日経H22.3.2  『米製薬に敵対的TOBアステラス最大3100億円』

日経H22.3.2 『米製薬に敵対的TOBアステラス最大3100億円』

 アステラス製薬は1日、米ナスダック上場の医薬品メーカーOSIファーマシューティカルズにTOB(株式公開買い付け)を提案したと発表した。
…全株取得を目指しており、買い付け総額は最大で約35億ドルに達する見通し。買い付け価格は1株あたり52ドルで、 OSI株の2月26日の終値に対して40%、直近3ヶ月の終値の平均値から53%のプレミアムをそれぞれ上乗せした。買い付け期間は米国時間の3月2日から31日まで。応募株数が過半に達しない場合は買い付けを取り止める。…アステラスは昨年2月に書面で買収を提案したが、 OSIはアステラスとの協議を拒否した。


<TOBとは>

 企業のM&A(吸収・合併)を行う際に、株式を取得して行うという方法です。5%を超える株式の取得を目指す場合、TOB(公開買い付け)をしなければいけない(H19~)ことになりました。経営権の移転に関する情報開示・株主平等の原則・コントロールプレミアムの平等分配の3つが趣旨とされています(ウィキペディア参照)

 これは、ライブドア事件や、村上ファンド事件の反省によるものです。市場外取引や、時間外取引という手段では、それを知らない株主の権利を損なうからです。

 自社の株を自社で買う場合(株式非上場や、発行株式数減を目的)にも、採用されます。

 「買い付け価格は1株あたり52ドルで、 OSI株の2月26日の終値に対して40%、直近3ヶ月の終値の平均値から53%のプレミアムをそれぞれ上乗せした」というプレミアムですが、「現在の株価よりも、40%ないし53%の上乗せ金額で買い取る」ということです。

 株式保有者は、この「プレミアム」を見て、「株式を売った方がよいか、保持した方が良いか」を考えることになります。「40%ないし53%の上乗せ金額」ということは、アステラスにとって、相当魅力のある会社と言えそうです。
 
 このTOBですが、現金ではなくても、株式の交換で出来るようになりました。
 
 外国のA社が日本にa子会社を設立します。a子会社がB社を合併します。その際、B社の株主に、A社の株を交付することができるようになりました(A社とB社の株式を交換)。これを「三角合併」といいます。
 外国の会社の中には、日本の会社の時価総額を上回る会社はたくさんあります。
 韓国のサムスン電子は、時価総額111兆ウォン(約8兆5千億円:2010年2月現在 参照ウィキペディア)です。パナソニック3.4兆円、ソニー3.1兆円、東芝1.8兆円(2010年2月参考)ですから、サムスン電子は、理論上、日本の企業を買収することは可能です。

 一昨年の金融危機以来、他社の株式を保有するリスクが強まり、買収防衛策としての株式持合いは、今後も減ることが予想されています。

 さらに、現在話し合われている国際会計基準の見直しでは、「株式の配当や売却益を、利益に計上できない」という案も示されています。

日経『持ち合い株 保有目的を』H22.3.7
・・・国際会計基準の見直し作業・・・持合株の時価変動を反映させる会計処理を選んだ場合には、売却損益などを純利益に計上することは認めないとする新ルールを決めた。・・・企業は持ち合い株の売却益で都合よく純利益をかさ上げするといった処理は出来なくなる。大手商社などの企業やメガバンクの一角では、保有株を圧縮する動きが表面化し始めた。


http://www.shouken-toukei.jp/statistics/pdf/12_01.pdf#search='株式保有比率' 
株式保有割合

新光総合研究所 「クオンツタイムリー情報」2009年4月2日
TOB
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