麻生圭子 『緑と暮らす』 週刊新潮H21.11.21号

麻生圭子 緑と暮らす 週刊新潮H21.11.21号

 結婚を機に京都に移ったエッセイストの麻生圭子さん。…この家は…長いこと空家だったものを借り受けた。08年、国の登録有形文化財に。築80年、敷地200坪。
 引き戸から玄関にいたるまでおよそ60メートルにも及ぶ路地、座敷庭、そして茶庭と、3つもの大きな緑の空間がある。なかでも茶室に隣接して造られたご覧の茶庭は規則が多く、花が咲いたり香りの強い木は植えてはならない…。
 一番の手間は、地面一面にびっしりと生えている苔。『土を10センチ程入れ替えて、丹精込めお水遣りを繰り返し、2年かかってやっとこのように…』
 「ここに住み、あるがままを受け入れています。でも自然のままにしていたら庭にはならない。手のかかる自然なんです。そして自然は思い通りにならなくて、ある種、諦観を感じ…


日本人の自然.jpg


<日本人の「自然」は手入れによって顕在化>

和辻哲郎『風土』岩波新書 1988
p225~
 …我々は日本の庭園において自然の美の醇化・理想化を見いだす。…日本の庭園は決して自然のままではないのである。ヨーロッパの自然が自然のままでも決して荒れた感じにならないのに対して、日本の自然は自然の形においては実に雑然と荒れ果てた感じになる。ヨーロッパの牧場ほどに整然とした感じの緑草の原を作るためには、日本においては除草や草刈りや排水の配慮や土の固まり方などについて不断の注意手入れを怠ることが出来ぬ。…日本においては数十倍の人間の努力を必要とする。

 …大徳寺真珠庵方丈の庭、玄関先、桂離宮の玄関先…この杉苔は自然のままではこのように一面に生いそろうことのないものである。それはただ看護によって得られた人工的なものにほかならぬ。

 …起伏する柔らかい緑と堅い敷石との関係にも庭づくりは非常な注意を払っている。敷石の面の刻み方、その形、その配置、-面を平面にし、形を方形にするようなことも、幾何学的なシンメトリーとして統一を得るためではなく、苔の柔らかい起伏に対する対象のためである。

 …種主の形の自然石、大小の種主の植物、水―これらはすべてできるだけ規則正しい配列を避けつつしかも一分の隙もない布置においてまとめられようとする。…このような複雑なまとめ方はすべて幾何学的な規則正しさによってはなし得ないものである。


 日本人は自然を「ありのままに」愛でるのではなく、 「自然が本来持っている純粋な状態」を看護して現出させそれを愛でるのです。人工的自然美ですね。
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