再掲 教科書の間違い 清水書院『現代政治・経済』H21年 p154
教科書の間違い 清水書院『現代政治・経済』H21年 p154
…資本収支については、経常収支の黒字を背景に、アメリカや発展途上国などの経常収支の赤字国への投資や援助など、多額の資本を供給したため、赤字となることが多かった。
2点,間違いです。「経常収支の黒字を背景に・・・」と、「赤字となることが多かった」です。
正解は、「経常収支の黒字を背景に・・・(資本収支)赤字」は「資本収支が赤字だから、経常収支が黒字」です。
「赤字となることが多かった」は、「経常収支が黒字なら、資本収支(外貨準備増減・誤差脱漏含む)は絶対に赤字となる」です。
この、「黒字を海外に積極的に投資する形で、資本収支は大幅な赤字」には、根拠がありません。よく、「アメリカ(経常収支赤字国)が資本輸入をするのは、その経常収支赤字を埋め合わせるために、資金を借りなくてはいけないからだ」といわれますが、これも成り立ちません。
正解は全く逆で、「資本収支が赤字だから、経常収支が黒字になる」のです。
<国際収支表の記入原則>
東学 資料政経2009 p375

このように、経常収支(+)は資本収支(-)に記載される。逆に経常収支(-)は資本収支(+)に記載される。資本取引の場合、資本(カネ)を国内に持つか、海外に持つかの違いで、資産総額が変わるわけではないから、資本(カネ)収支(+)は資本収支(-)、資本(カネ)収支(-)は資本収支(+)に記載され相殺される。結果、日本の国際収支は、次のようになる。

経常収支黒字(貿易黒字)国は、必ず資本収支赤字になる。
しかも、貿易黒字が原因→資本収支赤字が結果ではなく、資本収支赤字→貿易黒字が正解です。
<貿易黒字を生む主体と、資本収支赤字を生む主体は別々>
トヨタや、パナソニックは「輸出」の主体で、貿易黒字を生み出す企業です。一方、銀行などの金融機関、生命保険会社・投資信託などの機関投資家、政府、企業、個人は、海外投資を行う主体です。これらは別々です。
投資家が海外投資をするのは、自分のもうけのためであり、「日本の貿易黒字分」や「外貨が余っているから」投資しなければならないのではありません。
また、外国の政府・企業・個人からすると、社債・国債・株式を発行して資金を調達するのは、「貿易赤字」を穴埋めするために行っているのではありません。お金を貸してくれる主体は、国内であれ、海外であれ、企業・政府・個人にとってはどちらでもかまわないのです。
『日本企業、海外M&A急減』日本経済新聞H21.6.30
…2009年上期(1~6月)…日本企業による海外企業の買収が失速し、約1兆2000億円と55%減った。世界景気の後退で企業が投資に慎重になった…一方、海外企業による日本企業の買収は8%減の2500億円強。…落ち込みは小幅だった。
M&Aは、株式を購入することによって行われます。「日本→海外1兆2000億円」>「海外→日本2500億円」、差額は資本収支赤字額になります。ただ、「日本→海外」が55%減ということは、資本収支赤字額縮小=貿易黒字額縮小になります。
「EX-IM」は、資本収支赤字(海外投資)から、生まれるのです。つまり、「お金の貸し借り」が先で、「貿易黒字」は後なのです。
三面等価の図を見て見ましょう。

我々が、消費せず、税金にも回さなかったお金を、貯蓄Sと言います。その国内のS(貯蓄)が、I(企業の投資)、(G-T:公債)、 (EX-IM:輸出―輸入:経常黒字:海外への資金の貸し出し)になるのです。S=144兆円、それがI93兆円、G-T32兆円、EX-IM18兆円に回るのです。EX-IM18兆円は、海外へのお金の貸し出し なのです。
外国債・外国株・外国社債などの購入や、外国への貸付額がEX-IM18兆円なのです。
これらは、銀行などの金融機関、生命保険会社・投資信託などの機関投資家、政府、企業、個人です。これらは、①資本収支赤字=海外資産増加になります。
資料集や教科書が間違いを記載するのは、正しい経済理解ISバランス式
(S-I) = (G-T) + (EX-IM)
貯蓄超過= 公債 +経常黒字
を掲載していないからです。この式は、経済学のイロハで、全ての経済学(学者)の前提となる式です。「九九」みたいなものです。これを否定した経済学は成立しません。
その基本中の基本をおさえていないので、経済について詳しく記述すればするほど、どんどんゆがむのです。
地方を除く国だけで考えると、11年度以降、消費税を1%ずつアップさせ、最終的に消費税を12%にすると、18年度に「プラマイ0」になります。5%増(合計10%)だと、「プラマイ0」は21年度になります。どっちにしても、「消費税UP」はしなければいけません。
三面等価の図を見ると、我々は所得をC消費+T税金+S貯蓄に回しています。C消費は日本の場合、年によってそんなに変化はありません。ですから、消費税を上げるということは、TとSの割合をどうするかの問題でしかありません。今のままだと、Sから、公債費が支払われます。消費税を12%にすると、公債費発行は0です。ようするに、税金か、貯蓄かという表面上の問題に過ぎないのです。貯蓄→公債発行→返済は国民ですから、貯蓄減→公債0→返済なしでも結果は同じです。
…資本収支については、経常収支の黒字を背景に、アメリカや発展途上国などの経常収支の赤字国への投資や援助など、多額の資本を供給したため、赤字となることが多かった。
2点,間違いです。「経常収支の黒字を背景に・・・」と、「赤字となることが多かった」です。
正解は、「経常収支の黒字を背景に・・・(資本収支)赤字」は「資本収支が赤字だから、経常収支が黒字」です。
「赤字となることが多かった」は、「経常収支が黒字なら、資本収支(外貨準備増減・誤差脱漏含む)は絶対に赤字となる」です。
この、「黒字を海外に積極的に投資する形で、資本収支は大幅な赤字」には、根拠がありません。よく、「アメリカ(経常収支赤字国)が資本輸入をするのは、その経常収支赤字を埋め合わせるために、資金を借りなくてはいけないからだ」といわれますが、これも成り立ちません。
正解は全く逆で、「資本収支が赤字だから、経常収支が黒字になる」のです。
<国際収支表の記入原則>
東学 資料政経2009 p375

