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再掲 新聞を解説『マイバッグで万引き急増』読売新聞北海道地方版 H21.6.3

新聞を解説『マイバッグで万引き急増』読売新聞北海道地方版 H21.6.3

 スーパーのレジ袋に変わるマイバッグの普及が進む中、これを悪用した万引きが増え、スーパー関係者を悩ませている。札幌市内では、マイバッグの持込を禁止する店も出てきた。
…札幌西署は、…無職女(51)を…逮捕した。…女はカートを押し…マイバッグに商品を入れ…食料品51点(約1万4000円相当)が詰め込まれていた。
…札幌市西区のスーパー「マンボウ」では…レジ袋を有料化した昨年10月以降、万引き被害が増加。マイバッグを使った被害は確認できるだけで毎月10件を超え、それまでの約2倍に増えた…。…同店は3月からマイバッグの店内持込を禁止…清算後もマイバッグは使わず、同店が無料で提供するレジ袋を使うよう求めている。「環境保護の重要性はわかるが、万引き被害の急増ぶりは無視できない。苦渋の決断だった」…。


 以前、4月8日のこのブログで指摘したように、レジ袋を導入した理由は、「万引きを防ぐため」でした。レジ袋を追放した結果、万引きが増えるのは当たり前のことです。
 店側として、タダのレジ袋を配るコストと、万引き被害によるコスト(時間と費用とエネルギー)を比べると、どちらのコストが高いのでしょうか。
経済学的にいえるのは、高コスト=環境に悪い=マクロ経済学的に見て儲けが大きい ということです。また、低コスト=ミクロ経済学的に見て店の負担が少ない=もうけの幅を大きくするということです。

コストは費用、結局カネで計算できます。GDPを増やすには、コストをかけることです。でもそれは環境に負荷をかけることです。GDP増=CO2排出量増のことです。経団連が、「1990」年に対し、「4%増」(2005年比では4%減です)と主張したのは、ある意味当然のことです。

  タダのレジ袋を配るほうが、コストが安いなら、店側はそのような対応をとるでしょう。
  

 環境で儲ける人たちがたくさんいます。その人たちが「環境」と叫ぶのは、「儲けたい」という言葉と同義です。

恵海『大機小機』日本経済新聞H21.6.4
5月24~26日、コペンハーゲンで「気候変動に聞するワールド・ビジネス・サミット」が聞かれた。…特に目立ったのは、「排出量取引はすべての環境問題を解決できる魔法のつえ」と…排出量取引によって巨額の利益を獲得しようと考えている人々の存在である。
 EU中小国の環境大臣は、「EU内に世界統一の排出量取引所を設立し、取引により創出される巨額のマネーで、EUのグリーン投資をファイナンスする」など「錬金術師」のような不可解な議論を声高に繰り返し叫んでいた。こうした「不都合な真実を利用したい人々」が排出量取引にまい進すれば、マネーゲームとなり、大きな副作用を引き起こすことは必定である。
 輸出産業が乏しいEU中小国は排出枠輸出による資余得を狙っている。その戦術は日米に厳しい削減率を押しけ排出枠を買わせることにある。排出量取引はC0,削減が目的のきれい事の世界でなく、金の亡者がはびこる世界に転化しつつあるようだ
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