新聞を解説(50) 誠児『大機小機:デフレと日銀の責任』日経H21.10.7
文字色新聞を解説 誠児『大機小機:デフレと日銀の責任』日経H21.10.7
<インフレ・ターゲッティング>
インフレ目標政策とは、現在25カ国で採用されている、中央銀行の「金融政策」です。さらに、ユーロ圏の欧州中央委銀行(ECB)も、インフレ目標政策とは言っていませんが、「物価の安定は2%未満かつ2%近傍のインフレ」とし、事実上のインフレ・ターゲッティングを行っています。
岩田規久男『日本銀行は信用できるか』講談社現代新書2009
上記の参考文献を読むまで、「インフレ率何%というルール」と認識していました。日銀も、そのように説明していました。
しかし、インフレ・ターゲッティングは「ルール」ではなく、「枠組み」です。何が何でもインフレ目標を達成するという硬直的なものではありません。
実際の運営では、インフレ目標として1%~3%、イギリスのように2%に設定しているところもあります。ただし、下限は0%です。デフレは絶対回避すべきと考えられています。
では、これらの国の経済パフォーマンス・経済成長はどうだったのでしょうか。
岩田『同』p162

実際に、良好な経済成長を達成しています。インフレ国は、日本より高成長です。
日銀法第2条
日本銀行は、通貨及び金融の調節を行うに当たっては、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とする。
「物価の安定」とは、ただちに「通貨価値の安定」を意味します。
誠児『大機小機:デフレと日銀の責任』日経H21.10.7
日本経済は再びデフレに陥っている。消費者物価は今年3月以降、連続して前年比マイナスを記録している。先行きについても,例えば日銀政策委員会の見通しでは、2009年度マイナス1.3%,10度マイナス1.0%と、今後かなり長期にわたり物価下落が続くことが予想されている。
…例えば日銀政策委員会の見通しでは、2009年度マイナス1.3%,10年度マイナス1.0%と、今後かなり長期にわたり物価下落が続くことが予想されている。
このようなデフレの見通しが示される中、日銀はどのような政策運営をしてゆくつもりなのでしょうか。答えは自ずから明らかになっているはずです。それは「ゼロ金利政策の継続」と「量的緩和」です。ただし、量的緩和と言っても、下記(1)ではなく、(2)の緩和でないと、成果は望めないでしょう。(1)は効果がなかった,あるいは低かったことがすでに実証されています。
「ゼロ金利をやめる(現在0.1%)」など、入院患者の点滴を止めるような政策です。「金利を高くして、預金者を保護」など、「預金金利で恩恵を受ける超富裕層=実際には存在しない層」を助けるだけです。
『政府、デフレ宣言へ』日経H21.11.17
政府は日本の物価が持続的に下落する「デフレ」に陥っていると宣言する方向で最終調整に入った。…国内の物価動向を示す内需デフレーターが51年ぶりの低水準にとどまったため。…国内需要デフレーターは2.6%下落し、1958年…以来の大幅な落ち込みとなった。
(1)「当座預金残高増」
「量的緩和」は、2001年3月、金融市場調節の操作目標を、それまでの「金利(無担保コールレート・オーバーナイト物)」から、「資金量(日本銀行当座預金残高)」に変更した。これは金利をゼロより引き下げることはできないため、金利がゼロになってもさらに買いオペレーションなどで、市場に資金を大量に供給することによって、デフレを克服しようとしたのである。
具体的には、「日本銀行当座預金残高が○兆円程度となるよう金融市場調節を行う」といった形で金融市場調節方針が定められた。その規模は、2001年3月の「目標5兆円」からはじまり、2004年1月には「30~35兆円」に達した。
この量的緩和政策は景気の回復にともない、2006年3月に解除され、金利を目標とする通常の金融政策に戻った。
(2)マネーストック・マネタリーベース
2008年4月までマネーサプライと称されていたマネーストックは、経済全体に流通する通貨量を示す。一般法人、個人、地方公共団体などの通貨保有主体(=金融機関・中央政府以外の経済主体)が保有する通貨量の残高である。
マネタリーベース(マネーベース、ハイパワードマネーとも言われる)は市中に出回っているお金である「流通現金(日本銀行券発行高+貨幣流通高)」と、「日銀当座預金」の合計額のことである。日銀が公開市場操作等によって直接コントロールできる通貨を示す。
日銀はマネタリーベースを調整することで、「預金準備制度(準備金以外はすべて貸し出しても良い)」によって創り出されるマネーストックに影響を及ぼす。
2008年11月現在、マネタリーベースは約88.9兆円、マネーストックM2は、約734.7兆円になっている。