このように、経常収支(+)は資本収支(-)に記載される。逆に経常収支(-)は資本収支(+)に記載される。資本取引の場合、資本(カネ)を国内に持つか、海外に持つかの違いで、資産総額が変わるわけではないから、資本(カネ)収支(+)は資本収支(-)、資本(カネ)収支(-)は資本収支(+)に記載され相殺される。結果、日本の国際収支は、次のようになる。

経常収支黒字(貿易黒字)国は、必ず資本収支赤字になる。
しかも、貿易黒字が原因→資本収支赤字が結果ではなく、資本収支赤字→貿易黒字が正解です。
<貿易黒字を生む主体と、資本収支赤字を生む主体は別々>
トヨタや、パナソニックは「輸出」の主体で、貿易黒字を生み出す企業です。一方、銀行などの金融機関、生命保険会社・投資信託などの機関投資家、政府、企業、個人は、海外投資を行う主体です。これらは別々です。
投資家が海外投資をするのは、自分のもうけのためであり、「日本の貿易黒字分」や「外貨が余っているから」投資しなければならないのではありません。
また、外国の政府・企業・個人からすると、社債・国債・株式を発行して資金を調達するのは、「貿易赤字」を穴埋めするために行っているのではありません。お金を貸してくれる主体は、国内であれ、海外であれ、企業・政府・個人にとってはどちらでもかまわないのです。
『日本企業、海外M&A急減』日本経済新聞H21.6.30
…2009年上期(1~6月)…日本企業による海外企業の買収が失速し、約1兆2000億円と55%減った。世界景気の後退で企業が投資に慎重になった…一方、海外企業による日本企業の買収は8%減の2500億円強。…落ち込みは小幅だった。
M&Aは、株式を購入することによって行われます。「日本→海外1兆2000億円」>「海外→日本2500億円」、差額は資本収支赤字額になります。ただ、「日本→海外」が55%減ということは、資本収支赤字額縮小=貿易黒字額縮小になります。
「EX-IM」は、資本収支赤字(海外投資)から、生まれるのです。つまり、「お金の貸し借り」が先で、「貿易黒字」は後なのです。
三面等価の図を見て見ましょう。

我々が、消費せず、税金にも回さなかったお金を、貯蓄Sと言います。その国内のS(貯蓄)が、I(企業の投資)、(G-T:公債)、 (EX-IM:輸出―輸入:経常黒字:海外への資金の貸し出し)になるのです。S=144兆円、それがI93兆円、G-T32兆円、EX-IM18兆円に回るのです。EX-IM18兆円は、海外へのお金の貸し出し なのです。
外国債・外国株・外国社債などの購入や、外国への貸付額がEX-IM18兆円なのです。
これらは、銀行などの金融機関、生命保険会社・投資信託などの機関投資家、政府、企業、個人です。これらは、①資本収支赤字=海外資産増加になります。
資料集や教科書が間違いを記載するのは、正しい経済理解ISバランス式
(S-I) = (G-T) + (EX-IM)
貯蓄超過= 公債 +経常黒字
を掲載していないからです。この式は、経済学のイロハで、全ての経済学(学者)の前提となる式です。「九九」みたいなものです。これを否定した経済学は成立しません。
その基本中の基本をおさえていないので、経済について詳しく記述すればするほど、どんどんゆがむのです。
地方を除く国だけで考えると、11年度以降、消費税を1%ずつアップさせ、最終的に消費税を12%にすると、18年度に「プラマイ0」になります。5%増(合計10%)だと、「プラマイ0」は21年度になります。どっちにしても、「消費税UP」はしなければいけません。
三面等価の図を見ると、我々は所得をC消費+T税金+S貯蓄に回しています。C消費は日本の場合、年によってそんなに変化はありません。ですから、消費税を上げるということは、TとSの割合をどうするかの問題でしかありません。今のままだと、Sから、公債費が支払われます。消費税を12%にすると、公債費発行は0です。ようするに、税金か、貯蓄かという表面上の問題に過ぎないのです。貯蓄→公債発行→返済は国民ですから、貯蓄減→公債0→返済なしでも結果は同じです。
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