新聞の間違い(39) 編集委員 鈴置高史『韓国の“不気味な”資本収支』日経H21.10.19
編集委員 鈴置高史『韓国の“不気味な”資本収支』日経H21.10.19
…激しい「韓国売り」により、昨年1年間で509億ドルの赤字に上った資本収支は今年4月以降黒字基調…1~8月の累計は158億ドル…。株価は昨年夏の水準まで戻し、地価もうなぎ昇りだ。
…昨年後半以降の通貨安を背景に…輸出が急伸…GDP成長率(年率)は前期比10.8%を記録した。…韓国には景気が良くなると貿易収支が悪化するという“持病”。…韓国の場合貿易黒字が減っても、好景気を目がけたホットマネーが入り込み続け、資本収支の黒字が膨らんで通貨高が続くことが多い。
…第3四半期の貿易黒字は108億ドルと前期比39%減。3月に1ドル=1570ウオン台だったウオンは1200ウオンを割る…。…韓国政府が…神経をとがらせ始めたのも無理はない。
なんでしょう。「貿易収支が悪化する」とか、景気回復しているのに、貿易黒字が縮小はまずい、ウオンが高くなったらまずいとか。
1「貿易黒(赤)字は経済成長とは無関係」
①経常収支黒字=②資本収支赤字(資本収支・外貨準備・誤差脱漏)
②経常収支赤字=②資本収支黒字(資本収支・外貨準備・誤差脱漏)
ですから、「貿易黒字=お金の海外への貸し出し」「貿易赤字=海外からのお金の国内流入」なので、「貿易黒字はもうけ、赤字は損」ではありません。
大切なのは、「GDP増」です。韓国はGDP増ですよね。「貿易黒字が縮小しようが、海外マネーが入ってこようが、」喜ばしいことなのですが。
以下は、以前掲載した記事です。
新聞の間違い 日経 H21.7.30 『韓国 資本収支7770億円黒字』
(1)『韓国 資本収支7770億円黒字』
韓国銀行が29日発表した1~6月の国際収支によると、資本収支が82億3000万ドル(約7770億円)の黒字となった。昨年7~12月は米金融危機をきっかけに466億ドルの大規模な赤字に陥っていた。
<国際収支表の原則>
国際収支は、複式簿記という記入方法で書かれている、会社で言う「貸借対照表=バランスシート」のことです。商業科に通っている高校生なら、すぐに理解できます。
モノ・サービスを売買すると、必ず同額のカネが動きます。ですから、モノ・サービスを売ると、貸し方(+)に記載された同額が、借り方(-)にも記載されます。ですから、経常収支黒字額=資本収支赤字になるのです。モノ・サービス金額=カネ金額です。
だから、2009年7・8月の日本は

となるのです。△は外国カネ(資産)増と覚えれば間違いないでしょう。ドル・ユーロや、外国国債、外国社債、外国株の購入額のことです。貿易黒字=外国への資金提供のことなのです。ですから、「貿易黒字はもうけ」ではありません。
①経常収支黒字=②資本収支赤字(資本収支・外貨準備・誤差脱漏)
②経常収支赤字=②資本収支黒字(資本収支・外貨準備・誤差脱漏)
この式が、常に成り立ちます。
2009年1~6月期の韓国の場合、「経常収支217.5億ドル黒字 資本収支82,3億ドル黒字」です。
①経常収支217.5=②資本収支赤字(資本収支82.3・外貨準備△299.8)となります(誤差脱漏は無視)。
韓国の中央銀行・政府が保有する外貨が299.8億ドル増えたことを示します。外貨ですから、韓国国内には、還元しない「カネ」です。
貿易黒字(経常収支黒字)は、「もうけ」ではありません。同様に、「赤字は損」ではありません。経常赤字額=その国への外国からの投資額のことです。
資本収支も、「黒字が良い」「赤字が悪い」ということではありません。
…激しい「韓国売り」により、昨年1年間で509億ドルの赤字に上った資本収支は今年4月以降黒字基調…1~8月の累計は158億ドル…。株価は昨年夏の水準まで戻し、地価もうなぎ昇りだ。
…昨年後半以降の通貨安を背景に…輸出が急伸…GDP成長率(年率)は前期比10.8%を記録した。…韓国には景気が良くなると貿易収支が悪化するという“持病”。…韓国の場合貿易黒字が減っても、好景気を目がけたホットマネーが入り込み続け、資本収支の黒字が膨らんで通貨高が続くことが多い。
…第3四半期の貿易黒字は108億ドルと前期比39%減。3月に1ドル=1570ウオン台だったウオンは1200ウオンを割る…。…韓国政府が…神経をとがらせ始めたのも無理はない。
なんでしょう。「貿易収支が悪化する」とか、景気回復しているのに、貿易黒字が縮小はまずい、ウオンが高くなったらまずいとか。
1「貿易黒(赤)字は経済成長とは無関係」
①経常収支黒字=②資本収支赤字(資本収支・外貨準備・誤差脱漏)
②経常収支赤字=②資本収支黒字(資本収支・外貨準備・誤差脱漏)
ですから、「貿易黒字=お金の海外への貸し出し」「貿易赤字=海外からのお金の国内流入」なので、「貿易黒字はもうけ、赤字は損」ではありません。
大切なのは、「GDP増」です。韓国はGDP増ですよね。「貿易黒字が縮小しようが、海外マネーが入ってこようが、」喜ばしいことなのですが。
以下は、以前掲載した記事です。
新聞の間違い 日経 H21.7.30 『韓国 資本収支7770億円黒字』
(1)『韓国 資本収支7770億円黒字』
韓国銀行が29日発表した1~6月の国際収支によると、資本収支が82億3000万ドル(約7770億円)の黒字となった。昨年7~12月は米金融危機をきっかけに466億ドルの大規模な赤字に陥っていた。
<国際収支表の原則>
国際収支は、複式簿記という記入方法で書かれている、会社で言う「貸借対照表=バランスシート」のことです。商業科に通っている高校生なら、すぐに理解できます。
モノ・サービスを売買すると、必ず同額のカネが動きます。ですから、モノ・サービスを売ると、貸し方(+)に記載された同額が、借り方(-)にも記載されます。ですから、経常収支黒字額=資本収支赤字になるのです。モノ・サービス金額=カネ金額です。
だから、2009年7・8月の日本は

となるのです。△は外国カネ(資産)増と覚えれば間違いないでしょう。ドル・ユーロや、外国国債、外国社債、外国株の購入額のことです。貿易黒字=外国への資金提供のことなのです。ですから、「貿易黒字はもうけ」ではありません。
①経常収支黒字=②資本収支赤字(資本収支・外貨準備・誤差脱漏)
②経常収支赤字=②資本収支黒字(資本収支・外貨準備・誤差脱漏)
この式が、常に成り立ちます。
2009年1~6月期の韓国の場合、「経常収支217.5億ドル黒字 資本収支82,3億ドル黒字」です。
①経常収支217.5=②資本収支赤字(資本収支82.3・外貨準備△299.8)となります(誤差脱漏は無視)。
韓国の中央銀行・政府が保有する外貨が299.8億ドル増えたことを示します。外貨ですから、韓国国内には、還元しない「カネ」です。
貿易黒字(経常収支黒字)は、「もうけ」ではありません。同様に、「赤字は損」ではありません。経常赤字額=その国への外国からの投資額のことです。
資本収支も、「黒字が良い」「赤字が悪い」ということではありません。
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