コメの減反はなくす・・・飼料米は増える・・・
読売2017.10.13

読売 2017.10.13
「稼ぐ農業どう育てる」
25ヘクタールの水田を持つ茨城県の深谷知寿さん「減反が廃止されてもすぐに大きな影響はない」廃止後も、家畜のえさとなる飼料用米に転作した農家向け補助金は変わらない。3年前に水田の1/4を飼料用米に転作した深谷さん、年間で約1000万円の補助金…。
コメの生産を減らした農家(転作や飼料米にする)には 10アール当たり7500円の補助金が出ます。下記記事にあるように、飼料米にすると 10万5千円です。補助金は、2017年度約700億円です。
農水省は、飼料用米を増やすキャンペーンを行っています。
http://www.maff.go.jp/j/seisan/kokumotu/siryouqa.html
農水省
平成27年3月末に閣議決定した、新たな「食料・農業・農村基本計画」においては、飼料用米の生産拡大を明記するとともに、平成25年度実績の10倍となる110万トンの生産努力目標を掲げたところです。
飼料は、自給率26%(平成23年度)ですが、これをH32年度には、38%に高める(農水省)目標だそうです。
平成26年5月22日 日本飼料工業会
下図の主要飼料の輸入金額の合計は、年間で5,113 億円となっています。

一方、日本の補助金は、H25年度で、5602億円です。
①飼料米・転作 2770億円
②畑作物直接支払い 2072億円
③米の直接支払い 760億円
日本のヒトが食べる「小麦」輸入額は、H25年度で、2222億円です。
ヒトが食べる小麦が2222億円、動物が食べる飼料米他に補助金が2770億円です。
動物が食べる輸入飼料に5113億円、補助金は5602億円です。

平成28年度 米生産量(千トン)
ヒトが食べる米8,042
飼料米 506

どうですか? ヒト用米をやめても、飼料用米にするだけで、今まで通りの収入が確保できます。
北海道新聞 2017年10月14日 土曜日
減反廃止なのに作付け増えぬ?
空知管内の50代のコメ農家は「手厚い交付金を目当てに、農家が主食用米から飼料用米に次々と切り替えている」と明かす。飼料用米は14年度に交付金が10アール当たり最大10万5千円に拡充。16年の道内作付面積は3年前の5倍以上の2770ヘクタールに上る。18年はさらに一部の交付金が増額されるなど、転作支援が充実する。減反の廃止で増産のアクセルを踏んでも、交付金がブレーキになりかねない。
断言します。日本で「食料危機」など起きません(笑)。
<教科書はまとも>
教科書は、どんどん新しくなっています。食料危機などおこりようもないことが述べられています(下線部筆者)。
実教出版 『最新政治・経済』p138 平成29年3月7日
人口爆発と食料
世界の人口は、20世紀の後半に急増し(人口爆発)、2012年には70億人を突破した。今後は2040年代に90億人を超え、21世紀末には100億人に達すると推計されている。ここから「将来、人びとの食料は足りなくなるのではないかと心配になる人もいるだろう。
順調に増えてきた穀物生産
1961年から2010年までの50年間に、世界の人口は2.25倍に増加したのに対して、人類の主食である穀物の生産量は2.78倍に増加した。つまり人口の増加よりも穀物の生産量の増加の方が大きかったのであり、人類は1人あたりでみて、より多くの穀物を手にできるようになった。
しかも、この間に世界の穀物の耕地面積はほとんど拡大しておらず、穀物の増産は世界的に見れば単収(単位面積当たりの収量)を高めることで達成されてきた。また、穀物の単収は先進国で高くアフリカ等の発展途上国で低い。このことは特に途上国で単収を伸ばしていく余地が大いにあるということを意味しており、それゆえ、世界の穀物生産量は今後も増加していくと考えられている。
従って、このまま人口が増加するとやがて食糧が足りなくなり、食糧危機が起こるはずだとむやみに心配する必要はない。
p144
飢餓と大量の食料廃棄
日本を含む先進国では、年々大量の食料品が、捨てられている。その多くは食べ終わったあとの生ゴミではなく、たんなる食べ残しや、買いだめしていて消費期限が過ぎたもの、中には未開封のまま捨てられているものもある。
こうしたフードロス(食品ロス)は現在世界の食料品生産の3分の1にも達しており、日本でも年間の食品廃棄物1800万トンのうち500~800万トンはフードロスであるという(農林水産省)。