公取委、嫌がらせをしたJA阿寒に注意(本当は指導)
読売2017.10.7
「農協通さぬ農家に賦課金」
農協以外に生乳を出荷しようとする組合員に賦課金を求める制度は、独占禁止法違反に当たるおそれがあるとして、公取委は6日、阿寒農協に注意を行った。
今年6月の出荷分から、生乳1キロ当たり0.5円の賦課金を課す制度を導入、農協以外の卸売業者に出荷する農家にも賦課金を求めた。
阿寒農協が農家に対して有利な立場を利用して賦課金を求めたとして、独禁法が禁じる「優越的地位の乱用」にあたるおそれがあると判断した。
同農協が調査開始後に賦課金の徴収を停止したことから、行政指導ではなく、注意にとどめた。
この、「JA=北海道ではホクレン」を通さずに、別の業者に「生乳」を降ろす生産者に対し、年間「120万円」にも上る、賦課金=経営・技術指導にかかるカネを、突如課そうとしたJA阿寒のやり方が、独禁法違反で、処分されました。
その内容は、TV「ガイアの夜明け」で放送されています。
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ガイアの夜明け続バター不足福仁畜産を襲う阿寒JA賦課金の壁
生乳は、指定団体(今は全国で10組)を通して出荷すれば、国から「補助金」が出ます。生乳は「価格が高く」、加工乳は「低い」。その差を埋めるために「補助金」が出ます。
全国平均では、飲用ならキロ117円、加工用ならキロ75円です。同じ生乳なのに、値段が違います。この差を埋めるために補助金が出されているのです。
北海道の生乳は、全国で売れてしまいます。だから、北海道の生乳が全国に流通しないように、指定地域団体を作り、結果、北海道で生産する生乳は、加工乳にしかなりません。差額をもらうためには、指定団体=ホクレンに降ろすことが条件です。


北海道の指定団体はホクレン、JAです。
創意工夫する生産者は、ホクレンを通さずに、MMJ(群馬県の会社)に「加工用乳」を降ろそうとしました。
2016年12月、農協は加工乳のプール価格を2円60銭引き上げます。MMJに降ろすと92.5円ですが、農協に降ろすと90.6円に値上げします。価格差を縮め、MMJと取引する生産者に圧力をかけます。これ自体、独占による圧力ですが、「農協」は、企業ではないため、この独占が認められています。
それどころか、JA阿寒は、突然、「生乳の出荷に賦課金キロ50銭」を課すことにしました。生産者によっては、1か月10万円、1年で120万円のコスト増になります。しかも、農協に降ろさない、MMJと直接取引しようとした農家をねらい打ちにした賦課金でした。嫌がらせです。
これに公取委が「調査」に入ったのです。すかさずJA阿寒は賦課金を「止めます」。
バターの価格は、この10年で4割高、毎年「バター不足」報道が出ます。官製独占市場が、バターの価格と量をゆがめているのです。
本当は、「加工乳」値段で、指定団体が、バターメーカーに売るはずです。ところが、指定団体は、生乳値段で、メーカーに売るのです。「いらないの?じゃあ売らないよ」です。
結果、バターなど、つくってもメーカーにとっても赤字です。でもそれをやらないと、メーカーはチーズとか、生クリームなどの原材料も手に入れることができません。バターは、10年で4割も値上げ、毎年バター不足です。
この官製独占を行っているのが、農水省天下り団体「農畜産業振興機構【エーリック】」です。海外バターの独占取扱い機関です。安い海外バターを輸入し、国産価格との差額に対し「賦課金(要するに税金)」をかけて、その賦課金を、日本の生乳生産者に「補助金」」として回しているのです。
結果、やる気のある生産者を市場から締め出し、消費者はバター高・バター不足にさいなまれます。
エーリック役員のうち、10人中、5人が農水省の出向とOBです。
野党の皆さん、本当にあなたたちが戦わなければいけないのは、このような「官僚支配機構」でしょう。野党と与党に分かれて論戦させ、国会エネルギーを浪費させ、一番トクするのは、この「官僚システム」です。国会⇔行政の抑制と均衡といいますが、国会が一致し、力を集中しないから、行政が「やりたい放題」です!国会がもめればもめるほど、官僚は安泰なのです。
天下り団体、一番作ったのが、「文科省」です。加計問題は、文科省利権=許認可独占権、大学への天下り・・・の縮図でしょう。
国会が「一致」して切り込まなければいけないのは、このように「市場メカニズム」をゆがめる、官僚システムなんですよ!
