再掲 新聞を解説(2) 「グローバル化が、格差を拡大した」という間違い

盤側『大機小機』日経新聞 3月14日
 経済学者の中には、「ざんげ録」のような“転向”の書物を刊行した人もいる。これを読むと、経済学はこんなに底の浅い信仰に似た感覚で世の中を動かしてきたのかと驚いてしまう。だが反省している以上、昔の主張か今の反省かのどちらかが正しいはずだ。…経済学者は(略)全員がこの書物について意見を表明すべきである

 
 ここで述べられている書物は、中谷巌『資本主義はなぜ自壊したのか』だと思われます。
 ただ、同書で述べられているのは、経済学ではないので、意見の出しようがないのです学問的な裏付けが全くなく(因果論・相関論)、世俗の「だと思う」「であるべき」論の範疇を出ない、学問的には価値のない随筆です。

  「アメリカは神の国」「日本はいろいろなもの(神も仏も料理も・・何でもかんでも)」を受け入れる国、今こそ日本の価値感が大切。「人間は自然の一部と考える日本人」「自然は支配されるものと考える欧米人」、だから、「環境問題には日本の考え方が大切」と言われても、証明のしようがありません。
 自分が主張してきた「グローバル化」で「格差拡大した」と懺悔しても、格差拡大していない、オランダ、ノルウェー、スェーデン、フィンランドetcをどう説明するのでしょうか?


だいたいグローバル化=直ちに格差拡大ではない」というのが、経済学の見解です。


『世界この先』日本経済新聞09年3月○○日(日にち喪失)
 グローバル化は本当に世界に格差や貧困をばらまいたのであろうか?…
…1に近いほど所得格差が大きいことを示すジニ係数。米コロンビア大学教授のサライマルティン(45)によれば
世界全体の係数は70年には0.67だったが、2006年には0.61に下がった世界銀行によると1日1ドル25セント未満で暮らす貧困層も過去25年間で5億人減った過去の経済成長の恩恵は広く及んだ。マクロで見ればグローバル化が人々を不幸にしたと断ずる理由は乏しいサライマルティンは「今世紀にはアフリカでも貧困脱出が始まった」と言う。

 いかがでしょう。豊かな国に引っ張られる形で、全体が底上げされたのではないでしょうか。グローバル化=中国語で「全球化」ですから、経済的に一体化しています。「アメリカがこけても、インド・中国などの新興国があるから」というディ・カップリング論が成り立たなかったのが、現実です。ある国のバブル崩壊が、世界中に波及したのは、「グローバル化」の陰ですが、去年夏までは光の部分により、世界全体が豊かになってきたのも事実です。

<追記:世界経済成長の実態>
日本経済新聞H21.8.16グラフ
日経21.8.16 世界GDP成長
 世界のGDP(我々一人ひとりのもうけ=所得の総額)は、20年間に約3倍になりました。昔、「一人当たりGDPが、1万ドルを超えたら、先進国の仲間入り」と言われましたが、今日、一人当たりのGDPは世界の平均で、「1万ドル」になりました
日経21.8.16 輸出入活発化
輸出入も、20年間に約4倍になりました。
日経21.8.16 貧困層削減
 貧困層の割合は、減りました。
 グローバル化の恩恵は、確実に広がっているのです。
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