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再掲 新聞の間違い 『U-29:1人640万円、僕らが返すの?』日本経済新聞H21.6.27

新聞の間違い 『U-29:1人640万円、僕らが返すの?』日本経済新聞H21.6.27

 息子 国と地方の借金が816兆円もあるっていわれるとびっくりするよね。いったい何でふくらんだの?
…娘 800兆円っていわれてもピンと来ないけど、国民1人当たり約640万円の借金がある計算。09年度の国の予算を家計に例えると、収入は580万円なのに支出は1千万以上あり、440万円の借金をしなきゃいけないんだって。
…息子 大丈夫。僕らの子供の世代が返してくれるよ
娘 ホントにそんなに先送りできるのかなあ。


<日本は貯蓄超過>

日本は「貯蓄超過」なのです。

三面等価の図を見ましょう。
三面等価
(S-I) = (G-T)  + (EX-IM)
(貯蓄-投資)     (公債)     +     (貿易黒字
(貯蓄超過)   (政府への貸し出し+   (外国への貸し出し
三面等価

ここから、 (S+I)=(G-T)+(EX-IM)という関係がわかります。
 左辺(S-I)が0(つまり、国民の貯蓄を、企業投資で使い切っている状態)なら、財政赤字(G-T)と、貿易黒字(EX-IM)の合計は0です。
高度経済成長期は、企業投資が活発で、国債発行も、貿易黒字も生じませんでした。
国債残高
日本の輸出入
 国民の貯蓄超過がなくならない限り、財政赤字(G-T)+貿易黒字(EX-IM)は必ずトータルプラスで発生します
 GDP(財・サービス)が10円とします。イコール国民所得GDIも10円です。この10円が、すべて国内で生産された材・サービスの購入に向かえばよいのですが、国民は10円中6円しか消費せず、4円貯蓄(財・サービスの購入に充てられなかったすべて)します。
 その4円を借りて消費するのが、企業(I)、政府(G-T)、外国(EX-IM)です。

<国債の取り上げ方>

三面等価の図を見ましょう。
三面等価
 ここから、S-I=(G-T:公債)+(EX-IM:外国への資金貸出)という関係がわかります。国民の貯蓄(S)が(G-T)に充てられています。ですから、 「国債は政府の借金=国民の財産」です。

 この借入金を買っているのは誰でしょう?それは我々1人1人の国民なのです。我々が預貯金をしたり、生命保険金を支払ったりしたお金が、国債の購入に当てられています。
国債保有者 日経H21.6.27
 しかも、国債の金利は、銀行や郵貯、保険会社の利益(GDPに算入)です。将来の世代が、その利子を受け取る のです。

 約668兆円の国債のうち、94%=約628兆円は、我々日本人が持っているのです(海外の6%を除く 上記グラフ参照)。簡単に言えば、約1500兆円に及ぶ、日本人の個人資産の約45%は国債なのです。
P134 家計の金融資産残高の推移
カラー0004

家計→金融機関→国債購入なのです。

 日本の消費Cは、約287兆円です。消費税を10%引き上げると、28兆7千億円増税です。税収不足分が補えることがわかります。国と地方が、現在発行しなければならない債務を、消費税を15%にすることで、「無借金経営」にすることが出来ます
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