<古い記事を自分で見ていたら・・・>
曲学阿世の方の記事を見つけました。2014-10-14記事です。いかに「デタラメ」を言っていたか、十分に検証できます(笑)
当時、「間違い部分」を赤字にしましたが・・・見事「赤字」部分がでたらめであることが、証明されました(笑)。
以下、再掲します。
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<何を言っているのか、さっぱり分かりません>
経済学を知らない方が、経済語っても、基礎がメチャクチャなので、結論も当然メチャクチャになるという例です。
認識の間違いや、トンデモ部分は、赤で示しました。
「スクリューフレーション」で1億総貧困化 大阪経済大客員教授 岩本沙弓氏が緊急提言
株式市場の乱高下に個人投資家が悲鳴を上げている。トリガーを引いたのはアベノミクスであることは言うまでもないが、問題は今後だ。はっきり言おう。待っているのはゾッとするような地獄だ。「バブルの死角」(集英社新書)を上梓した大阪経済大客員教授の岩本沙弓氏が緊急提言――。
今のジェットコースター相場は、「大胆緩和で長期金利を押し下げる」と説明してきた日銀の黒田総裁が「やっぱりできません」と白旗を揚げたかのような発言がきっかけとなっています。緩和で長期金利をコントロールできないことは、金融の世界ではいわば常識。それでも、黒田総裁は「できる、できる」と言われたので、何かしらの秘策があるかと思ったら、何もなかった。その失望から黒田総裁への期待は低下せざるを得ない、というのが現場の声として聞こえてきます。現状は参院選前の調整局面であり、相場は一時的に落ち着きを取り戻すんじゃないでしょうか。
本当に怖いのは、お祭り騒ぎが終わった後です。最悪のシナリオの場合ですが、数年後に賃金が上がらずに物価と金利が上がる「スクリューフレーション」という現象が日本を襲う可能性があるかもしれません。景気が低迷し、インフレが進む「スタグフレーション」と似ていますが、最大の特徴は「中間層の貧困化」(スクリューイング)を伴うことです。オイルショックに見舞われた40年前は、インフレと同時に賃金も上昇したから、庶民は最悪の事態を免れました。ところが今は企業がいくら儲けようが、サラリーマンの賃金にはこれまでのところ反映されていません。そんな状況にもかかわらず、安倍政権は、物価目標の数値を提示し、実現しようとしている。このままでは円安による食料価格高騰と消費税が追い打ちとなり、庶民の生活は厳しくなってしまいます。
そもそも、原発が停止され、海外からの化石燃料にこれまで以上に依存しなければならない状況の中で円安誘導しようとするメリットはあまりありません。
<世界は未曽有の大恐慌へ>
円安誘導の手段としては為替介入がありますが、一滴で大海を動かそうとする無謀さに例えられます。10年前に1ドル=100円近辺だった為替水準は、今もほとんど変わりません。
小泉政権から民主党政権まで60兆円もドル買い介入し、買ったドルのほとんどは米国債の購入に充てられていると考えられます。小泉政権がドル買いに使った42兆円は、結果的にブッシュ減税の財源に回った公算が大きい。日本の富が米国に渡り、米国民が潤う。そんな図式です。
安倍政権も50兆円の米国債購入を検討しようとしているという、ブルームバーグの驚くような報道がありました。さて、「安倍50兆円ファンド」は何に使われるのでしょうか? 海外に渡す資金の余裕があるのなら、日本に財政不安はない、ということになります。海外よりもまずは日本の減税のために資金を使うべきでしょう。
長期的には史上最悪の大恐慌に踏み込もうとする可能性も否めません。紙幣をどれだけ印刷しても、対症療法に終われば市場経済の本質的な修復は不可能。それでも先進各国は紙幣印刷の輪転機を回しっぱなしにしている。安倍政権も乗り遅れまいと大胆緩和に踏み切りました。これまでバブルのツケはバブルで帳消しにしてきましたが、地球規模のバブルになれば、吹き飛ばせる次のバブルはありません。帳消しは不可能となってしまいます。選択を間違えれば、恐らく数年後に「資本主義最後のバブル」が起き、瞬く間にはじける可能性もあります。世界経済が崩壊に向かわないよう、注視する必要があります。