消費増税凍結しろという、暴論 その1
アサヒが値上げをすると、キリンも必ず値上げする! 寡占市場の法則
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ほら、ね!(笑)
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サントリーもビール値上げへ…アサヒに続き
2017年11月21日 19時34分 読売新聞
サントリーホールディングスは21日、瓶ビールや飲食店向けの樽たる詰めビールの一部商品を2018年4月出荷分から値上げすると発表した。
「ザ・モルツ」大瓶(633ミリ・リットル)の店頭価格は1割程度上がるとみられる。ビール業界では最大手のアサヒビールがすでに18年3月からの値上げを決めており、同様の動きが広がってきた。
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続々と・・・
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2017年11月28日 18時38分
産経新聞
キリンビールは28日、業務用のたる詰めビールを中心に容器回収タイプの酒類を来年4月1日に値上げすると発表した。
アサヒビールが来年3月、サントリーホールディングスは4月出荷分からの値上げを決め、サッポロビールも近く発表する方向で検討しているという。3社とも缶製品は値上げしないが、瓶ビールの場合は店頭価格が10%前後高くなる見込み。
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はい、完成(笑)
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ホウドウキョク11/29(水) 19:34配信
サッポロ業務用ビールなど10年ぶり値上げへ
サッポロビールは、主に業務用に販売しているビールなどを10年ぶりに値上げすると発表した。これで、大手4社がそろって値上げとなる。
サッポロが値上げするのは、2018年4月1日以降に出荷するビールや発泡酒、第3のビールの瓶や、たる詰めなどが対象で、缶ビールは入らない。
人手不足を背景にした物流費の高騰などが理由で、値上げは、10年ぶりとなる。
値上げ幅は公表していないが、大瓶の店頭価格は、10%前後上がる見通し。
ビール業界では、アサヒ、サントリー、キリンが、2018春からの値上げをすでに発表していて、大手4社が、足並みをそろえた形となった。
<消費増税凍結などムリ その1>
http://abc60w.blog16.fc2.com/blog-entry-1127.html
未来が現在を決める 現代経済学の本質 その2 & 内部留保に課税など、無理
上記記事において、「消費税増税は不可避」ということ(将来的にはEUなみの15%~0%は必要です)を書いたところ、コメントに反論が来ました。
通りすがり
・消費税を推進する奴等は佐川と同じで国民を謀る嘘吐きです。 昔のように広報とマスゴミで騙せる時代ではありません。
・借金依存は累進強化で解決
このコメントに対し、「では、増大する一方の社会保障をどう賄うのですか?代案をお願いします」と書いたところ、通りすがりさんからは、返事がありませんでした。
当たり前です。この方は、
1.税金の全体像が全くわかっていない
2.社会保障の全体像が全くわかっていない
からです。
①については、法人税は、7割の企業は払っておらず、所得税の課税対象額は110兆円程度にすぎず、しかも、1000万以上の所得者が76.5%も負担しています。
消費税の代わりに、所得税の累進税率を上げたり、法人税率を上げたり・・・では、社会保障には対応できないのです。
そして、何よりこういう人は、
2.社会保障の全体像が全くわかっていない
のです。
これは、すべてにおいていえることです。「マクロ=全体像」がまったく見えていないので、「消費税増税反対」などと、枝葉末節でしか論じることができません。「木を見て森を見ず」の典型です。
消費増税を凍結して、景気拡大をはかれ!
消費税を上げなくても、成長すれば国の借金問題なんて解決する!
公共投資をしろ!
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12327955558.html
まず、需要ありき(後編)
三橋貴明
http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/archives/259
公共投資が亡国を救う 10年で100兆円
京都大学大学院教授 藤井聡
これらも同じです。日本のこれから=(1)社会保障がどうなるか(2)少子高齢化とは何か(3)国の予算はどうなっているかがまったくわかっていません。近視眼そのものです。
数回にわたって、なぜ「消費増税」しか方法がないのか、解説します。その前に、簡単に説明できる、暴論2例を排除しておきます。
<暴論その1>
国債を増発して紙幣を発行し、国民に配れとか、政府紙幣を発行しろなど、論外です。


国民総生産(GDP)には限界があるのに(資源も人も)、紙幣だけ増発すると、インフレになります。インフレは、資産=負債(ストック)を棄損します。過去の借金=は名目だからです。
インフレで、給与が2倍になります。名目GDPも2倍になります。しかし、生産できるモノ・サービス量は2倍にはならないので、実質的にはまったく豊かになっていません。給与が2倍になっても、カップめんが150円のところ、300円になるだけです。
注)あの、インフレ率はあくまでも「例」であって、100%だろうが、10%だろうが、1%だろうが、その本質は同じです。インフレは過去のストック 金融資産=負債を目減りさせることを理解しましょう。過去の預貯金・借金は名目で示されるからです。
一方、預貯金も減ります。家のローンのために貯めた頭金1000万円は、500万円の価値にしかなりません。家の購入額も3000万円の家がインフレで6000万円になっているからです。
貸した方も大変です。銀行は1000万円貸していたところ、実質500万円しか返済されずにチャラです。国債の借金1000兆円は実質的に500兆円ほどに目減りします。外国人投資家が持つ日本国債10%も、実質的に半額返済になってしまいます。外国人投資家は怒ります。2度と日本に投資などするものか!
1ドル100円だったものが、200円になります。ドル高円安です。
アルゼンチンやブラジルの信用がないのも、ペソやレアルの暴落・・・こんなことを何度も繰り返しているからです。
インフレはこのように、借金棒引き令=江戸時代の毀損令・徳政令のことです。通貨の信用価値が毀損するのです。国民の金融資産=負債8150兆円は、半分の価値になってしまうのです。
注)デフレは逆です。過去の預貯金・借金が実質的に大きくなります。たかが1%というかもしれませんが、1%負担が増えると、過去のストック負債8000兆円は、80兆円も実質負担が増えることになります。デフレは、恐ろしいのです。

