比較優位を理解しようとしない関良基 拓殖大学准教 曲学阿世
本当に、現実を見ようとしない「バカ」はいます。 関良基には、自著「図解使えるミクロ経済学」KADOKAWA の原稿データ」を送り、「説明してやっている」のに、未だに「理解しよう」としません。
実は、関良基自身が、「ピグマリオン症候群」に陥って、現実を全く見ようとしていません。「ピグマリオン症候群」とは関良基の説明よると、下記だそうです。
http://data11.web.fc2.com/jiyuuboueki5.html
関良基
現実と違っても数学モデルを信仰してしまう経済学者たち
ピグマリオン症とは、「現実を説明するためのモデルでしかないものを、現実に存在する実態であるかのように錯覚してしまう」という症状である。
新古典派経済学は、ニュートンの古典力学を模倣して構築された学問である。新古典派の創始者の一人であるレオン・ワルラス(1834~1910)は、ニュートンの力学モデルを数学的に精綴化したラグランジュ(1736~1813)の解析力学の体系を模倣して、その学問体系を構築している。これは誤った模倣であり、それゆえ、経済学は現実世界を正確に反映できないのである。
http://blog.goo.ne.jp/reforestation/e/ba64b32b31dcdeabdf84dfab9597181c
新古典派経済学とピグマリオン症
モデル世界を信仰してしまうと、しばし「そのモデルは現実そのものであると」勘違いしてしまう研究者も出てきます。新古典派経済学を勉強した人々に、この症状に感染した人が多いのです。
↑
モデルに執着し、現実に存在するかのように錯覚することを「ピグマリオン症候群」と言うそうです。
新古典派の「一般均衡」、要するに、需要と供給曲線によって示される世界ですが、こんなものを「金科玉条」のごとく信奉(ピぐマリオン化)する経済学など、この世にありません。
とうほう 「テーマ別資料 政治・経済」p111
完全競争市場とは理論上の言葉であって、実在しない。農産物市場がこれに近いと言われている。
清水書院 政治経済資料集 2015 p227 …こうした完全競争市場は、理論的モデルであって現実には存在しない。…にもかかわらず、完全競争市場を理解しなければならないのは、それが市場構造を評価するベンチマークだからである。現実の企業が直面するほとんどの市場は、完全競争市場の条件のいずれかを欠いている不完全競争市場なのである。
ところが、関良基自身が、「ピグマリオン症候群」に陥って、現実を全く見ようとしていません。しかも、自分が陥っていることに気づいていないのだから、哀れです。
関良基「ピグマリオン症候群」という、比較優位の「トンでも説明論」にこだわり続けています。
週刊エコノミスト 2017 3.28号
関良基
「現実離れした自由貿易モデル『新古典派』の過度な数学信仰」
…貿易する2国がお互いに得意分野に特化して貿易をすれば、双方の国に利益がもたらされることは、リカードが明らかにして以来、経済学で最も基本的な真理」…
…貿易における「真理」と呼んだ古典派のリカード・モデル…現実世界で行われる貿易の実態から大きく乖離している。…ここでは…非現実的な点を3点あげておく
第一に、…「供給したものはすべて売れる」という前提に立っている。…自由貿易は確かに生産を効率化するが、総需要が伸びない中で強引にそれを推し進めると、失業者を増加させてしまう。米国における失業率の悪化は、その事実を雄弁に物語っている。
第二に、…生産費用が「動学的(引用者注:将来にわたって)に変化しない」という暗黙の仮定がある。…工業製品は規模拡大によって効率化し生産費用が低下していく傾向があるのに対し、農林水産業や天然資源産業は…生産効率の上昇には限界がある。このことから…工業に特化すれば得であり、農業に特化すれば損をする。農業に競争力があっても工業に競争力のない米国の現実を見ても、それは明らかであろう。
第三に、…労働力や工場(引用者注:これらを資本という)は国の中に固定されており、生産された財のみが国境を超えるという前提に立っている。現実世界ではそれらは容易に国境を超える。…現実には当てはまらない。
問題は、このように自由貿易を擁護するモデルが必ずしも現実と合致しないことを知りながら、モデルを支持しつづける経済学者の態度だ。…経済学では、数学モデルの方が真理で、現実の方が間違っていると考え…。…そのような考えは「信仰」であって科学ではない。…実証こそが真偽を判定する基準のすべてであり、数学モデルなど、実験結果を説明するための道具でしかない。
