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新聞を解説(27) 『造反組の復党で有権者裏切るな』

<特別版:今回の選挙結果について>

 今回の総選挙について、意見を述べさせていただきます。8月27日の<内需か外需かその2>という記事、および拙著『高校生からのマクロ・ミクロ経済学入門』で「イノベーション=革新」の時代だと述べました。ブログ・拙著の文章です。

  さらに,技術だけではなく,規制撤廃や,教育の自由化など,「イノベーション」を起こすこと が必要なのです。他人と同じではなく,「他者と違う」モノ・サービス・制度作りが,今後の日本のGDPを担うのです。「他との違い」が商品を産み出すのです

  常に変化し続けなければ、日本の産業の未来はありません。その時代に、自民党は「昔に戻っていた」のですから、選挙の敗北は必然です。
 以下は、2006.11.21に、読売新聞に寄せた、私の意見です。(1)は、新聞に載った意見です。(2)は、その元原稿です。

(1) 
 『造反組の復党で有権者裏切るな』読売新聞2006.11.21
教員 菅原 晃
 本紙によると、自民党は、前説民営化に反対し、離党した「造反組」の復党を認める方針を固めたという。これは、郵政民営化の是非が争点となった昨年夏の衆院選で、1票を投じた我々有権者に対する裏切りだと思う。
 自民党が復党を急ぐ理由として、造反組の協力がなければ来夏の参院選に勝てないからだとの報道がなされている。一方、造反組も、政党助成金を期待し、資金面の事情から復党を望んでいるという。
 双方の打算に基づいた復党を、有権者は黙って見ているしかないのだろうか。「自民党をぶっ壊す」と宣言した小泉前首相は、既得権益を守るうとする郵政族議員を切り捨てて、衆院解散に踏み切った。有権者は、利害や打算に左右されがちだった旧来の政治とは違うものを感じ、理念や信念に基づいて候補者を選んだ人が多かったはずだ
 民意によって拒絶された政治家を打算のために復党させるとしたら、自民党は有権者の信頼を失うことになるだろう。有権者に永田町の論理」は通用しないと思う。自民党は今一度、利害や打算から立ち返り、有権者が納得できる結論を出してほしい。


(2)
 昨年夏、郵政解散により自民党は未曾有の議席を獲得しました。それまで、都市部の人や、無党派層は非自民党への投票が多かったにもかかわらず、昨年の総選挙では、それらの層が、自民党に投票しました。
 その理由の一つが、「自民党をぶっ壊す」と、小泉元首相が公約に掲げたことです。自民党は、族議員が既得権益を守る政党だと考えられていました。その「古い」自民党の体質を、小泉首相が変えました。彼らを「抵抗勢力」と名づけ、バサっと切り捨てました。
 自民党は今、その切り捨てた人々を復党させようとしています。その人たちの応援がないと、来年の参議院選挙に勝てないかもしれないというのが理由だそうです。加えて、政党の人数が多ければ、政党助成金の交付額にも影響を与えるそうです。また、復党したい人々は、やはり、自民党から分配されるお金を欲しているとも聞きます。 
 このような、双方の打算に基づいた復党を、我われ有権者は、黙って見過ごすほかないのでしょうか。われわれは、利害や打算に左右される旧来の政治ではなく、理念や信念に基づいた候補者を応援したつもりです。それは、その候補者が、郵政民営化に「賛成」であれ、「反対」であれ、我われ自身も、自分の考え方を忠実に表現する機会でもありました。
 政治家は「一千万といえどもわれ行かん」としたしっかりした政治哲学を示すべきです。だからこそ、有権者の支持が得られます。民意により、拒絶された政治家を、「利害や打算」のために復党させるとしたら、今度こそ、自民党は、戦後50年続いたその覇権を失うことになるでしょう。また「古い自民党」に戻るのならば少なくとも、「無党派層」や「都市部」の票は失うと考えてもらって結構です。我われ有権者は、「永田町の論理」ではなく、「有権者の論理」で動くのですから。
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