のレベルは確実に落ちています」人事コンサルタント会社トライアンフの奥原崇行マネージャーは、こう説明する。
18歳人口数と、大学入学者数の推移です。18歳人口は減り続け、大学進学者数は伸びています。

「かつてなら大学に進まなかっただろう学生数が増えている。その結果、全体のレベルは確実に落ちています」とのコメントは、耳が痛いですが、事実でしょう。
大学への進学率は、下記のようになっています。文科省データ

一九八七年の大学卒業生の就職希望者数は二十五万九千人だったが、今春は四十四万七千人まで増えた。少子化か進行しながら、大学生の数は増え続けているのだ(リクルートワークス研究所の調査)。
このグラフは、入学者が、4年後にどれだけ求職しているかを示したものです。

記事の、「一九八七年の大学卒業生の就職希望者数は二十五万九千人」は、昭和59年入学生が1987年に卒業年次となり、求職した数を示します。平成19年度入学生が、平成23年度求職数44万7千人になります。
一方の企業側は、採用の厳選を進めている。
「実は、○六年以降の数年は、大企業も採用を増やしました。景気が回復し、団塊世代の大量退職が始まったからです。しかし、手間とコストをかけても、育たない人材は育たないことが分かってきて、無理して採用しなくなった」(奥原マネージャー)

確かに、19年以降、就職数は増えています。ですが、平成22年大卒就職者数は、同年齢の23.2%です。同じく平成4年大卒就職者数は、同年齢の12.6%です。
「手間とコストをかけても、育たない人材は育たない」のは、同年代の大卒就職者の割合を見ても、理解できそうです。

企業の大卒採用数は、そんなに変化が無いのに、同年代の中で、大卒就職者数の割合は一貫して上昇しています。
…「どこでも学生のレベル低下が言われます。特に“コミュニケーション能力“と”やる気“少子化の下、ゆとり教育を受けてきた学生は、他人と厳しい競争をしていないので、弱いというか……」(総務担当者)
…企業は、”やる気”の無い日本の学生を見放しつつある。…外国人の採用を積極化する企業が増えているのだ。パナソニックは、国内採用数を減らして…グローバル採用数を増やし、武田薬品工業は、世界各国で採用した若手社員…。
「…これからは社内でも、海外の優秀な人材と競争する時代なのです」(前出・総務担当者)
こうした変化を前に、政府の対策…短期プランとしては、試験的に新卒者を雇用する企業に対する助成金の増額等を検討するというが。
この具体策は、以下の記事で紹介されています。
新卒採用 抜本支援』読売H22.8.22
菅首相は21日、追加経済対策を週明けにも取りまとめる考えを示した。
…新卒者対策では…特命チームを首相官邸に設け…短期・中長期プランをまとめる。
短期プランは、今年4月に就職できなかった人や来年の新卒者への就職支援として、追加経済対策に盛り込む。
…中長期プランは、「すべての高校・大学新卒者が雇用される社会」に向け、「行政、学校、企業、地域全般にわたる政策と位置づけ…11年度予算編成時にとりまとめる。
「大企業は、コスト削減を徹底しているし、採用を増やす見込みはありません。目先の助成金で、雇用を押し付けられても困るのです」(同前)
企業は、国から、雇用を押しつけられたら困ると考えているようです。
スポンサーサイト
theme : マクロ経済学 ミクロ経済学
genre : 政治・経済