デフレはまずいのか? その1
<次回更新は11月24日(火)です>
新聞を解説 誠児『大機小機:デフレと日銀の責任』日経H21.10.7
日本経済は再びデフレに陥っている。消費者物価は今年3月以降、連続して前年比マイナスを記録している。先行きについても,例えば日銀政策委員会の見通しでは、2009年度マイナス1.3%,10年度マイナス1.0%と、今後かなり長期にわたり物価下落が続くことが予想されている。
…経済の持続的成長を実現するためには、「物価の安定」を確保することが不可欠の大前提である。…金利がゼロ以下に下げられない点や、計測上の誤差を考慮すると、消費者物価で見た望ましい物価上昇率はおおむねプラス2%程度というのが、先進国共通の理解だ。
…デフレが明確になっても政策金利は0.1%に維持され、1999年から、06年までのデフレ局面で実施されたゼロ金利政策や大幅な量的緩和政策は採用されていない。
…日銀法が明記するとおり、「物価の安定」を図ることこそ、日銀に付託された最も重要な使命である。
日経11月1日
<デフレはまずいのか?>
デフレというのは、物価(以下モノと表記)が下がることです。逆に、カネの価値が上がります。10000円で買えるモノが、翌年9800円に下がるとします。マイナス2%です。
10000円札から見ると、9800円のモノが1.02個買えることになります。
単位を大きくしてみます。1000億円のプラントが、980億円で買えます。10兆円の公共投資が、9兆8000億円ですみます。500兆円の日本のGDPが、490兆円になります。
物価が2%下がるので、金利(実質金利)は2%つきます。
10000円を、銀行に預けずに、自宅で持っていても、2%の金利がつく状態です。日銀のコールレートを、ゼロ金利(限りなく0に近い金利)にし、銀行の預金金利(名目金利)が1%だとしても、トータル3%の金利がつく状態です。高金利状態です。
高金利ですから、金融引き締め策を採用しているのと同じことになります。企業は借金による投資を控えます。投資の減少は、GDPの減少要因です。デフレは不況を加速させるのです。
グラフ・参考文献 岩田規久男『日本銀行は信用できるか』講談社現代新書2009p88-89


下のグラフはフィリップス曲線といい、「インフレと失業率はトレード・オフ(どちらかが高くなればどちらかが低くなる)になる」という関係を示します。
1970年代の「不況かつインフレ(スタグフレーション)」時期には、成立しなかったので、経済学の一線からは消えました。しかし、日本では「成立」しています。
新聞を解説 誠児『大機小機:デフレと日銀の責任』日経H21.10.7
日本経済は再びデフレに陥っている。消費者物価は今年3月以降、連続して前年比マイナスを記録している。先行きについても,例えば日銀政策委員会の見通しでは、2009年度マイナス1.3%,10年度マイナス1.0%と、今後かなり長期にわたり物価下落が続くことが予想されている。
…経済の持続的成長を実現するためには、「物価の安定」を確保することが不可欠の大前提である。…金利がゼロ以下に下げられない点や、計測上の誤差を考慮すると、消費者物価で見た望ましい物価上昇率はおおむねプラス2%程度というのが、先進国共通の理解だ。
…デフレが明確になっても政策金利は0.1%に維持され、1999年から、06年までのデフレ局面で実施されたゼロ金利政策や大幅な量的緩和政策は採用されていない。
…日銀法が明記するとおり、「物価の安定」を図ることこそ、日銀に付託された最も重要な使命である。
日経11月1日

<デフレはまずいのか?>
デフレというのは、物価(以下モノと表記)が下がることです。逆に、カネの価値が上がります。10000円で買えるモノが、翌年9800円に下がるとします。マイナス2%です。
10000円札から見ると、9800円のモノが1.02個買えることになります。
単位を大きくしてみます。1000億円のプラントが、980億円で買えます。10兆円の公共投資が、9兆8000億円ですみます。500兆円の日本のGDPが、490兆円になります。
物価が2%下がるので、金利(実質金利)は2%つきます。
10000円を、銀行に預けずに、自宅で持っていても、2%の金利がつく状態です。日銀のコールレートを、ゼロ金利(限りなく0に近い金利)にし、銀行の預金金利(名目金利)が1%だとしても、トータル3%の金利がつく状態です。高金利状態です。
高金利ですから、金融引き締め策を採用しているのと同じことになります。企業は借金による投資を控えます。投資の減少は、GDPの減少要因です。デフレは不況を加速させるのです。
グラフ・参考文献 岩田規久男『日本銀行は信用できるか』講談社現代新書2009p88-89


下のグラフはフィリップス曲線といい、「インフレと失業率はトレード・オフ(どちらかが高くなればどちらかが低くなる)になる」という関係を示します。
1970年代の「不況かつインフレ(スタグフレーション)」時期には、成立しなかったので、経済学の一線からは消えました。しかし、日本では「成立」しています。
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