新聞の間違い(41) 日経H22.2.2『韓国1年ぶり貿易赤字に』

<新聞の間違い>

日経H22.2.2『韓国1年ぶり貿易赤字に』
…1月の輸出入動向によると、貿易収支が4億7000万ドルの赤字となった。赤字は昨年1月以来1年ぶり。半導体の製造設備や自動車部品などの輸入が大幅に増えたのが響いた

日経H22.2.6『中国経常黒字昨年は35%減』
…経常黒字は前年を35%下回る2841億ドルだった。世界的な金融危機を受けた貿易黒字の縮小が響いた


<貿易黒字は良い、赤字は悪いという誤解>

 日経新聞でさえ、「貿易黒字は良い、赤字は悪い」という間違い記事を掲載します。「貿易黒字は良い、赤字は悪い」と考えているから、「赤字になった。○○が響いた」とか、「黒字は前年を下回った。○○が響いた」と書きます。「響いた」というのは、否定的な表現です。「優勝した。○○選手の活躍が響いた」とか、「黒字になった。○○商品が、前年比50%増になったのが響いた」とは書きません。

「貿易黒(赤)字は経済成長とは無関係」です

経常収支黒字=②資本収支赤字(資本収支・外貨準備・誤差脱漏)
経常収支赤字=②資本収支黒字(資本収支・外貨準備・誤差脱漏) 

 ですから、「貿易黒字=お金の海外への貸し出し」「貿易赤字=海外からのお金の国内流入」なので、「貿易黒字はもうけ、赤字は損」ではありません。大切なのは、「GDP増」です。

以下は、以前掲載した記事です。

新聞の間違い 日経 H21.7.30 『韓国 資本収支7770億円黒字』

(1)『韓国 資本収支7770億円黒字』

韓国銀行が29日発表した1~6月の国際収支によると、資本収支が82億3000万ドル(約7770億円)の黒字となった。昨年7~12月は米金融危機をきっかけに466億ドルの大規模な赤字に陥っていた。


<国際収支表の原則>

 国際収支は、複式簿記という記入方法で書かれている、会社で言う「貸借対照表=バランスシート」のことです。商業科に通っている高校生なら、すぐに理解できます。
 モノ・サービスを売買すると、必ず同額のカネが動きます。ですから、モノ・サービスを売ると、貸し方(+)に記載された同額が、借り方(-)にも記載されます。ですから、経常収支黒字額=資本収支赤字になるのです。モノ・サービス金額=カネ金額です。
だから、2007年の日本は
国際収支表となるのです。△は外国カネ(資産)増と覚えれば間違いないでしょう。ドル・ユーロや、外国国債、外国社債、外国株の購入額のことです。貿易黒字=外国への資金提供のこと(国内に還元しないカネ)なのです。ですから、「貿易黒字はもうけ」ではありません。

①経常収支黒字=②資本収支赤字(資本収支・外貨準備・誤差脱漏)
①経常収支赤字=②資本収支黒字(資本収支・外貨準備・誤差脱漏)

この式が、常に成り立ちます。資本収支も、「黒字が良い」「赤字が悪い」ということではありません。


 中国が、「経常黒字2841億ドル 資本黒字1091億ドル」ということは、外貨準備△3584億ドルになります。中国が、外貨準備をがんがん増やし、世界一になっているのは、このような背景があります。でも、外貨準備増も「いいとか、悪いとかの話」ではありません。中国政府・中銀の持っている外貨が膨らんでいるということで、市場は逆に「元」があふれて、インフレ傾向になっています
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経常収支黒字=資本収支赤字なのに中国が両方とも黒字の具体的な理由を簡単に説明してもらうことは可能でしょうか。宜しくお願いします。

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2010.2.21 の記事をご覧下さい。
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