浜矩子 週間エコノミスト 2010.6.29号

浜矩子 週間エコノミスト 2010.6.29号
『問答有用』


編集部
日本経済は、なかなか長い不況から抜け出すことができず、デフレ脱却の見通しも立たない。
 そんななか、『文藷春秋』09年10月号に載った浜さんの論文が、ちょっとした物議をかもした。タイトルは「ユニクロ栄えて国滅ぶ」。果てしない「価格破壊」が続けば社会全体を壊してしまう。自分さえ良ければということではなく、もっと新しい知恵を出さなければ…という内容だった。あの真意はどこにあったのでしようか。

浜 
ユニクロには、何の恨みもありません。文蔡春秋編集部の実にうまいタイトルのつけ方でしたね。
 問題は、ユニクロが栄えた結果として、「国破れて」もそこに「山河」が残るかどうかでしょう。大切なのは人で、人なくして国もない。「ネーション・ステート」の本質は、国家は国民に奉仕する存在であるということです。
 だから、人が幸せならば、国も自ずと幸せなはず。もし仮に日本国なるものが、がっちり求心力を持ってしまった結果、そのなかで人が不幸になるようであれば、こんなに許せないものはない。要は「国破れても市民あり」なのであって、そこに市民がいれば、国もまた破れるはずはないのです。

編集部
長く海外から日本を見てきたから、逆に日本に対する思い入れは強いのかとも思っていましたが。

浜 
日本への愛着はありますが、つまりは国というものの存在よりも、人が幸せになるということに絶対的な価値があると思うわけです。
 世界経済は、2008年のりリーマン・ショック以降、「グローバル恐慌」の時代に入っています。世界経済は、あらゆる事象がすぐに伝播し、相互にリンクした「グローバル」な時代になりました。だから、さまざまなことが国に縛られるのではない世界、本質は国より市民である、という時代になっていると思います。 
 このような問題意識に立っていま考えていることは「グローバル市民主義」という世界のあり方です。「グローバル恐慌」を経験した後にあるべき世界はこれではないかと思う。グローバルな時代においては、何国人であっても、共存し、共栄し、共生していくということが必要ではないか。また、そうでなければ、次の世界はありえないのではないかと考えています。
 この「グローバル市民主義」という考え方をもっと理論的に確立させていくことが、現在の関心の中心です。


 すみません。経済学部の教授なので、経済学者だと思っていました。「幸せ」という価値観の世界に生きる、哲学者だったんですね。

とすれば、ユーロ圏の崩壊が合理的な帰結だ。その確率は7割程度と見ている」とする、『世界経済大乱』週間東洋経済 2010年6月5日号の発言は、 ですね。

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