ですから、中銀の使命は、「通貨価値の安定」なのです(日銀法第1条2条)なのです。インフレは、あなたの預貯金を、ボロボロにするのです。戦後の300%を超えるハイパーインフレは、今でいう郵便貯金10000円を30円にしてしまったのです。それで、国は、戦時国債・軍人恩給を実質的に「チャラ」にしたのです。
余談ですが、経済学では、「幕府崩壊」はインフレによるものです。中国各王朝の後退も同様です。
<暴論その2>
消費税を上げたから、消費が増えないのだ。だから、増税するな。
国民の所得は、消費+税金(公的保険含む)+貯蓄です。まず、2012年以降、国民の所得(GDI)は増えています。GDPが増えているのだから当然です。
その所得の使い道ですが、国民は圧倒的に「貯蓄」を増やしています。消費は増えていません。税・公的保険も上昇中です。

アベノミクスで、給与所得は上がっているのです。しかし、この「公的保険料」がどんどん増えているので、「手取り」が増えていないのです。
読売 h28.4.22
健保組合 平均保険料率9年連続で増
平均保険料率は、9.103%(前年度比0.081%増)で9年連続の増。1人あたりの年間保険料は平均47万9354円(労使折半)。2007年度比較、1人当たり年間保険料は、約9万6000円増えた。
安倍政権後3年間に、2人以上世帯の、税(公的保険含む)の支出は、1月あたり、5000円弱増、可処分所得は2000円強の増です(総務省 日経2016.3.28)。
毎年1%程度、所得が伸びても、税金(公的保険)が伸びているのですから、可処分所得など増えません。
閑話休題
消費が増えないのは、消費税が増税されたからだ!の根拠は、
総務省 家計調査
平成29年(2017年)9月分の消費支出は,1世帯当たり268,802円で,前年同月比実質0.3%の減少となりました。
消費支出(除く住居等)は,前年同月比実質0.7%の減少となりました。
このような数値をもとに、「消費増税後、消費は伸びていない!原因は消費増税だ!」といいたいのでしょうが、総務省調査では、「自動車購入費や仕送り」は入っていません。
まあ、それでも全部を含めたGDE(国民総支出)でも、確かに消費税導入後の2014年度以降、総消費支出も家計総消費も増えていないので、「ほらやっぱり、消費税のせいだ!」といいたいのは、分かります。
ですが、家計は「消費を減らし、貯金を増やしている」のです。「消費増税後、消費が減った」というのは一見説明できそうに見えますが、この論法では「消費増税後、消費を減らし 貯蓄が増えた」事実を説明できません。
繰り返しますが、所得は「消費+貯蓄」です。「所得増で、貯蓄増」になっているのです。「消費増税すると、貯蓄が増える」など、まったく説明になっていません。
これも木を見て森を見ず、要するに所得「①消費+税+②貯蓄」の、消費にしか目が行っていない証左です。お話になりません。
マクロ=全体像が見えていないから、こういうことになります。では、次回以降、「消費増税をするな論」が、いかに「マクロ的視点=大きな視点」を欠いているかを説明します。
補遺
消費増税すると、消費減になり、GDPが成長しない・・すべてがそういうわけではありません。
日本総研 2013年9月24日
欧州の事例から読み解く消費増税の影響
一方、税率引き上げ後の実質個人消費の推移をみると、駆け込みがみられた国では、税率引き上 げ直後こそ反動により消費が減少するものの、その後は緩やかに消費が持ち直していくのが通 例。税率引き上げ後に消費が失速したのは、イタリア(11年)、スペイン(10年、12年)に限定 。
三菱UFJ信託銀行
2014 10
日本の消費増税とグローバル比較
イギリスは2年続けて段階的に増税を行っており、日本の 2014 年4月と 2015 年 10 月の段 階的な増税を考える上で参考になる。 2010 年1月(15%→17.5%)と 2011 年1月(17.5%→20%)の付加価値税引き上げ時の景気 動向を図表 10 から分析すると、付加価値税引き上げ前後の個人消費の寄与度から増税前の駆 け込みと反動が確認できる。ただし、その後の景気後退にはつながっておらず、駆け込みと 反動による景気の抑揚はあるものの、景気への影響が深刻とは評価できない。
ドイツでは 2007 年1月に 16%→19%に付加価値税が引き上げられた。図表 12 から GDPの 寄与度をみると、増税前後での駆け込みと反動は確認できるが、その後も景気後退には至っ ていない。個人消費の短期的な上下はあるものの、均してみると景気への影響は非常に限定 的であったといえる。
イタリアでは 2011 年9月に付加価値税が 20%から 21%に引き上げられた。図表 14 から消 費増税後に景気後退へと向かったことが分かる。消費増税後の個人消費支出はマイナスが継 続しており、GDP成長率にマイナス寄与していたことが分かる。