アベノミクス批判は、だれもがとんちんかん その3
http://blogos.com/article/136006/
小笠原誠治
2015年09月26日 11:09
原油価格が下がっているからという言い訳は成り立たない!
いいでしょうか、安倍総理に言わせると、もう「デフレでない状況」になったというのです。
バカも休み休み言って欲しい!
まさに25日の記者会見が行われたその日の朝に発表された8月の消費者物価指数は、な、な、なんと2年4か月振りにマイナスになっていたからなのです。
そんなことも安倍総理は知らないのでしょうか?
それとも安倍総理のいう「デフレ」は物価が下落、ないし停滞することではないのか?
例えばGDPが成長すれば、デフレでないと考えるのか?
でも、それはおかしい。何故ならば安倍総理の肝いりで日銀に2%の物価目標値を採用させたことは明らかだからです。
さらに言うならば、4-6月期のGDPの伸び率がマイナスであったことも忘れたというのでしょうか。
これで、どうしたら「デフレでない状況」と言えるのでしょう?
そもそも、デフレだ、デフレだと騒ぎ立てていたのは安倍総理を含むリフレ派の面々ではなかったのかと言いたい!
しかし、ここに到っても似非リフレ派は主張するのです。
原油価格が低下しているから、物価が上がりにくくなっているだけで、原油価格低下の影響を除外すれば…つまり、コアコア指数でみれば、物価は上がっている、と。
グラフをご覧ください。
赤の線が、コアコア指数(食料(酒類を除く)およびエネルギーを除く総合)を示しています。
2014年4月から2015年3月までの期間は、消費税率の引き上げで2%分ほどインフレ率が引き上げられていることに注意をして下さい。
確かに、このグラフから言えることは、コアコアでみれば8月は0.8%物価が上がってますが…しかし、それは、原油価格低下の影響を除いても物価はたった0.8%しか上がっていないとも言えるのです。
目標は2%なのです。2年9カ月経過しても、たったの0.8%。
しかも、この間、日銀が保有する国債は、2012年末の114兆円から312兆円と200兆円近くも増えているのです。日銀当座預金も、47兆円から236兆円と190兆円ほど増えています。
2013年4月に、黒田総裁はマネタリーベースを2年で2倍にすれば必ず2%のインフレ率が達成できると言ったのですが、現実にはマネタリーベースは今や当初の2.4倍ほどにもなっているのに、原油価格の影響を除外したコアコアでみても、インフレ率は0.8%でしかないのです。
どう思いますか?
黒田総裁も、安倍総理も、このことについては何も言いません。
私は、リフレ派の理論が完全に間違いだったということがここに証明されていると思うのです。
「2013年4月に、黒田総裁はマネタリーベースを2年で2倍にすれば必ず2%のインフレ率が達成できると言ったのです」
言ったのですか?こんなこと。言ったのは、「2年でマネタリーベースを2倍にして2%のインフレを目指す政策」では?
日銀公式ペーパー
https://www.boj.or.jp/announcements/release_2013/k130404a.pdf#search='2013%E5%B9%B4%EF%BC%94%E6%9C%88+%E9%BB%92%E7%94%B0'
2 0 1 3 年4 月4 日
日本銀行
「量的・質的金融緩和」の導入について
日本銀行は、消費者物価の前年比上昇率2%の「物価安定の目標」を、2年程度の期間を念頭に置いて、できるだけ早期に実現する
「量的・質的金融緩和」は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで継続する。
黒田発言2013年4月当時
http://55v.info/person/haruhiko-kuroda/date/2013-04.html
インフレ・ターゲットというのは、「目標」です。ターゲットというのは「的まと」です。矢を「的」をめがけて放つということです。
的の真ん中には 「2%」とありますが、それを外すと「失敗」ですか・・・・
百発百中、オリンピック金メダリストでも不可能な水準です。ゴルゴ13なみ、つまり、漫画の世界にしかありえない水準です。
東学 資料政・経 2015
P301
消費者物価指数
消費者物価指数は,輸入品価格を含む。①総合物価(CPI)②生鮮食料品を除く(コアCPI)③生鮮食料品とエネルギーを除く(コアコアCPI)がある。08年のように,投機的な動きで燃料・食糧価格は激しく動くので,物価水準を見るのには,②,③を使う。
GDPデフレーター
実質GDP=名目GDP÷デフレーター×100
名目所得(名目GDP)が10%伸びても物価が10%上がれば,実質的な所得(実質GDP)は変わらない。デフレーターがプラスならインフレ,マイナスならデフレとみなす。国内の財・サービス価格を反映する。


消費者物価コアコアも上昇、GDPデフレーターも上昇です。
インフレターゲットにおいては、2%は目的です。
しかし、アベノミクスという金融政策のなかでは、インフレは手段、目的は「予想を変えることにより、現在の(投資などの)行動を変え、未来を変えること」です。