fc2ブログ

新聞を解説 越渓『大機小機 雇用を増やす政策とは』日経H22年1月○○日(日にち喪失)

新聞を解説 越渓『大機小機 雇用を増やす政策とは』日経H22年1月○○日(日にち喪失)

…10年度予算案では税収よりも公債費などが多くなり、10年度末の公債額は国と地方を合わせて862兆円に達し,GDPの1.8倍になるという。…公債はそれを買う国民の金融資産の増加なのであり、国民の負担ではない。現在10年物国債の金利が低いのは、国民が国債を最も安全な金融資産だと考えているからである。公債の増大の危険をむやみにとなえれば、国民の公債に対する信頼を損なってしまう。


<公債は国民の財産>

 そのとおりです。

 正解は、「国債は政府の借金=国民の財産」です。これらの借入金を買っているのは誰でしょう?それは我々1人1人の国民なのです。約846兆円のうち、94%=約795兆円は、我々日本人が持っているのです(単純計算です。国債を海外が購入している、6%という数値を使用しました)。簡単に言えば、約1500兆円に及ぶ、日本人の個人資産の約53.%は国の借入金なのです。

国民資産
日経21.6.27
国債購入者 日経21.6.27

 貯蓄Sが、①企業の借金:I・②政府の借金:G-T・③外国の日本に対する借金:EX-IMの原資です。国民が、政府に貸しているのです。

帝国書院『アクセス現代社会2009』P134 家計の金融資産残高の推移帝国書院『アクセス現代社会2009』P134 家計の金融資産残高の推移.jpg

三面等価 2008

 C+I+G+(EX-IM)が、GDPの支出側すべてです。C=家計、私たちひとり一人です。I は企業中心の投資です。G は政府です。(EX-IM)は純輸出=外国です。お金を払ってモノを買ってくれるのは、家計・企業・政府・外国しかありません。政府が国債を払っても、支出拡大を、景気回復をしようというのが、財政政策です。

今年度の米財政赤字予測、過去最大の1.6兆ドルに
2月1日8時28分配信 ロイター
 [ワシントン 31日 ロイター] 米ホワイトハウスは、2月1日の予算教書で、今会計年度(2009年10月─10年9月)の財政赤字が過去最大の1兆6000億ドルになるとの予測を示す。米議会関係者が31日、ロイターに明らかにした。
 財政赤字は2013年度までに7000億ドルに縮小した後、穏やかに増加し、2020年度に1兆ドルになるとの予測を示す。
 ホワイトハウスの行政管理予算局(OMB)の予測は、米経済が深刻なリセッション(景気後退)から回復しつつあるなか、今後10年間の財政については暗い先行きを示す。
 今年度の財政赤字予測は、過去最大となった09年度の1兆4000億ドルを上回る規模で、これは赤字が国内総生産(GDP)比ベースで第二次世界大戦以来の高水準で推移することを意味する


 アメリカが、1兆6000億ドル(1ドル90円で、144兆円)の財政赤字というのは、アメリカが過去最高規模の財政出動をしているということです。日本はちなみに44兆円(22年度予算)です。
 アメリカの国債は、外国人が買っています。ですが、アメリカ人は歳出増をためらいません。

岩村充 『貨幣の経済学』集英社 2008 p153 
「国はいくら国債を発行しても倒産することはないと考えて良いのでしょうか。結論から言えばそのとおりです。現代の管理通貨制の下では自国通貨建ての国債をいくら発行してもそれが理由で国が倒産することはありえ (下線部筆者)」
ないのです。

 同書では,「国債は政府の株式」に例えられています。また、国債は通貨制度のアンカー(昔の金本位制度における金)だと喝破しています。

三面等価の(G-T)部分を見てください。 財政赤字は、6兆1315億円です。消費税1%は、2兆5千億~3兆円相当です。
 消費税を2~3%上げれば、(全部で7~8%の税率)基礎的財政収支は黒字になり、まあったく問題ないのです。
(社会保障費が今後増えるので、予算が増大するなら、それらを含めても、消費税10%程度で十分です)

スポンサーサイト



theme : 間違いだらけの経済教育
genre : 学校・教育

comment

Secret

カレンダー
プルダウン 降順 昇順 年別

10月 | 2023年11月 | 12月
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -


FC2カウンター
カテゴリ
記事を検索する
「国債」 「公債」 「食糧」 「貿易黒字」などで検索して下さい
プロフィール

菅原晃

Author:菅原晃
中高の教科書でわかる経済学 マクロ篇 発売です!

中高の教科書でわかる経済学 マクロ篇

中高の教科書でわかる経済学 ミクロ篇 発売です!

中高の教科書でわかる経済学 ミクロ篇


図解 使えるミクロ経済学 発売です!

図解 使えるミクロ経済学

図解 使えるマクロ経済学 発売です!

図解 使えるマクロ経済学


高校生からわかるマクロ・ミクロ経済学発売です!

高校生からわかるマクロ・ミクロ経済学


経済教育学会 
経済ネットワーク 会員
行政書士資格


注 コメントする方へ

このブログでは、個人的なご意見・ご感想(価値観 正しい・間違い、好き嫌い、善悪)は、千差万別で正誤判定できないことから、基本的に扱っておりません。
意見は書き込まないで下さい。こちらの見解(意見)を尋ねる質問も、ご遠慮願います。
経済学は学問ですので、事実を扱い、規範(価値観)は扱っていません。事実に基づく見解をお願いいたします。
カテゴリ『コメントに、意見は書かないで下さい』を参照願います。
なお、はじめてコメントする方はコメント欄ではなく「質問欄」からお願いいたします。

ご質問・ご意見(非公開でやりとりできます)
内容・アドレス表示されず、直接やりとりできます。

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
最新記事
最新コメント
検索フォーム
月別アーカイブ