GDP・GNP(GNI)とは
<GDP・GNPとは>
GDPは国内総生産(Gross Domestic Product)のことです。ある一定期間に,国内で生産されたすべてのモノ・サービスの付加価値の総額です。教科書・資料集では,このように説明されています。
GDPの計算 帝国書院資料集『アクセス現代社会2008』 2008年 p87

上の図で,農家は100万円分の生産,製粉業者は130万円分の生産,パン屋は200万円分の生産をしていますので,総生産は,430万円になりそうです。しかし,製粉業者は,原材料として,100万円分の小麦を仕入れています(中間生産物と言います)ので,実際のもうけ(付加価値と言います)は130-100=30万円になります。同じように,パン屋の場合は,200-130=70万円になります。ですから,農家100万円+製粉業者30万円+パン屋70万円,合計200万円が,この国のGDP(国内総生産)になります。付加価値とは、もうけのことです。儲けの合計がGDPです。
国内と言うのは,その国の国民であれ,その国に住んでいる外国人であれ,とにかくその国内で産み出された価値の合計を示すからです。日本で言えば,お相撲の白鵬などの年俸は,日本のGDP(国内総生産)になりますし,日本人のイチロー選手の年俸は,アメリカのGDP(国内総生産)になります。アメリカにある,日本人経営のお寿司やさんの売上げは,アメリカのGDP(国内総生産)になりますし,日本にあるアメリカ資本のドーナツやさんの売上げは,日本のGDP(国内総生産)になります。
GNPは,国民総生産(Gross National Product)のことです。国民と言うのは,生産される場所が国内であれ,外国であれ,その国の国民が産み出した価値の合計を示すからです。日本で言えば,お相撲の白鵬の年俸は,モンゴルという外国のGNP(国民総生産)になりますし,日本人のイチロー選手の年俸は,日本のGNP(国民総生産)になります。アメリカの日本人寿司店の売上げは,日本のGNP(国民総生産)になり,日本国内のアメリカ資本のドーナツ店の売上げは,アメリカのGNP(国民総生産)になります。
GDPと,GNPの関係は,次のように示されます。

純所得とは,「海外から送金される所得-海外へ送金される所得」のことです。例えば,次のようになります。

このように,GNPは所得の総計なので,現在では,GNI=国民総所得(Gross National Income)という言い方をします。もちろん,GNP=GNIです。
上の表で,左辺の方が大きければ,黒字になりますし,右辺の方が大きければ,赤字になります。日本の場合,左辺の方が大きく,その結果,純所得は,黒字になっています。つまり,GNI(GNP)>GDPとなっています。

数字出典1 http://www.khk.co.jp/uimg/PDFZzRF2n.pdf#search=『第一部 国の経済』
数字出典2 内閣府経済社会総合研究所『平成18年度国民経済計算確報』平成19年12月26日
<GDPに含める、含めない>
GDPの計算には,「主婦の家事労働」や,「ボランティア活動」は入りません。これらは,市場を通さない,すなわち,売ったり買ったりということをしないので,市場価格がつかないのです。一方,「主婦の家事労働」と内容は全く同じでも,ハウス・クリーニングを頼んだり,ベビーシッターを雇ったりすると,それらにかかった費用は,GDPに含まれることになります。市場取引(値段)の対象になるからです。付加価値とは、もうけのことです。儲けの合計がGDPです。
しかし,GDPの計算には,次の例外があります。帰属計算といいます。これらは,主婦の家事労働と違って,GDPに含めて計算されます。(下記のほかに,銀行の利子も入ります)
①農家の自家消費
農家の人が,自分の家で作った作物を,市場を通さずに,自分の家で消費した場合です。これらの作物には,原材料費,肥料代,燃料費などがかかっていて,それらをはずして計算すると,その国の経済規模がわからなくなってしまうからです。
②帰属家賃(持ち家サービス)
自宅を持っている人は,自宅に家賃を払っている(賃貸しているようにみなす)ものと,考えます。例えば,札幌に住むAさんと,東京に住むBさんがそれぞれ持ち家に住んでいます。お互いに転勤になって,AさんはBさんに,BさんはAさんに,10万円で自分の家を賃貸するとします。そうすると,新しい付加価値を産んでいなのに,いきなりGDPが20万円も増えてしまいます。これではおかしなことになります。ですから「自分の自宅から住宅サービスを受けている」とみなして計算し,このような弊害を無くすのです。
このような帰属計算には,警察や消防などの住民サービスもあります。
※ そのほか,土地や,株や,中古品の売買は,GDPに含めません。GDPは,その年に産まれた,新しい付加価値の合計です。中古品の売買(マンション・車など)は,所有者が変わっただけなので,新たな付加価値ではないのです。新築時や,新車で売れた段階で,その年のGDPに含まれてしまっているのです。
株や証券は、「カネ」の保有形態が変わっただけ」なので、GDPには入りません。東京証券取引所は「TOKYO STOCK EXCHENGE」です。株は「ストック」なのです。
ただし,証券会社や,不動産会社,中古車販売店の手数料収入は,当然,GDPに含まれます。