このように、「3つの非現実的な点」があるそうです。
ですが、「比較優位=機会費用」の話であり、こんな「3つの非現実的な点」など、まったく関係ありません。
こういう、バカな話は、どこに載っているかというと、「三橋貴明ブログ」でした。
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11195131650.html
民主主義について学ぼう
ちなみに、こういうことを書くとバカの一つ覚えで「リカードの比較優位論によると、自由貿易で~」などと言い出す人がいるので書いておきますが、リカードの比較優位論は少なくとも以下の三つが成立していなければ成り立ちません。
◆セイの法則:物を生産すると必ず売れる。需要は供給で決まる。という、現在の世界ではありえない法則
◆完全雇用:自由貿易に参加する国々の失業率が「全て完全雇用」であること。
◆資本移動の自由がない:為替レートや物価上昇率などの環境条件により、企業が平気で資本(工場など)を移動してしまうような世界では、比較優位論は成り立たないのです。
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11575739641.html#cbox
現実から乖離した経済学の害
「新古典派教」の教徒さんたちです。柴山先生によると、彼らには「聖典」として信じて疑わない、幾つかの理論があるとのことでございます。
例えば、「自由貿易」です。とにかく、彼らにとって、「自由貿易は常に正しい」というのは絶対理論とのことでございます。
「自由貿易が善(国民の便益が増える)」になる背景の理論、例えばリカードの比較優位論やヘクシャー=オーリンの定理が、
「完全雇用が前提」
「資本移動の自由がないことが前提」(生産要素が国家間で移動しない)
など、幾つかの前提なしでは成立せず、現状は完全雇用を達成している国などなく、資本移動も自由化されていることは、綺麗に(脳内で)無視されてしまうそうです。
http://d.hatena.ne.jp/furuta01/20111017/1318843404
[その他]『TPPに反対する理由2/2』三橋貴明 2011.8.23CommentsAdd Star
リカードの比較優位論が機能するのは、セイの法則が成り立っていることが前提である。セイの法則とは、供給能力を高めれば、自然と需要が増えるというものである。これが成り立つには条件がある。インフレ期であれば、モノが足りないから需要も増える。ところが今の日本は供給能力が余っている。供給能力を高めても需要は高まらない。なぜか。それは今がデフレだからだ。今TPPをやると、間違いなく物価が下がる。それはさらなるデフレの促進要因となる。
(続き)これが資本の移動のできる品目に関してはどうなるか。たとえば自動車は、日本から企業が中国に移動して、工場を作ることによって、あまり品質の変わらない製品ができてしまう。つまり、製造業はコストの安いところに移動して、そちらで生産した方が利潤が高まるという話になる。比較優位もあったものではない。日本の雇用が消えて中国の雇用が増えるということになる。
現代の世界の問題は、失業である。アメリカは9%、ヨーロッパはスペインとかは20%、軒並み15%を超えている。日本は5%。とても低い。よく自由貿易論者の人が言うのは、単純労働的な製造業が外国に移転すると、残された日本の労働者たちは、より高度なサービス産業とかに就職できる、というが、そんなもの夢物語だ。すでにそのサービス産業には労働者がいるわけだから、新たな労働者が参画して、人件費は下がらざるを得ない。
おまけに、ウイキペディアです。
ウイキペディア
一国内では生産要素の移動は完全に自由であるが、国際間のでは生産要素は移動せず、生産物のみが貿易されるリカードが仮定した前提である。多くの国際貿易論は、生産要素(労働力、資本、土地)が国・地域を越えて貿易されないと仮定してきた。
リカードの比較生産費説の原理が成り立つには以下のような前提条件があり、このうちいずれかが欠けると「みんなの利益」にはならないとする指摘もある[32]。
1.為替レートが適切な範囲内であること
2.完全雇用の状態であること
3.将来の優位産業を潰さないこと
4.産業調整のコストがゼロであること
5.外部効果(外部不経済)がないこと。
伊藤修 『日本の経済-歴史・現状・論点』 中央公論新社〈中公新書〉、2007年、185頁。
まったく、学者が「三橋の話」とか、ウィキペディアレベルの話に金泥(ピグマリオン化)して、どうしようというのでしょう?
