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新聞の間違い 剣が峰 その2 大機小機  『売り手から買い手へ』日経22年1月16日 

 剣が峰さんの暴走が続いています。

新聞の間違い 『売り手から買い手へ』日経22年1月16日 大機小機 剣が峰

…米国消費はいまだに回復への兆しが見られないままでである。
…1990年代半ばからの強いドル政策も功を奏し、米国はやすく輸入できるメリットを生かして、最後の買い手として世界経済のけん引役を担ってきた。
…中国やインドなどのアジア市場…日本の企業も政府もアジア諸国を買い手として意識・・・
日本がまた売り手の立場に甘んじていることを意味する。買い手の条件を十分に備えているにもかかわらず…。
…買い手になる条件…
…第一に、日本は世界最大の対外純債権国である…。…対外債権が永遠に拡大し続けることはない。買い手の資金はいずれ枯渇するからだ。債権大国が自国の製品を売り続けるためには、自らが買い手とならなければならない。
…2番目の条件…
…端的に言えば、日本の消費者が求めるものが世界に広く受け入れられ生活のありようにも大きな影響を与えている…。こうした役割を果たす国では消費者が積極的な買い手となり…新製品の創出に貢献できる。
その結果内需による経済成長が可能となる。


何を言っているのか、さっぱり分かりません

1 日本は「売り手から買い手」へなる(あるいはなるべき)だ。
2 その理由は、いずれ対外債権がなくなるからだ。
3 買い手になれる条件は十分にある。
4 その1 対外債権があること
5 その2 日本独自の新製品があること

ということらしいのですが。

1 日本は貿易赤字の国=資本収支黒字の国になれ。
2 今ある、対外債権は、いずれなくなるから、今のうちに内需の国になれ。
3 大丈夫、日本製品はよいものだ

ですかね?

<その2 内需の国になる>

日本はとっくに内需の国です。
内需・外需

 この棒グラフで、上のほうで、かぶさっているように見える赤いフタ。これが、「貿易立国?の正体=貿易黒字」です。
 
 この10年間で、日本の外需(貿易黒字)のGDPに占める割合が一番多かったのは、2004年の1.93%です。同年の外需(貿易黒字)額は9兆6,260億円、GDPは498兆3,284億円(内閣府データ)です。
 リーマン・ショックに端を発した、世界的大不況に飲み込まれた2008年にいたっては、わずか0.145%です(外需7,356億円、GDP 505兆1,119億円 同)。

内需99.855% 外需0.145%
 この赤いフタ部分だけを抽出すると、下記のグラフになります。
貿易黒字 1997~

「日本は8兆円もの黒字を出している!」となります。比較対象がないから、大きな数字に見えますが、「貿易黒字=1.67%」という割合は、体重60キロの人にとって、1002グラム相当です。無理すれば、2日で、ダイエットできる数値です。このような数字は、日本経済にとってほとんど「誤差」に均しく、この貿易黒字を「減らせ」だの、「内需拡大を」だのと言っているのは、体重60キロの人の100グラムについて、「あーだこーだ」と言っているに過ぎません。日本は、巨大な「内需」の国なのです。

日本は、貿易で伸びてきたのではなく、内需拡大で経済成長した国なのです。
高度成長期の「内需・外需」
内需と外需

 高度成長も同じです。日本は、「内需拡大」したのです。「赤いふた=貿易黒字」どころか、1961年と1963年は、「貿易赤字」です。しかし、GNP(当時)は拡大しています。簡単に言うと、われわれの給与は「貿易赤字」の年も拡大しているのです。

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genre : 学校・教育

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