GDPは国内総生産(Gross Domestic Product)のことです。ある一定期間に,国内で生産されたすべてのモノ・サービスの付加価値の総額です。教科書・資料集では,このように説明されています。
GDPの計算 帝国書院資料集『アクセス現代社会2008』 2008年 p87

上の図で,農家は100万円分の生産,製粉業者は130万円分の生産,パン屋は200万円分の生産をしていますので,総生産は,430万円になりそうです。しかし,製粉業者は,原材料として,100万円分の小麦を仕入れています(中間生産物と言います)ので,実際のもうけ(付加価値と言います)は130-100=30万円になります。同じように,パン屋の場合は,200-130=70万円になります。ですから,農家100万円+製粉業者30万円+パン屋70万円,合計200万円が,この国のGDP(国内総生産)になります。付加価値とは、もうけのことです。儲けの合計がGDPです。
国内と言うのは,その国の国民であれ,その国に住んでいる外国人であれ,とにかくその国内で産み出された価値の合計を示すからです。日本で言えば,お相撲の白鵬などの年俸は,日本のGDP(国内総生産)になりますし,日本人のイチロー選手の年俸は,アメリカのGDP(国内総生産)になります。アメリカにある,日本人経営のお寿司やさんの売上げは,アメリカのGDP(国内総生産)になりますし,日本にあるアメリカ資本のドーナツやさんの売上げは,日本のGDP(国内総生産)になります。
GNPは,国民総生産(Gross National Product)のことです。国民と言うのは,生産される場所が国内であれ,外国であれ,その国の国民が産み出した価値の合計を示すからです。日本で言えば,お相撲の白鵬の年俸は,モンゴルという外国のGNP(国民総生産)になりますし,日本人のイチロー選手の年俸は,日本のGNP(国民総生産)になります。アメリカの日本人寿司店の売上げは,日本のGNP(国民総生産)になり,日本国内のアメリカ資本のドーナツ店の売上げは,アメリカのGNP(国民総生産)になります。
GDPと,GNPの関係は,次のように示されます。

純所得とは,「海外から送金される所得-海外へ送金される所得」のことです。例えば,次のようになります。

このように,GNPは所得の総計なので,現在では,GNI=国民総所得(Gross National Income)という言い方をします。もちろん,GNP=GNIです。
上の表で,左辺の方が大きければ,黒字になりますし,右辺の方が大きければ,赤字になります。日本の場合,左辺の方が大きく,その結果,純所得は,黒字になっています。つまり,GNI(GNP)>GDPとなっています。

数字出典1 http://www.khk.co.jp/uimg/PDFZzRF2n.pdf#search=『第一部 国の経済』
数字出典2 内閣府経済社会総合研究所『平成18年度国民経済計算確報』平成19年12月26日
<GDPに含める、含めない>
GDPの計算には,「主婦の家事労働」や,「ボランティア活動」は入りません。これらは,市場を通さない,すなわち,売ったり買ったりということをしないので,市場価格がつかないのです。一方,「主婦の家事労働」と内容は全く同じでも,ハウス・クリーニングを頼んだり,ベビーシッターを雇ったりすると,それらにかかった費用は,GDPに含まれることになります。市場取引(値段)の対象になるからです。付加価値とは、もうけのことです。儲けの合計がGDPです。
しかし,GDPの計算には,次の例外があります。帰属計算といいます。これらは,主婦の家事労働と違って,GDPに含めて計算されます。(下記のほかに,銀行の利子も入ります)
①農家の自家消費
農家の人が,自分の家で作った作物を,市場を通さずに,自分の家で消費した場合です。これらの作物には,原材料費,肥料代,燃料費などがかかっていて,それらをはずして計算すると,その国の経済規模がわからなくなってしまうからです。
②帰属家賃(持ち家サービス)
自宅を持っている人は,自宅に家賃を払っている(賃貸しているようにみなす)ものと,考えます。例えば,札幌に住むAさんと,東京に住むBさんがそれぞれ持ち家に住んでいます。お互いに転勤になって,AさんはBさんに,BさんはAさんに,10万円で自分の家を賃貸するとします。そうすると,新しい付加価値を産んでいなのに,いきなりGDPが20万円も増えてしまいます。これではおかしなことになります。ですから「自分の自宅から住宅サービスを受けている」とみなして計算し,このような弊害を無くすのです。
このような帰属計算には,警察や消防などの住民サービスもあります。
※ そのほか,土地や,株や,中古品の売買は,GDPに含めません。GDPは,その年に産まれた,新しい付加価値の合計です。中古品の売買(マンション・車など)は,所有者が変わっただけなので,新たな付加価値ではないのです。新築時や,新車で売れた段階で,その年のGDPに含まれてしまっているのです。
株や証券は、「カネ」の保有形態が変わっただけ」なので、GDPには入りません。東京証券取引所は「TOKYO STOCK EXCHENGE」です。株は「ストック」なのです。
ただし,証券会社や,不動産会社,中古車販売店の手数料収入は,当然,GDPに含まれます。

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