「比較優位=機会費用」の話であり、こんな「3つの非現実的な点」、関良記の前提条件など、まったく関係ありません。
このような、前提条件など、「比較優位=機会費用」にはまったく必要ありません。上記の「前提?」のまちがいは、クルーグマンが答えています。
「クルーグマンの国際経済学、理論と政策、上下」出版社ピアソン、2010年
上巻 第7章生産要素の国際移動
労働の国際移動
国際的な資本移動
直接投資と多国籍企業
結論は、貿易=交換=トレードとは、間接的な生産要素(土地、労働、資本としての生産財や資本財など)の移動のことです。
では、関良基のウソ・デタラメを論述しましょう。
>第一に、…「供給したものはすべて売れる」という前提に立っている。現実には供給したものは売れ残る。売れ残りが発生すれば失業が発生する。…自由貿易は確かに生産を効率化するが、総需要が伸びない中で強引にそれを推し進めると、失業者を増加させてしまう。米国における失業率の悪化は、その事実を雄弁に物語っている。

あの、米国の貿易(自由化の進捗)は伸び、失業率は改善しています。どこに
>米国における失業率の悪化
があるのですか?自分の主張のためなら、平気でうそを言います。
大体、
>「供給したものはすべて売れる」という前提に立っている。現実には供給したものは売れ残る。売れ残りが発生すれば失業が発生する。
こんなことがあるわけがない。リーマンショックの時に生じた現象は、「供給したものはすべて売れる、売れ残る」ではなく、「生産調整する」でした。だから、派遣切りという失業が生じました。
関良基は、どうして、現実に目をつぶって、ウソを言うのでしょう?
>第二に、…生産費用が「動学的(引用者注:将来にわたって)に変化しない」という暗黙の仮定がある。…工業製品は規模拡大によって効率化し生産費用が低下していく傾向があるのに対し、農林水産業や天然資源産業は…生産効率の上昇には限界がある。このことから…工業に特化すれば得であり、農業に特化すれば損をする。農業に競争力があっても工業に競争力のない米国の現実を見ても、それは明らかであろう。
>農業に特化すれば損をする。
ニュージーランドは、農業に特化して「トク」しています。
日本総合研究所
平成25年度海外農業・貿易事情調査分析事業
(アジア・大洋州)
「ニュージーランドの農林水産業の現状及び農業政策
(乳製品を中心に)」
ニュージーランドは、貿易財の半分以上を、農業が占める農業大国です。農業の貿易額そのものも増えています。で、農業に特化すれば損????
>農業に競争力があっても工業に競争力のない米国の現実を見ても、それは明らかであろう。
あの、アメリカの製造業をなめていませんか?アメリカの製造業の「輸出額」は、世界一ですよ!
>工業に特化すれば得であり、農業に特化すれば損
大体、貿易を「どちらかが損、どちらかが得」で表現するなど、まるっきり現実を「無視」しています。貿易=交換=トレードは、両者が「トク」するから交換するのであり、絶対に、「WIN-WIN」にしかなりません。関良基は、「機会費用」が全く分かっていないのです。
クリック
↓
比較優位とは、機会費用のこと これ以上の説明は無理!
関良基は、高校レベルの基礎知識すらありません!
