国債は借金ではない 新聞を解説(7)

日経新聞 『大機小機』H21.4.15
…政府は国の借金は昨年末で846兆円と発表した。これは国民総支出(筆者注:GNE=GDP国民総生産=GNI国民総所得のこと、約510兆円)を上回る規模である。政府はこれほど借金が多くては国が破産するといって国債発行を減らしてきたが、昨年秋…増加に転じた。
…所得を上回るほどの借金を抱えながらそれが年々増加していくとしたら、民間企業であれば破産する。…しかし国の借金と企業の借金とでは全く違う。国の公債が多いということは、国民が公債を買い、その金融資産が増えるということである。だから国は破産しない現在のように国の需要が供給力に及ばず、不況が激しくなっているときには、国が需要を生み出すべきである。
 政府の発表では国の潜在成長力に対し、需要は20兆円不足している。…政府支出は乗数効果(注)を持ち、民間の投資や消費も増えるだろう。政府は思い切って公債を発行し、政府支出を増やすべきである。

(注)消費者が収入の6割を消費し,4割を貯蓄すれば,乗数効果(1/1-C:Cはこの場合0.6)により消費は2.5倍に増えるとされています。道路を舗装する→業者はペイントを買う→ペイント業者は生産を拡大する→ペイント用石油が売れる・・・と消費が波及することを,ケインズ経済学では乗数効果と言います。 ただし、乗数効果が存在するかどうかは、論争中です。

 国は破産しない そのとおりです。

岩村充 『貨幣の経済学』集英社 2008 p153 
 「国はいくら国債を発行しても倒産することはないと考えて良いのでしょうか。結論から言えばそのとおりです。現代の管理通貨制の下では自国通貨建ての国債をいくら発行してもそれが理由で国が倒産することはありえ (下線部筆者)」ないのです。 同書では,「国債は政府の株式」に例えられています。
 
  英国は財政赤字のGDP比が200%を越えていた時期があります。でも破綻してはいません.三面等価
 図を見てわかるように、国民が貯蓄したお金が国債費に充てられています。(G-T)は「政府(国・地方)が使ったお金-税金」ですから、公債のことです。国民の預貯金=国債費(国民からすれば国債の購入費)=国内で生産されたモノ・サービスの購入費です。
 生産されたモノ・サービスを国民が買うか、政府が買うかの違いです。売り手からすれば、どっちに買ってもらってもかまいません。国債は政府の借金=国民の財産なのです。ですから、「国は破産しない」のです。

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