『疲弊する地域医療』日経H21.10.22

<医師の数は少ない?>

参考・引用文献 市川眞一『政策論争のデタラメ』新潮社2009

OECD(07年版)
       医師数2.0人/人口1000人あたり 加盟国平均3.0人 30カ国中27位                      
                            ↓
        「一つの数字のみで…すべて語ろうとするのは危険p58


1.国土1平方キロあたり医師数は4位。物理的な距離の移動では、アクセスは良い方

2.年間受診回数18.3回/国民1人あたり  加盟国平均6.8回 30カ国中1位
  
3.ベッド数8.2床/人口1000人あたり   加盟国平均3.8床 28カ国中1位
  
4.入院在院日数19.8日          加盟国平均6.3日 30カ国中1位

5.CTスキャナー92.6台/人口100万人あたり 加盟国平均20.6台 30カ国中1位

6.MRI40.1台/人口100万人あたり     加盟国平均9.8台 30カ国中1位
                       ↓
             「日本は『医療大国』なのであるp60

<質より量の点数制>

『疲弊する地域医療』日経H21.10.22

 医療サービスの対価として医療金額を受け取る金額を定める「診療報酬制度」。…1926年に誕生…。…現在は医師の診察料や手術料だけではなく、入院料やリハビリテーションなどのサービスのほか、薬剤や材料の公定価格まで…規定…。
…院外の調剤薬局に処方せんを書いた場合には、院内向け…よりも高い…。
…地域ごとの物価差や賃金差は考慮されておらず、都会の病院には不利…。


診療報酬

市川眞一『前掲書』
「医療機関の収入は、原則として提供した量によって決まp67」
る。

<医師会の目的は?>

市川眞一『前掲書』

勤務医平均年収 1425万円 16万2000人(06年)
開業医 〃    2478万円   7万1000人(同)
              ↓
日本医師会     勤務医 8万人
             開業医 8万5000人

各医療機関が、公的保険に対し、診療報酬を請求する際の明細書が「レセプト」
              ↓
1999年まで、レセプトは手書きのみ認可(1億5000万枚1月あたり審査不能)
              ↓
2011年度より、原則としてレセプトのオンライン化 ← 医師会の抵抗で先送り
                 ↑                  ↓
        医師会:「地域医療崩壊につながる、義務化ではなく、手挙げで」
                             ↑
「医療機関の収入は、原則として提供した量によって決まp67」る。


『診療報酬の請求 オンライン化後退』日経H21.11.10

厚生労働省は…すべての医療機関が原則として義務付けられるレセプトのオンライン請求について、手書きで…提出している医療機関は…「努力義務」とし…た。大阪府など地方の医師会でオンライン化への反発が根強いため、配慮する。


 なぜ、反発するか、一目瞭然です。
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comment

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医師の数はやはり少ないです

こんにちは。「デフレの正体」を興味深く読んでいたら、こちらのサイトにつきあたりました。興味深い議論をありがとうございます。

さて、医師の数ですが、やはり足りないというのが実感です。ご指摘の数字ですが、人口あたりの医師数が少ないのにもかかわらず、医療の供給量は大きいのが日本医療の特徴です。その理由は医療保険制度や高齢化、国民性などいろいろな要素があるかもしれません。いずれにしても、医師数の数が少ないのに供給(受診数、ベッド数、入院日数、CT、MRIなど)が多いということは、ご指摘の通り日本は「医療大国」であり、それを少ない医師(あるいは医療者)でひーひー言いながらメンテしているということです。ちなみに、国土辺りの医師数は、アメリカやカナダみたいに何もない広大な土地がある国なんかとの比較にどのくらい意味があるか分からないのですが、どうなんでしょうか。

もうひとつ、医師の業務は多様化しています。ご指摘の産婦人科医ですが、やはり足りないです。例えば、昔だったら必要なかった(というか必要だったのにはしょっていた)説明の時間などは単に医師数の推移を見ているだけでは分かりません。現在、産婦人科医は女性のパーセンテージが上がっています。結婚や育児などで昔の男性産婦人科医と同じ労働時間を彼女たちに強いるのは現実的ではありません。当直をしやすい若手医師の減少もあります。などなど。というわけで、やはり数は足りないのです。
http://osaka-hk.org/sankahoukai/sankahoukai03.pdf

診療報酬などについて問題が多いことは、ご指摘の通りかと思います。

一つの数字のみで全てを語るのは危険というご意見には全く賛成です。複数であっても数字のみで全てを語るのもやはり危険でしょう(数字なしで語るのはもっと危険ですが)。藻谷さんへの批判でおっしゃったように、医療を語るにはその「バックボーン」の理解が必要なのだと僕は思うのです。

神戸大学病院感染症内科教授 岩田健太郎

No title

とても、考えさせられるメールを頂き、ありがとうございました。

 医者の数は増えますよね。80代90代の方も、今はリタイアしていても「医師数」ですものね。それをカウントしたら、現場の医師の不足は、見えてこないですね。

 やはり、診療報酬の問題でしょうか。公的に「値段」を決める(本来の需給バランスより下の価格になる)と、供給<需要になってしまいますものね。病院はいつも込んでいて、往診はごくわずかの時間・・・。供給<需要が一目瞭然です。

 混合診療の導入、それに伴う民間保険加入の推進、診療特区の導入という、需給面の改革、
および、レセプトのオンライン化・診察内容のデータベース化(開業医は嫌がるでしょうけど)も、公的医療費減のために必要かもしれません。

 あと、開業医の意見偏重の現医療制度は、やはり問題だと思います。

 私も「公務員人件費2割カット」と言われればとても辛いですが、今の日本の現状は、斎藤誠(一橋大)『競争の作法 いかに働き、投資するか』 (ちくま新書) で述べられたとおり、「自分の生産性を2割アップするか、所得の2割減を受け入れるか」しか、ないのかなと感じます。

デタラメ?

手書きレセプトを多く切られた経験から(涙)、手書きレセプト審査不能と言うのは現場を全く知らない方の意見だと思います。
オンライン化すれば勿論もっとチェック出来ますが、あくまで機械的です。私も今はオンラインで請求しておりますが、医学的には全くナンセンスな返戻、減点が来ます。再審査請求しても、全く復活しません。経済的には効果抜群でしょうが、医学的には???
ついでにもう一つ疑問ですが、投薬は少しでも添付文書から外れると減点(返戻ではありません)されますが、MRI,CT等はいくらやっても切られません・・・・本当に変な仕組みですね。

No title

黒須様

参考文献しか、事情を入手できないので、すみません。

 でもコメントを見る限り、だいぶ時間をロスしているようですね。お医者さんの時給、病院の事務で働いている人の時給を考えると、日本全体で、どれだけの「ロス=生産性低下」を産み出しているのでしょう?とてももったいない話です。

 「MRI,CT等はいくらやっても切られません」・・・質より量になりそうですね。

 医療関係者とお話したのですが、小泉改革で診療報酬が減った時、やはり現場では「量」確保になったそうです。医療費総額は増える一方ですものね。
 
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