空理空論の北海道鉄道網維持
北海道新聞
道のJR支援 鉄路の行方まだ見えぬ
12/15 05:00
道がようやく重い腰を上げた。
JR北海道が単独で維持困難とする10路線13区間の見直し問題を巡り、高橋はるみ知事は道議会で、JRの自助努力を前提に財政支援する考えを初めて示した。
道が出資する第三セクターがJRの車両を保有する方式を参考にする。膠着(こうちゃく)状態にあるJRと沿線自治体の協議を前進させるきっかけにはなるだろう。
とはいえ、多額の経費がかかる線路などの所有や維持管理を誰がどんな形で担うべきなのか、現時点では不明だ。今回の支援表明が路線維持への決め手になるとは必ずしも言い切れない。
道は課題を整理して具体的な方法を詰めると同時に、国を説得して十分な支援を得る必要がある。
道が想定するのは、道とJR、沿線自治体が出資する北海道高速鉄道開発の枠組みだ。宗谷線旭川―名寄間や、石勝・根室線南千歳―釧路間で、購入車両をJRに貸し付けるなどしている。
JRは設備投資額を減らすことができ、道も貸付料が入るので負担を抑えられる。問題解決の糸口になることを期待したい。
ただし、JRは線路などの施設を自治体が保有する上下分離方式を有力視しており、道の考え方とは隔たりがある。
多くの沿線市町村は、財政事情の厳しさなどから上下分離に難色を示しているのが実情だ。
施設の帰属と負担のあり方について関係者の合意が不可欠だ。
知事は、国に鉄道建設・運輸施設整備支援機構の特例業務勘定の活用を求める方針を示した。
30年前の分割民営化に伴う土地や株式の売却収入を原資とする同勘定は、JR北海道の経営支援にも充てられている。
民営化後、経営安定基金の運用難で鉄道の赤字を穴埋めする仕組みが機能不全になった経緯を踏まえれば、JRの唯一の株主でもある国の責任は重い。
知事も、JR再生に向け「引き続き国が中心的な役割を担う必要がある」と指摘した。
一方、JR側は上下分離方式の財源として、沿線自治体に過疎対策事業債の活用を提示している。
国は路線見直し論議を地元任せにするのではなく、支援の意思を明確にして、その枠組みや財源の選択肢を提示してもらいたい。
路線問題への取り組みと併せて、道は地域住民の声にしっかり耳を傾け、生活、観光、物流などを支える全道の交通網の将来像を早急に描かなければならない。
JR特別委、来月から議論 道議会が設置案を可決
12/15 05:00第4回定例道議会は14日、本会議を開き、JR北海道の路線見直し問題を話し合う「北海道地方路線問題調査特別委員会」設置の決議案などを可決して閉会した。特別委は来月から本格的な議論を始め、必要と判断すればJR幹部らから参考人などとして意見を聞く。
本会議後に開いた特別委で、喜多龍一委員長(十勝管内)は「北海道の未来や地域振興の分岐点との認識の下、さまざまな視点、角度から議論を積み重ねたい」と述べた。
釧網線存続へ議論 網走初のシンポに350人
いくら、時間を使って、人を使って、(ということは、カネも使って)話し合いをしても「ムダ」です。鉄道維持など、空理空論です。
デジタルの時代に「フィルムカメラを残そう」というような話です。町も市も村も、町長も市長も村長も、町議も市議も村議も、同議会議員も知事も、北海道選挙区の国会議員も、みな「存続を!」と言いますが、誰一人「JR北海道」を使って公務出張などしていません。
自分たちが「不便」だから使わないのに、「鉄路存続を」って、いったい何のため?答えは、「パフォーマンス、建前」のためです。
<全線赤字のJR北海道>
北海道新聞16年01/29
JR北海道は29日、道内の全14路線30区間について、 100円の営業収益を得るのに必要な費用を示す「営業係数」の2014年度分を公表した。
直接的な運行費用だけでなく、本社・支社の管理部門の費用を加えると、
人口が集中する札幌圏を含めて全区間が赤字だった。 JRは「都心でも鉄道経営は厳しい」としており・・・
まあ、見事に「全路線赤字」です。

JR北海道
3年連続、全線区で営業赤字 新幹線54億円
.毎日新聞2017年11月8日 08時42分(最終更新 11月8日 12時45分)
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JR北海道は7日、2016年度の線区(区間)別収支状況を発表した。同年3月に開業した北海道新幹線を含め営業黒字の線区はなく、路線全体の営業赤字は前年比114億円増の約526億円に上った。このうち「単独では維持困難な線区」全体の赤字は約161億円。北海道新幹線は、当初想定に近い54億円の営業赤字だった。
こういうJR北海道を、
沿線自治体が支えろ!→無理だ!カネがない!
北海道が支えろ!→無理だ!カネがない!
国に面倒を見てもらえ!!!!
中には、JR東日本と資本提携しろ!などという、暴論もあります。
http://toyokeizai.net/articles/-/199920
JR北海道は「JR東日本株」取得で安定化できる
業務・資本提携が生むメリットとは?
大塚 良治 : 湘北短期大学准教授
結局、こんな話ばっかりです。
<JR北>日本一早い最終列車 札沼線の発車20分繰り下げ
12/15(金) 22:58配信
JR北海道は15日、来年3月のダイヤ改正で、1日1往復だけが折り返し運行されている札沼線の終着駅、新十津川駅(新十津川町)の発車時刻を、現行の午前9時40分から20分繰り下げ、午前10時にすると発表した。
この列車は「日本一早い最終列車」として知られる。往路の同駅到着時刻(同9時28分)に変更はなく、同駅での滞在時間は現行の12分から32分に延びる。
JR北は各路線の利用促進を図るため自治体と協力して「わがまちご当地入場券」をつくり、新十津川のような無人駅では駅周辺の店舗などで販売しているが、購入する時間がないとの意見も寄せられていたという。
札沼線の北海道医療大学-新十津川間は2016年度、営業係数(100円の営業収益を上げるための営業費用)が2609と、バス代行中の区間を除くとJR北の全路線で最大だった。JR北は地元自治体に、廃止とバス転換を提案。一方で鉄道ファンなどに根強い人気がある。【日下部元美】
鉄道維持しろ!など、鉄道オタクの妄想です。
人口減の北海道で、自家用車登録台数は増えています。「鉄道がなくなり、不便になったから増えた」のではなく、「便利だから増えた」のです。

http://wwwtb.mlit.go.jp/hokkaido/kakusyu/toukei/index.html
<誰も困らないバス転換>
日高線は、2015年1月の高波による被害で、海岸線沿いの線路が壊滅し、復旧できません。この間は、「代替バス」が走っています。

鉄路がなくなると、交通弱者、高校生やお年寄りが学校や病院に通うのに困る・・・。
本当は、高校生は困ってなんかいません。
武川にも静内(新ひだか町)にも、浦川にも 様似にも、高校や高校生がいますが、「鉄道が無いから困る」という生徒はいません(バスの方が鉄道より時間がかかるので、不便な生徒はいます)。でも110キロもの距離を、鉄道を使って通う生徒などいません。最長でも40キロ、時間にして1時間です。
バスで十分なのです。