食料自給率アップには、米ばかり食べさせること!
田村秀 日本食文化観光推進機構理事長 新潟大教授
朝日 2017.10.6
「ご当地の宝に磨きかけて」
8月に発表された昨年度の日本の食料自給率が38%と…低水準にとどまった。
…自給率低下は地域の農業も危うくし、食糧安保の観点からも問題が大きい。
…若い世代のファストフードへの依存は、ご当地の食の次世代への継承を難しくしている。食材の輸入品への依存度が高いだけに自給率低下に拍車をかけかねないのだ。
完全な「ポジション・トーク」であり、「事実に基づいた学問」を提供する大学教授の発言ではありません!こういう発言を、曲学阿世と言います。
カロリー自給率が最も高かった(記録が残されている)のは、昭和35年(1960年)です。

要するに、貧しかった時代は、「コメ」しか食べるものが無かったので、カロリー自給率は79%もあったのです。
農水省

カロリーが高いのは穀物、要するに「コメ」「小麦」「トウモロコシ」です。
このうち、小麦で得ているカロリーは、331キロカロリー、14%(2015年)です。
しかし、高温多湿の日本では、乾燥地帯で栽培される小麦を自給することは、事実上「不可能」です。もちろん「トウモロコシ」も同様の理由です(北海道では十分可能ですが)。
日本で、カロリー自給率を上げるには、簡単に言えば、米のみ食べることです。
コンビニも、ファストフードも、全部「コメ」商品だけを扱うように、法律を変えることです。
マクドナルドも、モスバーガーも、すべて「ライスバーガー」を義務付けます。
コンビニ商品のパンや麺はすべて「米粉」を義務付けます。
ミスタードーナッツも、ピザ店も、パスタ店も「米粉」を義務付けます。
ラーメン店は、すべて米粉「フォー」「ビーフン」にします。
香川のうどん店・うどんチェーン店は、すべて「おいしくない国産小麦」を義務付けます(現在はすべて輸入小麦です)。
カップ麺・インスタント麺は、「うどん」廃止、ラーメンは「ビーフン」にします。
ケーキはすべて「米粉」を義務付けます。
野菜や果物は、いくら国産を食べても「カロリーは低い」ので、問題ありません!日本の生産費自給率は66%、野菜や果物を摂取しているから、このような水準になります。
「米しか食べてはいけない法」を義務付けましょう!
食生活は貧しくなりますが、食糧安全保障度?は高まります。めでたしめでたし。
<教科書はまとも>
教科書は、どんどん新しくなっています。食料危機などおこりようもないことが述べられています(下線部筆者)。
実教出版 『最新政治・経済』p138 平成29年3月7日
人口爆発と食料
世界の人口は、20世紀の後半に急増し(人口爆発)、2012年には70億人を突破した。今後は2040年代に90億人を超え、21世紀末には100億人に達すると推計されている。ここから「将来、人びとの食料は足りなくなるのではないかと心配になる人もいるだろう。
順調に増えてきた穀物生産
1961年から2010年までの50年間に、世界の人口は2.25倍に増加したのに対して、人類の主食である穀物の生産量は2.78倍に増加した。つまり人口の増加よりも穀物の生産量の増加の方が大きかったのであり、人類は1人あたりでみて、より多くの穀物を手にできるようになった。
しかも、この間に世界の穀物の耕地面積はほとんど拡大しておらず、穀物の増産は世界的に見れば単収(単位面積当たりの収量)を高めることで達成されてきた。また、穀物の単収は先進国で高くアフリカ等の発展途上国で低い。このことは特に途上国で単収を伸ばしていく余地が大いにあるということを意味しており、それゆえ、世界の穀物生産量は今後も増加していくと考えられている。
従って、このまま人口が増加するとやがて食糧が足りなくなり、食糧危機が起こるはずだとむやみに心配する必要はない 。
p144
飢餓と大量の食料廃棄
日本を含む先進国では、年々大量の食料品が、捨てられている。その多くは食べ終わったあとの生ゴミではなく、たんなる食べ残しや、買いだめしていて消費期限が過ぎたもの、中には未開封のまま捨てられているものもある。
こうしたフードロス(食品ロス)は現在世界の食料品生産の3分の1にも達しており、日本でも年間の食品廃棄物1800万トンのうち500~800万トンはフードロスであるという(農林水産省)。