新聞の間違い 2 『中国経済 転換なるか 輸出依存を内需主導に』日経H22.5.1
<新聞の間違い 2 日経H22.5.1>
下原口徹『中国経済 転換なるか 輸出依存を内需主導に』 (数字は筆者挿入)
上海国際博覧会(上海万博)は中国の経済成長を世界に示すとともに、①経済構造を投資・輸出依存型から、消費・内需主導型に変える起爆剤の役割も担う。…世界中が巨大化する中国経済とのかかわりを深めており、内需型転換の行方に注目している。
…②大阪万博後の日本は、内需拡大が十分に進まず、米欧との貿易摩擦が続いた。規模では当時の日本をはるかに上回る中国経済の内需型への転換が滞れば、摩擦激化で世界経済は不安定さを増す。
<日本は内需拡大で成長した>
…②大阪万博後の日本は、内需拡大が十分に進まず、米欧との貿易摩擦が続いた。
5月6日に引き続き、「経済の全体像」が分からずに解説すると、「一般的な経済理解=要するに誤解(専修大学 野口旭先生流にいうと、「トンデモ経済学」)」に突っ走るという一例です。
日本は、「外需で経済成長」したのではありません。新聞記事の言う、大阪万博(1970)以後の、バブル経済直前までの、日本の内需と外需です。

「内需=GDP-貿易収支(外需)」です。これのどこが、「内需拡大が進まず」なのでしょうか?

このグラフの赤い部分が「外需」です。内需は安定しています。日本のGNP(当時の統計)にとって、外需の割合は、「きわめて低い」のです。
日本の高度成長も、同じです。「内需拡大」で達成したのです。貿易赤字の年でも「内需は拡大」しているのです。

日本は,高度成長期,GNPが,平均して年率10%成長する経済成長を達成しました。国際的にも極めて高い経済成長率です。
しかし,「貿易黒字」は,GNPに対して,ごくわずかの額にとどまっています。なおかつ,1960年と,1963年は,「貿易赤字」です。簡単に言うと,われわれの給与総額(GNP・GNI)は「貿易赤字」の年も拡大しています。高度成長は「輸出拡大による貿易黒字増大」によって,達成したのではないのです。
日本は,内需の拡大で経済成長しました。日本が経済成長を達成したのは,国内市場の拡大によるものです。
貿易額だけに目をやると、その額が巨大なので、誤解します=貿易摩擦。 「木を見て森を見ず」の経済理解による新聞記事の一例です。
下原口徹『中国経済 転換なるか 輸出依存を内需主導に』 (数字は筆者挿入)
上海国際博覧会(上海万博)は中国の経済成長を世界に示すとともに、①経済構造を投資・輸出依存型から、消費・内需主導型に変える起爆剤の役割も担う。…世界中が巨大化する中国経済とのかかわりを深めており、内需型転換の行方に注目している。
…②大阪万博後の日本は、内需拡大が十分に進まず、米欧との貿易摩擦が続いた。規模では当時の日本をはるかに上回る中国経済の内需型への転換が滞れば、摩擦激化で世界経済は不安定さを増す。
<日本は内需拡大で成長した>
…②大阪万博後の日本は、内需拡大が十分に進まず、米欧との貿易摩擦が続いた。
5月6日に引き続き、「経済の全体像」が分からずに解説すると、「一般的な経済理解=要するに誤解(専修大学 野口旭先生流にいうと、「トンデモ経済学」)」に突っ走るという一例です。
日本は、「外需で経済成長」したのではありません。新聞記事の言う、大阪万博(1970)以後の、バブル経済直前までの、日本の内需と外需です。

「内需=GDP-貿易収支(外需)」です。これのどこが、「内需拡大が進まず」なのでしょうか?

このグラフの赤い部分が「外需」です。内需は安定しています。日本のGNP(当時の統計)にとって、外需の割合は、「きわめて低い」のです。
日本の高度成長も、同じです。「内需拡大」で達成したのです。貿易赤字の年でも「内需は拡大」しているのです。

日本は,高度成長期,GNPが,平均して年率10%成長する経済成長を達成しました。国際的にも極めて高い経済成長率です。
しかし,「貿易黒字」は,GNPに対して,ごくわずかの額にとどまっています。なおかつ,1960年と,1963年は,「貿易赤字」です。簡単に言うと,われわれの給与総額(GNP・GNI)は「貿易赤字」の年も拡大しています。高度成長は「輸出拡大による貿易黒字増大」によって,達成したのではないのです。
日本は,内需の拡大で経済成長しました。日本が経済成長を達成したのは,国内市場の拡大によるものです。
貿易額だけに目をやると、その額が巨大なので、誤解します=貿易摩擦。 「木を見て森を見ず」の経済理解による新聞記事の一例です。
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