新聞を解説(54) 『診療報酬上げへ3000億円』日経H21.10.11

新聞を解説『診療報酬上げへ3000億円』日経H21.10.11

…厚生労働相ら政務三役は10日、2010年度の診療報酬改定分として、3000億円程度を来年度予算で概算要求する方針を固めた。約4%の引き上げに相当する計算で、実現すれば、10年ぶりのプラス改定になる。長妻厚労相は医師不足などで医療体制が揺らいでいる救急や産科、外科などを抱える大病院に手厚く配分する考えだ。


 「医師不足」と叫ばれています。特に地方の小児科・産科不足が指摘され、北海道の場合、オホーツク圏の紋別市、道東の根室市では、産科医がおらず、出産できない状況になっています。

診療報酬:医療行為ごとに国が決めた単価。手術や投薬、検査などの行為ごとに点数で決めている。全国の医療機関に同じ点数が適用されている。

<医師の数は減っている?>

連載『ゼミナール:疲弊する地域医療』日経H21.10.7(グラフも)
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1病院勤務医→開業医シフトはない

…世間一般では、仕事が楽で収入が多いと言われる診療所…に大挙して移ったという印象が持たれている。…一部の病院からは医師が立ち去ったが、その多くは別の病院で診療を続けていることがわかる。

地方の医師は増えている

…「地方の病院から首都圏の病院へ移ったのでは」との指摘もあるだろう。だが都府県ごとの人口10万人あたりの医師数を比較すると、最も多いところと最も少ないところとの格差は1994年には2.34倍だったが、06年には1.99倍まで縮小した。都道府県ごとの医師数の偏在はむしろ是正されている。

 3医師数は増えている 

…医療崩壊が叫ばれる2000年の方が、06年より病院勤務の医師の割合が大きい。…このように病院の医師数が増えたうえ、都道府県間の格差が縮小したのは、当然といえる。現在でも医師数は,毎年約3500人ずつ純増を続けているからだ。

連載『ゼミナール:疲弊する地域医療』日経H21.10.8(グラフも)

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4 産科医師は減。でも負担は同じ

…まず…医師数をみると、確かに減少している。…2006年は…12年前より約1割減少した。ほぼ同じ割合で分娩数も減少しているため、数字だけを見れば医師1人あたりの負担は増えていない

 1妊婦あたりの医師の数は、同じようです。

5 産科病院数は減

…産科や産婦人科の医療機関の数は、医師より減少幅が大きくなっている。病院の数は…13年前より3割強減っており、診療所も…12年前から2割減った。

 1妊婦あたりの医師の数は、同じなのに、病院数は確実に減っています。

6 1病院あたりの産科医は増加

…07年の1病院あたりの産科医の数は3.6人で、13年前より0.7人増えている。…産科医を集約すると、妊婦がかかりづらくなり、実態以上に産科医が減少したように感じられる

 なぜでしょう?

…背景となっているのは、日本産婦人学会が患者の安全性確保と医師の負荷軽減を目的に、1病院あたりの常勤医を配置する目標を提示したからだ。

7 小児科医も増加

…06年の小児科医数は、1万4700人で、過去12年間で1割増加している。それにもかかわらず、「崩壊」しているとされているのは…小児救急や,新生児を扱う小児科医が増えていないからだ。…「内科ではなく小児科の専門医に診てもらいたい」といった要望が強いことや共働きで昼間の受診が難しい家庭が増えていることなども不足感の背景となっている。

 単に、産科や小児科の診療報酬を引き上げれば、医師が増えるといった問題ではないようです。

8 看護職員数も増加 連載『ゼミナール:疲弊する地域医療』日経H21.10.16(グラフも)

看護師

 女性が95%を占める看護職では、免許を持ちながら従事していないなどの潜在看護職者は55万人(’02年)と推計されているそうです。当時で約50%ですね。
 また、06年度の診療報酬の改定で、入院患者7人に1人の看護職者配置かつ、そのうち看護師が7割以上なら、収益力が大きくUPするようになったそうです。そのため、大病院が看護師を数多く集めるようになり、他の医療機関の看護師不足に拍車をかけたそうです。
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