シロウト論は、暴走が止まらない!→政府支出を5兆円増やせば、GDPは5兆円増える!・・そうです。シロウト論では(笑)
とにかく、シロウトは、根拠・証拠(エビデンス)もないのに、というか、証拠があるのに、それを無視して、「財政出動すれば、GDPが増えるんだああああ!」の一点張りです。
(デタラメその1)
Y≡C+I+G+(EX-IM)
この式を根拠に、
Y≡C+I+G(+5)+(EX-IM)
にすれば、
Y(+5)≡C+I+G(+5)+(EX-IM)
だから、GDPも5増えるのだそうです。
最初に、
「Y≡C+I+G+(EX-IM)式は、移項できる式(合同式)で、方程式ではないけど、それは認めますか?」と尋ねたらOKと答えました。しかしやっていることは、合同式を全く理解していない、足し算です。中学校の数学が理解できていません。よくある間違いを見てみましょう。
Y≡C+I+G+(EX-IM)は、事後に成立する式:合同式で、Y=2Xのような、Xを増やせば(原因),Yが増える(結果)というような方程式でも、まして足し算引き算を人為的にするための式ではありません。そこを間違うとトンでも論になります。合同式なので、左右の移項はいくらでもできます。トンデモ論に乗っかって無理やり計算しているので、最初からナンセンスなことをしていると、理解してください(笑)
①輸入IMはGDPの控除項目だから、IMが減ると,GDPが増える。
Y≡C+I+G+(EX-IM)
そう見えますね。しかし、この本等の式は、総供給=総需要の
Y +IM≡C+I+G+EX-
でした。さて、
Y +IM≡C+I+G+EX
で、輸入IMが減れば、GDP増えますか?(笑)。
②政府支出を5増やせば、GDPは5増える。
Y≡C+I+G(+5)+(EX-IM)
にすれば、
Y(+5)≡C+I+G(+5)+(EX-IM)
になるそうです(笑)
では、
Y-G≡C+I+(EX-IM)
で、Gを増やせば、Yが増えますか?(笑)
この式は、事後に成立する式で、あちらを増やせば、こちらがこうなって・・・などという、「タラれば」式ではないのです。
(デタラメその2)
Y≡C+I+G+(EX-IM)
で、G増だったのに、Y減だった年度は、
①98年度→97年度→99年度
②00年度→01年度→02年度
③2008→2009年度
④2010→2011年度。
こんなにあります(笑)。この実証、現実を伝えたにもかかわらず、「政府支出を伸ばせば、GDPが増えるううううう」のだから、もうどうしようもありません(笑)
もしも、
「政府支出を5兆円増やせば、GDPは5兆円増える」のであれば、自動的に1%成長、「政府支出を10兆円増やせば、GDPは10兆円増える」で2%成長が自動的に達成できてしまいます。
こんなに簡単なのに、なぜ、各国政府はこの財政政策を採用しないのでしょう?ドイツなんか、逆に財政黒字!です(笑)
こんなことができるなら、発展途上国・最貧国など、あっという間にこの世からなくなります。
↓
http://abc60w.blog16.fc2.com/blog-entry-1153.html
基礎基本 需要と供給 「需要を増やせば供給が伸びる」ことなどない。
↑
参照

GDP供給が伸びるのは①労働力増②資本力増③生産性増の場合です。
政府支出を増やせば、①今労働市場に参加していない人がいきなり増えるとか、②工場も店舗も商店も配送トラック…もいきなり増えるとか、③個人の能力がいきなり上がって生産性が上がるとか、新技術・新機械の導入で生産性がいきなり上昇する…などありえません。
P・クルーグマン『経済政策を売り歩く人々』ちくま学芸文庫 2009
経済学者は、どうすればハイパーインフレーションを避けられるかといった助言は確実にできるし、不況の回避方法も、たいていの場合教えることはできる。しかし、貧しい国をいかに豊かな国にするかということや、経済成長を再現させるにはどうしたらよいかといった問題に関する解決策はいまだにない。
齋藤誠他「マクロ経済学」有斐閣2010 p646
マクロ経済学の最大公約数的な考え方。実際のGDPが潜在GDP(筆者注:日本の持つ労働者や工場などの生産資源を過不足なく使った供給力)を下回る不況、その場合、財政政策や金融政策のマクロ政策によって、実際のGDPを潜在GDPにまで引き上げることは、理論的にも実証的にも正当化できる。しかしマクロ経済政策には、潜在GDPを増大させる効果がまったくない。
井堀利宏 「大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる」 KADOKAWA 2015p204
拡張的な財政金融政策によっては、長期的にはGDPを増加させることは不可能になります。総需要を刺激する財政金融政策は短期的な効果はあっても長期的な効果はないのです。
松尾匡
2014.05.29 Thu
ケインズ復権とインフレ目標政策――「転換X」にのっとる政策その2
ケインズ政策が高度成長を前提しているなどという誤解のもとには、働く人手や機械や工場などの生産能力の成長と、モノやサービス全体が売れる量(総需要)の成長とを混同しているところがあると思います。ケインズ嫌いの新自由主義政策が目指したのは、生産能力の成長の方(「サプライ・サイド」)です。それに対してケインズ政策が目指すのは、失業が出て生産能力が余っている状態から、失業者が雇いつくされた状態までもっていくことです。そのために、完全雇用の天井にぶつかるまでは総需要を成長させますが、成長自体が自己目的ではありません。
GDPを増やす方法など、この世にありません。残念なことです(笑)。
グリーンスパンFRB議長 1987年8月
「常にインフレを抑え、株価を上げ、ドルの安定や低金利、雇用増を実現できる人がいればありがたい」