<インフレ・ターゲッティング>
インフレ目標政策とは、現在25カ国で採用されている、中央銀行の「金融政策」です。さらに、ユーロ圏の欧州中央委銀行(ECB)も、インフレ目標政策とは言っていませんが、「物価の安定は2%未満かつ2%近傍のインフレ」とし、事実上のインフレ・ターゲッティングを行っています。
岩田規久男『日本銀行は信用できるか』講談社現代新書2009
上記の参考文献を読むまで、「インフレ率何%というルール」と認識していました。日銀も、そのように説明していました。
しかし、インフレ・ターゲッティングは「ルール」ではなく、「枠組み」です。何が何でもインフレ目標を達成するという硬直的なものではありません。
実際の運営では、インフレ目標として1%~3%、イギリスのように2%に設定しているところもあります。ただし、下限は0%です。デフレは絶対回避すべきと考えられています。
では、これらの国の経済パフォーマンス・経済成長はどうだったのでしょうか。
岩田『同』p162

実際に、良好な経済成長を達成しています。インフレ国は、日本より高成長です。
日銀法第2条
日本銀行は、通貨及び金融の調節を行うに当たっては、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とする。
「物価の安定」とは、ただちに「通貨価値の安定」を意味します。
誠児『大機小機:デフレと日銀の責任』日経H21.10.7
日本経済は再びデフレに陥っている。消費者物価は今年3月以降、連続して前年比マイナスを記録している。先行きについても,例えば日銀政策委員会の見通しでは、2009年度マイナス1.3%,10度マイナス1.0%と、今後かなり長期にわたり物価下落が続くことが予想されている。
…例えば日銀政策委員会の見通しでは、2009年度マイナス1.3%,10年度マイナス1.0%と、今後かなり長期にわたり物価下落が続くことが予想されている。
このようなデフレの見通しが示される中、日銀はどのような政策運営をしてゆくつもりなのでしょうか。答えは自ずから明らかになっているはずです。それは「ゼロ金利政策の継続」と「量的緩和」です。ただし、量的緩和と言っても、下記(1)ではなく、(2)の緩和でないと、成果は望めないでしょう。(1)は効果がなかった,あるいは低かったことがすでに実証されています。
「ゼロ金利をやめる(現在0.1%)」など、入院患者の点滴を止めるような政策です。「金利を高くして、預金者を保護」など、「預金金利で恩恵を受ける超富裕層=実際には存在しない層」を助けるだけです。
『政府、デフレ宣言へ』日経H21.11.17
政府は日本の物価が持続的に下落する「デフレ」に陥っていると宣言する方向で最終調整に入った。…国内の物価動向を示す内需デフレーターが51年ぶりの低水準にとどまったため。…国内需要デフレーターは2.6%下落し、1958年…以来の大幅な落ち込みとなった。
(1)「当座預金残高増」
「量的緩和」は、2001年3月、金融市場調節の操作目標を、それまでの「金利(無担保コールレート・オーバーナイト物)」から、「資金量(日本銀行当座預金残高)」に変更した。これは金利をゼロより引き下げることはできないため、金利がゼロになってもさらに買いオペレーションなどで、市場に資金を大量に供給することによって、デフレを克服しようとしたのである。
具体的には、「日本銀行当座預金残高が○兆円程度となるよう金融市場調節を行う」といった形で金融市場調節方針が定められた。その規模は、2001年3月の「目標5兆円」からはじまり、2004年1月には「30~35兆円」に達した。
この量的緩和政策は景気の回復にともない、2006年3月に解除され、金利を目標とする通常の金融政策に戻った。
(2)マネーストック・マネタリーベース
2008年4月までマネーサプライと称されていたマネーストックは、経済全体に流通する通貨量を示す。一般法人、個人、地方公共団体などの通貨保有主体(=金融機関・中央政府以外の経済主体)が保有する通貨量の残高である。
マネタリーベース(マネーベース、ハイパワードマネーとも言われる)は市中に出回っているお金である「流通現金(日本銀行券発行高+貨幣流通高)」と、「日銀当座預金」の合計額のことである。日銀が公開市場操作等によって直接コントロールできる通貨を示す。
日銀はマネタリーベースを調整することで、「預金準備制度(準備金以外はすべて貸し出しても良い)」によって創り出されるマネーストックに影響を及ぼす。
2008年11月現在、マネタリーベースは約88.9兆円、マネーストックM2は、約734.7兆円になっている。
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