貿易=交換=トレードとは、自分が生産した財・サービスを、相手が生産した財・サービスと交換することです。(⇔は交換の事)
教員としてサービスを生産 ⇔ 20万円という貨幣 ⇔ 子供の塾代4か月分
コンビニアルバイト ⇔ 1万円という貨幣 ⇔ 服を購入
これが「機会費用」に基づく交換です。
サラリーマンが、昼休みに「弁当」を買い、「外食」するのも、「機会費用」です。自分で作って食べることも可能ですが、それにはコスト(時間・費用)が掛かります。だから、500円の弁当や、1000円の外食費で「交換」した方がトクと考えているから、交換します。
別に、弁当屋も外食産業も、「ソン」しているわけではありません。みな「トク」だと思うから、交換します。
車を購入したときに車庫証明を「1万5000円」でディーラーに頼むのも、「コスト=機会費用=時間・カネ」です。仕事をしている人に、そんなことをする時間はありません。(でも、「学生」ならヒマなので、自分で取得することも可能です)。
みなさんが、「コメ」づくりをやらないで、スーパーで買うのも、「機会費用」だからです。コメ作りはやろうと思えばできますが、コスト(時間・費用)がかかり過ぎます。だから交換するのです。そうすると、時給2500円として10分間もあれば、コメは十分に食べられます。「コメ作り」をしたら、こんな時間で作るのは、到底無理です。
芸能人や、医者や、会社経営者・管理職…が移動にタクシーを使うのも機会費用を考えてです。時給5000円(年収1000万円)とタクシー代40分4000円なら、タクシーを使ってでも時間を節約した方がトクです。タクシーを使わないで、「失われる時間」がもったいないのです。
重要なのは、「交換が盛んになること、増えること=GDPが増えること」です。特化し、分業し、交換した方が、人類が豊かになるのです。
マンキュー10大原理 その5
交易(取引)はすべての人々をより豊かにする。
清水書院 新政治・経済 最新版 p76
経済問題に直面した場合、最適な選択をするためにはどのように考えたらよいだろうか。選択に際して、機会費用を含んだ費用を、選択によって得られた利益と比較する考え方が必要である。
実教出版 高校政治経済 p107
あらゆる選択はさまざまな選択肢のそれぞれについて、便益と費用の比較衡量に基づいて行われる。
どうして、この「原理原則」が、関良基には、理解できないのでしょう?
関税をかけろ、自由貿易を修正しろ・・
ペットボトルのお茶に、150円の物品税(関税と本質的には同じ)をかけろ、ラーメンには1杯1000円の「取引税をかけろ」、日帰り温泉には、800円の「温泉税をかけろ」・・・
税金をかけたら、崩壊します。
なぜ、「自由貿易」がこれだけ拡大しているのか(現実)。それは、みな「豊か」になっているからです。

>第三に、…労働力や工場(引用者注:これらを資本という)は国の中に固定されており、生産された財のみが国境を超えるという前提に立っている。現実世界ではそれらは容易に国境を超える。…現実には当てはまらない。
いいえ、貿易自体が、資本移動をともなっています。

第一学習社 現代社会 P205
経常収支と金融収支の関係
経常収支は一国の対外的な所得と支出の差を表す。たとえば、所得が支出を上回って、経常収支がプラスであれば、その分を海外への直接投資や証券投資に運用、外国に貸し出す。そのため対外純資産が増加し、金融収支がプラスとなる。一方、支出が所得を上回って、経常収支がマイナスの場合は、そのマイナス分を海外から借り入れることになる。そのため対外純負債が増加し、金融収支がマイナスとなる。
その結果、日本が持つ海外資産と、海外が日本に持つ資産の差=対外純資産は、24年連続、世界一になっているそうです。

日本が持つ海外資産=アメリカの工場、中国の店舗、タイやインドネシアの土地・建物・・・国債や社債、株式のことです。
第一に、…「供給したものはすべて売れる」という前提に立っている。…自由貿易は確かに生産を効率化するが、総需要が伸びない中で強引にそれを推し進めると、失業者を増加させてしまう。米国における失業率の悪化は、その事実を雄弁に物語っている。
第二に、…生産費用が「動学的(引用者注:将来にわたって)に変化しない」という暗黙の仮定がある。…工業製品は規模拡大によって効率化し生産費用が低下していく傾向があるのに対し、農林水産業や天然資源産業は…生産効率の上昇には限界がある。このことから…工業に特化すれば得であり、農業に特化すれば損をする。農業に競争力があっても工業に競争力のない米国の現実を見ても、それは明らかであろう。
第三に、…労働力や工場(引用者注:これらを資本という)は国の中に固定されており、生産された財のみが国境を超えるという前提に立っている。現実世界ではそれらは容易に国境を超える。…現実には当てはまらない。
問題は、このように自由貿易を擁護するモデルが必ずしも現実と合致しないことを知りながら、モデルを支持しつづける経済学者の態度だ。…経済学では、数学モデルの方が真理で、現実の方が間違っていると考え…。…そのような考えは「信仰」であって科学ではない。…実証こそが真偽を判定する基準のすべてであり、数学モデルなど、実験結果を説明するための道具でしかない。
ウソまでついて、「自由貿易」を否定する農学者。関良基のようなヒトを「曲学阿世」といいます。