新聞の間違い(25) 剣が峰『大機小機』H21.8.22
新聞の間違い 剣が峰『大機小機』H21.8.22
…対外純債務国である米国が貿易赤字を減らし、それを均衡させ、さらに黒字に向かうとなると…日本は、反射的に黒字から赤字に向かうことは避けられないのではないか。日本がこれまで通りひたすらドルを買い支え、輸出し、そして黒字を続けることに固執するならば、日米の…関係にも影響が出るのではないか…
何度も指摘してきましたが、この「剣が峰」さんは、経済学を全く理解していません。ある意味、確信犯的です。
<貿易黒字はもうけではない>
「黒字を続けることに固執」など、「貿易黒字はもうけ、赤字は損」という、典型的な誤解にもとづいています。

<ISバランス>
貿易黒字は、国民の貯蓄超過から生まれます。20万円の給与をもらい、16万円支出し、残り4万円を使わない場合、その4万円を借りて使用するのが、企業(I)、政府(G-T=公債金)、外国(EX-IM=外国への資金貸し出し)です。
また、20万円が国民総生産(GNP)だとしたら、4万円分を購入しているのが、企業(I)、政府(G-T)、外国(EX-IM=貿易黒字)なのです。ですから、「貿易黒字=外国への資金貸出額」となります。
『週刊ダイヤモンド2009.4.4 p38』
ですから、「貿易黒字はもうけ、赤字は損」は成り立たず、「貿易黒(赤)字は、カネ(資本)の貸し借り」のことなのです。もちろん、「貯金は得」「借金は損」ではありませんよ。
<国際収支表の原則>
東学「資料政・経2009」
国際収支は、複式簿記という記入方法で書かれている、会社で言う「貸借対照表=バランスシート」のことです。商業科に通っている高校生なら、すぐに理解できます。
モノ・サービスを売買すると、必ず同額のカネが動きます。ですから、モノ・サービスを売ると、貸し方(+)に記載された同額が、借り方(-)にも記載されます。ですから、経常収支黒字額=資本収支赤字になるのです。モノ・サービス金額=カネ金額です。
だから、2009年7月の日本は

となるのです。△は外国カネ(資産)増と覚えれば間違いないでしょう。ドル・ユーロや、外国国債、外国社債、外国株の購入額のことです。貿易黒字=外国への資金提供のことなのです。ですから、「貿易黒字はもうけ」ではありません。
①経常収支黒字=②資本収支赤字(資本収支・外貨準備・誤差脱漏)
①経常収支赤字=②資本収支黒字(資本収支・外貨準備・誤差脱漏)
貿易黒字=資本収支赤字:中国、日本など (下記④社債・株式・外国への貸付超過、外国の国債増、下記⑤外貨準備増)
東学「資料政・経2009」
資本収支黒字=貿易赤字:アメリカなど(外国からのモノ・サービス購入超過)
日経 H21.6.14

このように、貿易取引は、裏表一体なのです。
モノ・サービス⇔カネ
…対外純債務国である米国が貿易赤字を減らし、それを均衡させ、さらに黒字に向かうとなると…日本は、反射的に黒字から赤字に向かうことは避けられないのではないか。日本がこれまで通りひたすらドルを買い支え、輸出し、そして黒字を続けることに固執するならば、日米の…関係にも影響が出るのではないか…
何度も指摘してきましたが、この「剣が峰」さんは、経済学を全く理解していません。ある意味、確信犯的です。
<貿易黒字はもうけではない>
「黒字を続けることに固執」など、「貿易黒字はもうけ、赤字は損」という、典型的な誤解にもとづいています。

<ISバランス>
貿易黒字は、国民の貯蓄超過から生まれます。20万円の給与をもらい、16万円支出し、残り4万円を使わない場合、その4万円を借りて使用するのが、企業(I)、政府(G-T=公債金)、外国(EX-IM=外国への資金貸し出し)です。
また、20万円が国民総生産(GNP)だとしたら、4万円分を購入しているのが、企業(I)、政府(G-T)、外国(EX-IM=貿易黒字)なのです。ですから、「貿易黒字=外国への資金貸出額」となります。
『週刊ダイヤモンド2009.4.4 p38』

ですから、「貿易黒字はもうけ、赤字は損」は成り立たず、「貿易黒(赤)字は、カネ(資本)の貸し借り」のことなのです。もちろん、「貯金は得」「借金は損」ではありませんよ。
<国際収支表の原則>
東学「資料政・経2009」

国際収支は、複式簿記という記入方法で書かれている、会社で言う「貸借対照表=バランスシート」のことです。商業科に通っている高校生なら、すぐに理解できます。
モノ・サービスを売買すると、必ず同額のカネが動きます。ですから、モノ・サービスを売ると、貸し方(+)に記載された同額が、借り方(-)にも記載されます。ですから、経常収支黒字額=資本収支赤字になるのです。モノ・サービス金額=カネ金額です。
だから、2009年7月の日本は

となるのです。△は外国カネ(資産)増と覚えれば間違いないでしょう。ドル・ユーロや、外国国債、外国社債、外国株の購入額のことです。貿易黒字=外国への資金提供のことなのです。ですから、「貿易黒字はもうけ」ではありません。
①経常収支黒字=②資本収支赤字(資本収支・外貨準備・誤差脱漏)
①経常収支赤字=②資本収支黒字(資本収支・外貨準備・誤差脱漏)
貿易黒字=資本収支赤字:中国、日本など (下記④社債・株式・外国への貸付超過、外国の国債増、下記⑤外貨準備増)
東学「資料政・経2009」

資本収支黒字=貿易赤字:アメリカなど(外国からのモノ・サービス購入超過)
日経 H21.6.14

このように、貿易取引は、裏表一体なのです。
モノ・サービス⇔カネ
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